「展望バー」
静まり返る
発光体
会話は途切れがちで
ただ巨大な
発光体
TOKYOの街
この有機集積体の上空に
僕らは今酒を交わし
ガラス越しの景色を
眺めている
ここにいる私と
そこにいるあなた
そして眼下に広がる光の
境目はどこだ
ただ確かなのは
私の前には光がある
街という、
そしてあなたという
その光の中に落とした
思い出のかけらは
あっというまに
跡形も無く消化される
光の渦は
まもなく
私を飲み込む