「蒼月」

億年の
蒼き月に照らされて
地上の我は
ひとつの命に戻る

あまねく照らす
月光の
やさしさなるか
冷たさなるか

-しん-とした
響きこそが
今ある時を
冬の夜と主張し。

億年の
蒼き月に照らされて
万象の中の
一人の我に戻る

空を見上げて
佇む我の
眼底の奥を
照らし出し

体の芯まで凍え
悠久の時に恐れ
ただ在る者の
孤独を知る。

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