「夜から秋が」
この数日で
夜はずいぶんと優しくなり
月の明かりも透けだし
昼の残暑に疲れた額を
そっとぬぐってくれる
秋が来たから
肩の力を抜いてみよう
がむしゃらな夏を
そっとたたもう
夜中まで押し寄せていたはずの
じりじりとした蝉の声は
いつの間にかコオロギの
涼しげな響きに代わっている
そしてもう一度
深呼吸をしたら
今度はがんばらない歩幅で
歩いてみよう
日々の暮らしは相変わらずだが
夜から秋が忍び込んできた