<2014.9.28 K.Kotani>日本アニメ学会西日本支部第15回研究会


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2014年9月28日

日本アニメ学会西日本支部第15回研究会





  9月27日、午後3時から、大阪デザイナー専門学校において、日本アニメーション学会西日本支部 第15回研究会が行われ、前田稔氏・岡部望会員による講演が行われました。
 前田稔氏は、広島出身で、被爆直前の広島の子供たちの日常をたんねんに描いた「太陽をなくした日」(2002)の上映とメーキング解説を行われました。被爆直前の自宅近辺の様子がどうだったか、ご存命のご親族や現地の方々へのインタビュー、資料収集していたら10年もかかってしまい、その間に撮影スタジオのデジタル化がすすんでいって、「撮影台」がなくなってしまうかも、という事態に遭遇されたり、被爆地近辺の全壊したお寺の細部について、「同じ棟梁の作ったほぼ同じお寺がやや離れた場所にある」との事で、そのお寺にお願いしてスケッチしたり、被爆者の方のお話を伺っているうちに、被爆者の方同士で、「あの時の橋はこうだったが」「それは私も見たが、もう燃えていて渡れなかった」などと、思わぬ新しい事実が判明したり、店先にさりげなく置いてあったコンクリートの箱が当時の防火用水だったりなど、なかなか興味深い話でした。当時の資料がなかなか手に入らない理由としては、「原爆で建物も写真も全部燃えてしまって無くなってしまった」という事でした。
 なお、前田監督は、 かって、 2000年の広島フェスを紹介する近メ像 において、「雪のシンフォニー」の監督として紹介しています。
 岡部望会員は、実写の映像なども交えて、実例を紹介しつつ、フィルムにおける合成技術の活用と特徴について解説されました。
 なお、研究会に先立って、西日本支部の運営会議が行われ、活動報告と今後の計画の説明がありました。
 次回の研究会は、10月25日に同じ大阪デザイナー専門学校で予定されています。



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