「霧雨」
降るともない雨が
妙に気障りで
決して真実を言わない
おまえのようで
中途半端に濡らして
心まで凍えさせる
湿った風景とは裏腹に
少しずつひび割れていく心
乾いた心は
何も語ろうとしないから
おまえとの会話は
いつもから回りだ
雨音は言葉の代わりになるのか?
いや、言葉は踊らない
ましてこの季節の雨は
ただ煙るばかりで音も無く
曇った窓ガラスは
まるで俺の瞳のようで
向かい合っていても
おまえの顔は映らない
余裕があるのだか
無神経なのだか
せめて、さようならだけ
言ってあげよう