「予感」

はかない記憶が
最期の近づいたことを感じさせ
私はほくそえむ
なんと長い間待ち続けたことか
この瞬間を
頭を締め付ける激痛が心地よい
ぼやけきった思考力が
それを肯定する
私は意味深げに笑う
これでよい
これでよいのだ
この瞬間のために生きてきた
私の笑顔に驚いて
逃げるのではないぞ、死神よ
私はお前を待っていたのだ
生まれてこの方待ち続けていたのだ
さあ早く手を差しのべてくれ

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