「エレミヤ 30-12」
「主はこう仰せられる、
あなたの痛みは癒えずあなたの傷は重い」
心臓に一本の釘が刺さっている
黒く錆びた釘が
釘はもはや体の一部で
その存在をあえて意識する事も無い
痛みが薄らいだわけも無く
まして消えるわけも無い
しかし痛みを言葉にしたところで
何か救われるわけでもない
したり顔で救いを説く人に
何人か出会ったが
私の痛みをやわらげるような
言葉をかけてくれる者はいない
良い行いをしても
明るい顔をしても
綺麗な物を見ても
あなたに微笑みかけても
私の傷口からは
絶えず滴り落ちる血液
いっそ、この釘を抜いてしまおうか
脈打って噴出す血潮
そしてブラックアウト