「まえがき」
今まで歩いてきた道の数々が
俺をさみしさの底に沈める夜
どこにも届かない言葉を叫びながら
涙を流す。
疲れてしまった体と心を
もう一度立ち上がらせ歩き出さねばならない
全くその形状を見せぬ
俺の明日へと向かって。
俺は恋をした。
それはそれなりに素敵だ。
けれども
その行く末がわからないので
日常はとても不安定になる。
ただ、一つの理想形として
俺が生きていた街に
再度
その女を連れて帰ることができたら、
しかし、すべてはエゴであり
とにかく俺は自分の足跡を
しっかりとした形で記し続けるしかない。
何もかもがわからない夜
俺はやはり孤独で
ケースバイケースのシナリオは
とりのこされた側のさみしさを強調する。
過去の厚さと
未来の重さ
その間にうずくまっている今夜
花の季節は昔に過ぎ
そして雲は姿を見せない
このより所の無い不安をどうしようか。