「茶色」

人間はだれでも皆
自分の茶色を持っている

茶色はいつだって
人それぞれに色合いが異なるから
私の茶色は必ずしも
あなたの茶色ではない
あなたの茶色はもしかしたら
わたしには紫に見えるかもしれない
私の茶色をあなたは
黒と呼ぶのかもしれない

それ以前に私の茶色すら
いつも同じ色ではないかもしれない
どんな茶色なのかを伝えたいと
思ってみたところで
その茶色の組成を
言葉で説明する事はできない

すべての色を混ぜ合わせ
茶色を作るのだ
赤や青や黄色ではない
私の茶色を

そして茶色を愛するのだ
あなたや彼や見も知らぬ人の
尊い茶色を

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