「DeadEnd」

死の色の瞳の堕天使が
悲しみともに街を流す
年々大きくなっていくものとか
その陰に隠れてしまったものとか
探しながら
いつか遠くなってしまったのは
しかたのない成り行きだが
つかみ所のない不安に
墓場はない

死の色の瞳の堕天使が
冷たく閉じた街を流す
ほんの一瞬のためらいが
死に場所すら消してしまう時代
街角の出会いをあわく望むことは
いつだって寒さを伴っているという
なぜならその先にあるのは袋小路
道を風だけが来る

死の色の瞳の堕天使が
ふりかえる

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