「路港」
赤暗い空の下
都会のバス停
煌々と輝き
道標のように
最終バスは
もう行ってしまった
夜明けには
まだ遠い
なのに
何かを待つように
バス停は
明かりを灯し
この季節では
迷子の蛾も
集まっては来ない
それを追うはずの
蝙蝠たちは
ユクエ知れずで
それでもいいのさと
うすら笑いの
赤信号は連なり
それでも凛として
なお暖かく
バス停は
立っているから
私は佇む
バス停の傍に