「日没あたりで」

夕焼けなんかが 優しく街を染め始めていて
そんな中に、二人 佇んでいたものだから
僕は たまらなくなって
空がきれいだねって言ったんだ
そうしたら、君が なに? なんて聞き返すから
僕はもう一度 君の耳にささやいたんだ
君は かわいいねって
君は 嘘つきって言って笑ったから
僕は 本当にそう思っているんだよ と答えて
でも本当は 初めから 聞こえていたんだろう
君の頬 赤かったもの
あ 今太陽が沈むよ 見てごらん
空が きれいだね。

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