「梅雨の時代」

星の見えない夜が続いている
星が出たからといって
それを見上げるほどに
ロマンティストではないのだけれど

こんな街の隙間だらけの星空でも
見えなければ寂しいもので
煙草をくわえて
曇った空を見上げる

君に会えない日々が続いている
君がいるからといって
君だけを見ていられるほど
正直者でもないんだけれど

会えなければ寂しいものだ
君の目を見つめて
愛しているといえるほどに
白々しいこの思いでも

夢を見ない生活が続いている
一人ぼっちの夜は
曇天の下
酒の魔法で夢でも見よう

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