パンデミック(Pandemic)とは、インフルエンザなどが世界的に大流行することを言います。 パンデミックについては、国立感染症研究所などで詳しく解説されていますので、詳細をお知りになりたい場合には、そちらをご覧いただきたいと思います。
過去に起きたパンデミックは、14世紀にヨーロッパで発生したペスト、19〜20世紀にかけて発生したコレラ、そして1918〜1919に全世界で2500万人以上の犠牲者を出したとされるスペイン風邪があります。
2009年4月、メキシコから豚インフルエンザの発生がありアメリカ、カナダ、スペイン、韓国、ニュージーランドなど感染地域が世界中に急激に拡大しています。これを受け、2009年4月28日、WHOによる警戒フェーズがレベル4に引き上げらました。
今回は豚インフルエンザで、まだそれほど毒性は強くはないようですが、心配なのは1918年のスペイン風邪は豚インフルエンザの発生した後にやってきたという情報があるのです。人から人への感染力を身につけたウイルスは、変異を繰り返し強毒性となる危険性があるのですが、もしこうなった場合には、スペイン風邪と同じような深刻な事態も想定されてしまいます。
WHOによるパンデミックインフルエンザ警報フェーズは、4月28日にレベル3から4に引き上げられました。
その後、30日はさらにレベルが5に引き上げられています。いよいよパンデミックが身近に迫ったと言うことかと思います。
2009年6月11日、ついにフェーズ6に引き上げられました!
(日本時間、12日午前1時)
「感染の拡大を止めることはできない」というレベルです。
WHOでは、豚インフエンザという言い方は風評被害などを懸念して4月30日以降、
インフルエンザA(H1N1)というようになっています。
また、WHOでは、「2009インフルエンザ」と名付けました。
パンデミック間期 動物間に新しい亜型ウイルスが存在するが、人感染はない。 |
ヒト感染のリスクは低い | @ |
ヒト感染のリスクはより高い | A | |
パンデミックアラート期 新しい亜型ウイルスによるヒト感染がある。 |
ヒト−ヒト感染はないか、きわめて限定的である | B |
ヒト−ヒト感染が増加していることの証拠がある | C | |
かなりの数のヒト−ヒト感染の増加があることの証拠がある | D | |
パンデミック期 | 効率よく持続したヒト−ヒト感染が確立 | E |
日本では、2007年12月期においてインフルエンザの流行が過去20年間で最速になっていたようです。特に北海道では一つの医療機関あたり患者発生数が30人を超え警報レベルを超えたところが4か所もあったようです。他、患者発生数10人以上という注意報発令となっていた地域が北海道(4か所)、神奈川(1)、長野(1)、岡山(1)であったようです。
インフルエンザは、A型、B型、C型の三種類があります。この中でもっとも危険なのがA型になります。C型は小児期の呼吸器感染症(C型インフルエンザ)の原因ですが、一般的に流行しているインフルエンザとは大きく違っていますので、問題なのはA型とB型ということになります。
A型、およびB型は遺伝子が変化しやすいため、時に免疫獲得が間に合わず時に大流行を引き起こします。特にA型は遺伝子の変化が大きいためパンデミックの危険があります。
ウイルスのタイプは、たとえば高病原性鳥インフルエンザウイルスをH5N1型という言い方がされます。A型とB型のウイルスの表面には、ヘマグルチニン(hemagglutinin、haemagglutinin、HA)という抗原性糖たんぱく質(ヒトの細胞表面の糖(シアル酸という特異な糖鎖)に結合しその細胞に感染します。これは赤血球を固めて凝集体を作るという性質があり赤血球凝集素ともいわれる。)とノイラミダーゼ(Neuraminidase、NA)という糖たんぱく質(感染した細胞内で増えたウイルスが外に出る(遊離、放出)際にシアル酸を切り離す働きの酵素)があり、これまでに大きく分けてヘマグルチニン(Hemagglutinine、HA)には16種類、ノイラミダーゼ(NA)には9種類あることがわかっています。このためインフルエンザウイルスの種類には大きく分けてH1N1からH16N9まであることになりますが、ヒトへの感染はH1N1、H1N2、H2N2、H3N2の4種類と、この他にH5N1、H9N1といった種類の感染例があるようです。これらの種類のウイルスですが、ヒト以外の哺乳動物、鳥類を宿主として、特に水鳥には144の全組み合わせのウイルスが見つかっているようで、ウイルスから見たら重要な宿主ということになります。
ちなみに、インフルエンザの特効薬通称“タミフル”はノイラミダーゼ阻害剤ですが、ウイルスそのものをやっつけてくれるわけではなく、単に増殖を抑えるという働きです。ですから、タミフルを服用して数日して元気になったようになったとし、これはウイルスがいなくなったわけでなないのです。元気な保菌者という感じです。このときに行動範囲を広げると、新たな感染者を増やしてしまうことにもなります。タミフルを利用した場合とそうでない場合では、タミフルを利用した場合の方が治癒までの期間は若干長くなってしまうようです。タミフルを利用する場合は、インフルエンザに感染後できるだけ早く服用するようにするのがポイントです。
現代では航空機などにより世界各地との往来が頻繁になっているため、パンデミックの危険性は依然にも増してかなり大きくなっていると言えると思います。
高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)はもとより、記憶に新しい重症急性呼吸器症候群(SARS)など、危険なパンデミックは身近に迫っているとも考えることができるかと思います。
インフルエンザの予防接種はウイルスのタイプが合えば非常に有効です。たとえ合わなくとも獲得した免疫力は無駄とはなりませんので、インフルエンザが増える冬本番前には予防接種をしておくのも良い対策になると思います。
厚生労働省の専門家会議は、今年(2008年)の9月に、パンデミックが発生した場合に備えるための家庭で備蓄しておくべき食料や、有効なマスクの選び方や使い方についてガイドラインが示されています。
パンデミックが発生した場合、広範囲であらゆる社会機能が停止してしまうことが予想されます。外出などは極力さけなければなりません。そのため、最低限、命をつなぐための水、食糧は必要十分な量の確保が求められます。
家庭で備蓄する食糧は、長期保存が効く缶詰・米・餅・飴などですが、黒砂糖や塩(天然塩)もあると非常食として良いと思います。
電気や水道、ガスなどのライフラインが正常に機能するのであれば、調理するためにはあまり心配はいりませんが、パンデミックでは地震の場合などのように局地的な影響でなく、全国レベルでの影響が懸念されます。最悪の場合、ライフラインの停止も想定しておく必要があると思います。食糧があっても調理できなければ問題です。調理する道具は、キャンプ用品などをそろえておくと良いかと思いますが、室内で火は使えませんので注意が必要かと思います。
卓上でアルコールを燃料として効率的にお湯を沸かしたり、お米なども炊ける調理器具も市販されていますので、こういうものを備えておくのも、大げさでなく、生き残るためには有効かと思います。
でもこういったことは、自分だけという考えで実行してもうまくいかないかもしれませんね。。すくなくともご近所どうしや町内会などの地域ごとの取り組みとして実施できればより効果的になると思います。
感染症などの危険があると予想されるときには、手洗いやうがいの励行、マスクの着用など、以前から言われていることは、やはり重要かと思います。マスクは感染症対策の本格的なものもあります。
こんな時の健康維持に良いサプリメントの情報は、アメリカのサーバーに設置したミラーサイトからのご案内となります。