「アルバムの内外」

見るとも無く開いたアルバムには
おまえの飛び切りの笑顔
隣に立っている男には
毒づかれた覚えがある

最近おまえの笑顔を見ていない
ただ疲れて
擦り減った顔のおまえが居る

生活の中で
恋を生かすのは難しい
おかしなものだ
あんなに愛して
共に居たくて
手に入れた
おまえなのに

今一緒に居るおまえよりも
アルバムの中のおまえの方が
幸せそうに笑っている

おまえのたどった
十数年の歴史
否定するわけではないが
おまえとすごした
十数年の想い
どこにやればいい

最近おまえの笑顔を見られない
疲れたおまえを
笑わせてやれない俺が居る

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