ある友人との会話

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先日、こんなことがありました...。
  < 一部、ネイティブな茨城弁ってところがありましたが、さすがに編集しています(^_^; >

 ある日、いつもよりちょっと早く帰宅の途についた。
 夜の7時頃である。10時前に帰宅することがめずらしい私としてはかなり早い帰宅である。
 車を運転中、ふと、しばらく会っていない友人のことが思い浮かんだ。
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 友人宅に近づくと、仕事場の明かりが遠くからでも確認できる。

 「いるいる、まだ仕事してるんだ....。」

 そう思いながら、駐車スペースに車をつっこんで、足早に作業場へと向かった。

 友人は、自宅に作業場を作って、ちょっとしたモノ作りの仕事をしている。
 いわゆる自営業である。つまり立派な社長さんである。
 その仕事ぶりは、いつ見てもとても感心させられる。
 丁寧な仕事が彼の性格を物語っている。まさに職人芸である。
 もともとは趣味が高じて、それがそのまま仕事になったわけだが、サラリーマンには向いていない彼の選ぶ道としては、まさにうってつけであったのだろう。

 「やぁ、しばらく」、と声をかけた。

 「おう、しばらくだね!」と威勢のいい返事。
 
「今も帰りは遅いのか」と毎度の言葉が帰ってくる。

 「まぁまぁだね。」、とありきたの挨拶を交わして、ちょっとした世間話に花がさく。

 こいうときには、なぜか缶コーヒーが似合う。
 普段まったく飲まない缶コーヒーであるが、友人のところには仕事柄、お茶代わりに気楽に出せる缶コーヒーが用意してあって、それをなぜか当たり前のように頂いてしまう..。

 10月末でも夜は結構冷える。
 良く暖まった“ジョージア”を握りながらの気心の知れた友人との立ち話は、しばし時の経つのを忘れさせてくれる。
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 そんなときに、友人が、めずらしくグチッぽいことを言い出した。


 
「おまえのようなサラリーマンは、いいよな〜。」 

 「なんで?、おまえだってけっこう商売繁盛してんじゃないの?、今頃まで仕事して....。」

 「いやいや、このごろ忙しくても、身入りがすくないんだよ。」
 「先週、風邪ひいちゃって、あまり仕事できなかったしなぁ〜。」
 「おまえんとこは仕事休んでも給料って出るんだろう?」

 「そりゃ、サラリーマンだからな。」
 「そっか...自営はいいときは良いが、こういうご時世だと大変だねぇ〜」
 「休めば休んだだけ収入減るもんな、逆に言えばやっただけ収入になる、ということだよな。」
 「おまえも昔は羽振りがよかったけど、いまじゃ自営は大変だね〜」

 「今はいくらやっても金にならなくて...。」

 「会社つとめは、会社がなくなることだってあるけどな....」
 「どっちにしろ収入を得るのは楽じゃないよ〜。」
 「自営だったらなおさらか。」
 「身体が資本ってことは、どんな商売でも同じだけどね。」

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 世の中、不景気。

 そう不景気なのである。
 友人がやっているような、いわゆる末端の仕事場には余計にしわ寄せがくるのかもしれない。

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 「こっちもこの頃はいろいろあってな。」

 「でも、給料は毎月もらっているだろ?」
 「サラリーマンの良いところは、それかな?」

 「でも、このごろは会社倒産、リストラのあらし、と深刻な話題が多くて、老後どころか一寸先だって心配になる有様さ。」
 「年末のボーナスは何割かカット、おまけに来年度は基本給減額だって!」
 「まぁ、今のご時世では仕方がないけどね...。」
 「贅沢はいってらんないよ...。」
 「住宅ローンだってあるしな。」
 「子供の教育費だってバカにならないぞ。」
 「いちおう一家の主である僕の小遣いより、子供の教育費の方が遙かに高いんだぜ。」
 「こういう状況で、でだよ..、給料の減額分はどこから捻出するかって言ったら、真っ先に狙われるのが僕の小遣いさ。」

 「そりゃ大変だ、ハハハっ」

 「そこ、笑うとこと違うだろ!」
 「どうも亭主の小遣いは無くても良い、みたいに思われてるけど、これはないよな。」

 「いくら苦しくても時間だけは順調に過ぎていくな〜。」

 「明るい新年になるといいんだけど。」

 「将来大丈夫かな?」

 「純ちゃんたのむよ〜、ホントに!」

 「とりあえずがんばるっきゃないって!」
 「さぁ、もっちょっと仕事、仕事!」

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 今度、また自転車(マウンテンバイク)を乗りにいく予定を決めて家路についたのはもう10時を過ぎていた。

 冷えた車内でエンジンキーを回しながら、

 「なんだかんだ言っても今の世の中、収入がなければ生活して行けないよなぁ〜。」

 という、当たり前のことを妙に実感してしまったひとときでした。
 お腹もだいぶ空きました(^^;

 


「健康が一番!」

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