「タピオカバナナ」

「これが意外とおいしいんだぁ」
と、ちょっと自慢気に
タピオカバナナ
「どう、けっこういけるでしょ」
「うん、おいしいよ」
って、でもそのまんまの味
タピオカバナナ

「すごくおいしい」
何回言ったっけ?
キミの手作りの食卓で
もっとほかの言い方も
考えておけばよかったかな

「どれが一番おいしかった?」
えっ、どれだろう
サーモンの押し寿司
マリネのサラダ
えっと、白いスープ・・・
タピオカバナナ
「全部、全部おいしかった」
だって君の手料理だもの
本当は
キミの覗き込むような笑顔

ウキウキトとドキドキが
やっと落ち着いてきて
少しほんわか
幸せな気分で
「本当においしかったぁー」
キミと
タピオカバナナ

なんのひねりもないけれど
でもそのまんまがいいんだよね
キミと同じで
タピオカバナナ

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