「弔い歌」

来やしゃんせ
来やしゃんせ
歳の祭りの
この夜に
稲荷様まで
来やしゃんせ

聞かしゃんせ
聞かしゃんせ
祭囃子の
あいの間に
赤子泣くのを
聞かしゃんせ

見やしゃんせ
見やしゃんせ
祭りのはずれの
暗がりで
わがこの鬼面
見やしゃんせ

来やしゃんせ
来やしゃんせ
歳の祭りの
この夜に
稲荷様まで
来やしゃんせ

許しゃんせ
許しゃんせ
稚児にもなれず
世を去りし
時まで知らずを
許しゃんせ

飲ましゃんせ
飲ましゃんせ
わが子のななつの
弔いに
苦き酒をば
飲ましゃんせ

来やしゃんせ
来やしゃんせ
歳の祭りの
この夜に
稲荷様まで
来やしゃんせ

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