「お前を抱き」

7月のうだる夜に
汗をかきながら寝る
明日の予定を
未来は見ないようにしながら考える
救いようのない今日よりもまだ
救いようのない恋だとしても

汗をかきながら抱き
汗をかきながらいき
汗をかきながら冷め
汗をかきながら夢

どんな幸せを思い描いたところで
その下地に塗りこまれた背徳

このまま8月が狂気だとよいが

私の名を呼ぶ声は
全てが非難の声に聞こえる
それでもまだこの蒸し風呂の中

汗をかきながら抱き
汗をかきながらいき
汗をかきながら冷め
汗をかきながら夢

7月のうだる夜に
汗をかきながら寝る

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