「内職生活」

秋が来たというのに
私の日々には季節感がない
来る日も来る日も
液晶ディスプレイを見つめ
ただ座り続け
キーボードをたたき続け
締め切った部屋の空気は
頭痛を起こさせるほどよどみ
窓は開け放たれることを
拒否するように固くなり
それでも深呼吸をする余裕も
今の私にはない

生活のため?
生活に追われ?

とにかく今は頑張らなくてはいけない
しばらくは息をつくことも忘れ
私は今追い込まれている
何か嘘をついているんじゃないか
何かを誤魔化しているんじゃないか
この余裕の無さは
心の余裕の無さで
いや余計なことを考えず
もう少し息を止めて駆け抜けるのだ
この場所を過ぎれば
また深呼吸も出来る
そのころでも
紅葉にはまだ間に合うだろう

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