「女」
好きになれない甘え方をする
とてもきれいな女がいた
もう年の暮れだというのに
俺はここで何をしているのだろう
想像力が弱ければ
安全だから
眠ってもよいはず
女はわざと罠だと知らせて
俺を安心させようとする
そんな言葉の全てが
煙草のけむりより鬱陶しく感じた
君は嬉しいのか
言葉が違うせいで
話すのはとても苦労だ
まずい水割りを飲みながら
嬌声の音程だけを聞いていた
酔った風なそぶりで
愛想笑いもやめてしまった
雨はもう止んだかもしれない
毛の生えた生き物が
さようならを言った