「胃潰瘍81」

胃潰瘍の神
人は歩く
 折れた足をひきずって。
流れる水は
工業の上の商業の上の
 幻影
流れる歌は
 流した歌で
米に変わっちまうなんて
 誰も言わない
頭の中のマシン
体の中のマネー
身の回りはコピー
日ごと日暮れのひぐらしも
その日暮らしの日暮れには
日の入りさえも気づかない
皮をかぶれ
衣をはげ
時の流れは
時計の針か
人の命は
天下の回り物

目次へ