「赤き花」

正午の列車の窓に
赤き花の群れ
心に響きかける沈黙の
赤き花の群れ
細すぎる女の艶やかなるように
押し付けるものも無く
訴えるさまもなく

私が抱くのは
その名ゆえの思い込みか

ただ細く艶やかに咲き
華やかになれぬ赤い花
その名ゆえか
この国ゆえか
この光ゆえか

死人花 咲く

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