「まるで落雷に打たれたかのごとく」
桜を散らす雨の
午後4時29分
後ろ姿の戦慄
BASSソロのレスィタティーヴォ
不満と情熱と訣別と
開いた口は阿の音
表記されたものと されぬものと
一瞬待て
忘れるから
打たれた桜の悲しい躯
彼岸から伝説を歌う声が聞こえる
左半身で硬直を表現し
残った半分で ふるえる
左に23度傾いた首
ゆれる水
一口で飲み干した
冷めてしまったコーヒー
数々の潮流
立ち枯れの日々
全能であるという嘘を信じさせるために全能であろうとするものの存在を
結局何もかも覚えていた