「略号」

すでに俺自身意味を忘れたたくさんの略号
自分の屍みたいにいやみったらしく思えて
ただ笑い飛ばしてみる
(誰かが拾っていくわけもない)

それぞれの場所にそれぞれの思いがあり
ちょっとした光の加減で混沌になったりするので
俺はそっと身震いをする
(誰も見ていないはずだから)

たくさんの嘘の後で
俺は何も持っていなかったりしたので
無理やり眠ってしまうことにした
(すべて遠くなったんだ)

さみしくなったときは
ほんの気の迷いだといってしまおう
そのうちきっと忘れてしまうはずだ
あの略号の意味みたいに

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