「見えぬもの」
切り取られた景色の断片が フレームアウトの万象の悲哀を思わせ ソフトトーンに演出された目の前のそいつに 憎しみをぶつけたくなったりする いつだって外面は美しく 気づく者もいないというのに さらに暴走を始めたそれらのアンバランス 誰のためでもありはしない 誰のためにもなりはしない 無論見えぬものなど知らねば良いのだ 見えるところだけ見ればよいのだ だが君 視界の隅に血がにじみついているのが 見えないか
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