老化を促進するもう1つの要因として考えられるのは食生活です!
摂取カロリーを減らした動物が健康で長生きすることは、60年も前から知られていた。
「カロリー制限は、長寿を実現する手段としては最有力候補だ」 と、ほかの方法には懐疑的なクリストファロも語っている。
「今のところ、少なくともマウスやラットといっ た温血動物の寿命を延ばすことが確認されているのは、カロリー制限だけだ」
ダイエットは短期間で体重を減らすのが目的だが、カロリー制限の場合、目的を達成するには、一生食事の量をコントロールしなければならない。
その場合、必要なのは、通常の食生活で得られる栄養分を犠牲にせずに、摂取カロリーだけを減らすことだ。
米老化研究所(NIA)は1987年、アカゲザルを使ってカロリー制限に関する研究をスタートさせた。
サルを 2つのグループに分け、一方には普通の食事を与え、もう一方にはカロリーを3割カットした食事を与えて、経 過を観察したのである。
また、カロリーを制限した食事にはビタミンやミネラルなどを付加し、普通の食事と同じ栄養素が配合されるようにした。
カロリー制限が寿命にどう影響するかは、サルの寿命を待たねばわからないが、カロリー制限をしたグループにはすでによい影響が出ている。
大腸の病気のリスクを減らす善玉コレステロール(HDL)が増え、血糖値は低く抑えられている。
「マウスなどのげっ歯類のケースと同じように、カロリー制限の効果が出ている」 と、NIAのジョージ・ロスは言う。
カロリー制限がどうして寿命を延ばすのかについては、いくつかの説がある。
最も有力なのは、活性酸素を
抑制する酵素の量が増えるという見方だ。
一方、ロスは次のように考える。「人間は年をとると、生物学的に秩序立った状態から、無秩序な状態に移行するものだ。
ところが、カロリー制限をすると、効率よくエネエルギーを消費できるようになる。
これは、自動車をゆっくりと走らせるようなものだ。
これをやると、故障せず に長く走りつづけることができるようになる」
とはいえ、今のところ、実際にカロリー制限を人間で実験してみようという動きはない。
その最大の原因は、食生活を大幅に変えてまで、そんな実験に参加したいと思う人が少ないことだ。
それでもロスは、短期的 にカロリー制限を実施するだけでも、老化をもたらす要因を突き止める役に立つかもしれないと考えている。
また、そうした要因が確認されれば、擬似的にカロリー制限をした状態を作り出す新薬を開発することも可能だ。
「そうすれば、腹がパンクするほど食べても、体はカロリー制限をした状態に保っておける」とロス。
食べたいだけ好きなものを食べて、おまけに若さを保てるとしたら、こんなにおいしい話はない。
実は、余分なカロリーだけを排泄してしまう製品は、すでに一般市販されているのです。
これらの製品については、こちらのページをご覧ください。
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