「若き日の想いへ」
永劫の時流の影で
おまえは
いったい何に怯えているのだ
そこからは
ラファエルが見えるか
そこからは
ルシファーが見えるか
頑なに閉ざしたところで
おまえの恐れるそれは
容易く入り込んでくるのだ
さらけ出したところで
おまえの恐れるそれは
何も害はなさないのだ
幻想と現実の擦れあう場所で
境界はますます加熱し
その姿を陽炎へと変える
斜な言葉を積み重ねて
おまえは何を守りたいのだ
塗り重ねた背徳で
いったい何を飾りたいのだ
ここからは見えるのだ
駆け上り
旋回し
堕ち
苦悶し
目を光らせるおまえが
苦悩と耽美は
同じ蜜の味がする
あのころはまだ生きている。