「入り口」

出口が見つからなかったころが
ただなつかしい。
俺はそこにいて
確かにそこにいて

出口を探していたころが
ただ愛しい。
何か違うと
別の道を求め

すべて居る場所のあった
すべて内側に居られた
贅沢な日々の
贅沢な悩み

外側にはじき出されてみれば
今入り口が見つからない。
もう外がないこの場所に立って
今入り口が見つからない。

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