Episode.4
『WASP』
初版発行日・97/8/17(コミックマーケット【有明】)
物語
ある夜。まるで仁と有森が『組織』から脱走した晩を思い出させるような
事態が起きる。改造人間が脱走したのだ。しかもグラスホッパー・シリー
ズの改造人間が。
追跡部隊を壊滅させ、漆黒の闇の中へと姿を消す改造人間。シャドウとイ
ンドラはその素材となった者に不安と脅威を抱く。
同じ頃、ケイトが完成させた一体の改造人間が実戦配備となった。
スズメバチの改造人間ワスプ。『組織』でも珍しい女性タイプの改造人間
であり、かつこれまでにないほど完成度の高い脳改造を受けた彼女は異例
の幹部候補生待遇が決定していた。
彼女に出された最初の指令。それはグラスホッパー討伐作戦であった。
ワスプとサボテンの改造人間カークタスにおびきだされた仁と沢村は、優
れた指揮能力を持つワスプに翻弄され、ピンチに陥ってしまう。そして仁
はワスプの素材となった女性の正体を知り、激しく動揺する。
だが、そこへ突然現れた新たなグラスホッパーにより戦局は変わる。
様々な特殊兵器を仕込んだ左腕でカークタスを撃退したその改造人間は、
仁達にとっても、そして『組織』にとっても敵であるグラス・ザ・マンと
名乗り姿を消す。
同じ頃、沢村の前に意外な人物が姿を見せる。かつて沢村と死闘を繰り広げ
たその者の名は、、、
ケイトは滅多に使用しない科学班の作戦執行権を発動させ、新たな攻撃を開
始する。
それを受けてワスプは忍を狙う。「女沢村」こと皇ちひろが彼女を守るため
に善戦するも皇は負傷し、忍はさらわれてしまう。
仁、そして忍に対しても異常なほどの憎悪を抱くワスプ。
そして、仁と沢村は罠と知りながらも忍を救い出すためにワスプと、蟹の改
造人間クラブが待つ『組織』科学班の要塞研究所へと向かう。
そんな中、グラス・ザ・マンも要塞へと潜入する。
その正体そして目的は?彼は敵か味方か?
何故、ワスプは仁と忍に憎しみを抱くのか?
そして、その理由を知る仁は果たしてワスプに勝てるのか?
様々な思惑が交錯し、愛憎乱れるドラマの中、孤島の要塞でシリーズ最大の激
戦の幕が上がる!
作者の言葉
様々な事情により(笑)刊行に一年かけてしまった四話です。
その反動かかなりページ数の多い本となってしまいました。
しかし、いつもより執筆に時間をかけた分、スケールの大きさや仕掛けはかな
り盛り込めたので、気分は『劇場版』!って感じで仕上げました(笑)
蜂女ワスプ率いる改造人間軍団(この辺が劇場版ぽいね(笑))との激戦と
新たなグラスホッパー、グラス・ザ・マンの出現。さらに新キャラ「女沢村」
皇ちひろの登場。そして沢村の愛車ミニ・クーパーvs装甲車軍団と、展開
の早さはかなり楽しめるかもしれません。
ただし、これは作者自身が感じている事ですがかなりカルトなエピソードで
あると言えます。当初主役級で活躍するはずであったグラス・ザ・マンより
女性陣の書き込みを増やすなどのテーマの変更による紆余曲折を経て完成し
たエピソードのため、両極端な物語になったかも、、、とは思っています。
前回の『男』のグラスホッパーに対しての『女』のグラスホッパーと思って
いただいていいかもしれません。(特にケイトの描写は結構反響ありました)
後、「GRASS HOPPER」の物語において大きな分岐点となる仕掛け
もかなり含まれていますので、かなり重要なエピソードてもあります。
ちなみに、遂に『赤いマフラー』が出てきます!(どうやって出るのかは本編
を読んでのお楽しみ(笑))
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