この物語を書き始めるまでには色々な経過を辿っていまして、それを簡単
に書くのはかなり困難です。
ですが、私が同人誌とはいえこの物語にここまでこだわっている理由を是
非とも知っていただきたいとも思うのも事実です。
そこで、私事にここまでページを割いて恐縮ですが、「GRASS HOP
PER」という物語が生まれるまでの経過を記したいと思います。

お付き合いいただけたら幸いです。

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第一部 空想

この物語の根本のアイディアを考えたのは、私が小学生の頃でした。
私は子供の頃からヒーロー物が大好きで、アニメも特撮もかかさず観ていました。
そこまではほとんどの人が子供時代には必ず通る道だと思います。
私はその頃から、将来は映画の脚本や小説などの「物」を書く仕事につきたいと思っていました。
で、あまり外に出て遊ぶ子供でもなかったので、ノートなどに自分の頭の中に生まれた物語を書き連ねていたものです。
もちろん、馬鹿な子供の書いたものですから、到底「物語」として成立などはしていません。簡単に言えば、走り書きのメモといった感じでしょうか。
ですが、子供時代の恐ろしいまでに自由な発想で描かれたその「物語」の数々は今の私に多くのインスピレーションを与えてくれています。

そして、その中にたった数行ですが「ある場面」を描写した文章があったのです。

『病室のようにガランとした部屋の中に仮面を脱いでバッタの姿に戻ったライダーが背を向けてうなだれて座っている。そして、ライダーの背後には無数の空の注射器の山がある・・・』

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