1日目 (雪) 午前2時に浜松を出て7時過ぎに沢渡に着く。雪がちらつくなか支度をしてタクシーで 釜トンネルに向かう。運転手さんに下山予定を聞かれ、平日はタクシーが上がってこ ないからバスを使うよう言われ、時間を教えてもらう。 標高差150mくらいを上がる釜トンネルを歩きながら早々に疲労感ただよう。 上高地BTで輪かんをつけ、明神・徳沢と進む。去年は変なトレースに迷い込んでロスが あったが、今年はほぼ夏道どおりのトレースを進み新村橋を渡る。ここから先はトレース なし。リーダー坂野が先を行く。奥又白谷の右岸を進みながら、尾根まで上がるのはキツ そうだなぁ〜と思い、ここらで行動終了するかリーダー坂野にお伺いを立てると、尾根ま で上がると即答。はぃ。 |
谷を横切り尾根に取り付く。雪質はクラストした固い雪面とその下のさらさらのざらめ雪。 クラストした面が崩れると足場が取れず上がるのに苦労する。何とか這い上がった尾根上 で行動終了。 (タイム) 8:05 釜トンネル〜8:58 大正池〜9:48 BT〜11:13 明神〜13:06 新村橋〜14:53 テント場 2日目 (晴れ) 晴れた! 輪かんを履いてスタートする。取りあえず先にラッセルする。一度交替すると休憩までリー ダー坂野がラッセルする。しかもラッセルしているリーダー坂野に待っててもらう状態…。 時間にして1:5、距離にしたらそれ以上の比率でリーダー坂野のラッセルに頼って登るこ とになる。 段々視界が開けてきて、前方に花村ピーク(※)が見えてきた。 (※)花村ピーク: かつて正月山行で、坂巻温泉から1日で慶応尾根2460ピークまで登ったという花村会長に敬意を 表してこのピークを”花村ピーク”と名づけたものである。 |
夏道のパノラマ新道分岐手前で、先を行くリーダー坂野のトレースが岩峰の左側に下りて いた。あれ、巻きは右側だったはずだが…と思いつつ下りていくと、やばいやばいやばい って感じのところ。しかし既に巻き終わっているリーダー坂野は自信たっぷりに「前も 左を巻きました!」と言っている。トラバース手前で下を見るとすとんと落ちている。 足場は見た感じひとかたまりの雪。ここまでの経験で、今年の雪は信用できない。 「ここ、落ちたら終わりだよね」「はい」「……」登り返して右側を巻く。リーダー坂野の トレースを振り返って、よくこんな所トラバースしたよなって思う。どんだけアグレッシヴな 記憶の更新だよ!!! |
樹林帯にも雪壁のような急登があり、柔雪の下に固い雪の層があるため蹴り込みが弱 いと輪かんでは厳しくなってくる。花村ピークへの登りに入ると、固い層に輪かんが滑って 登れなくなり、リーダー坂野に声をかけてアイゼンに履き替える。 そろそろ1ピッチ切るくらいの時間だったので、その先でリーダー坂野が休憩で待ってる かもと思い、アイゼンを履いただけで水も飲まずにザックを背負い直して登って行くと… いねぇ! 目を凝らすと、ずっと先の花村ピーク直下の林の中に動くものが見える。まじかよ…と思い ながら、輪かんのリーダー坂野が崩していったトレースを踏み直して登って行く。アイゼン に履き替えてからたっぷり1ピッチ。花村ピークを越えて去年の正月にテントを張ったコル に下りる。 自分の消耗状態を見てか、リーダー坂野がここでテントを張るというが、まだ時間も早い ので、明日のためにこの先の急登を越えた辺りまで進むことを提案。リーダー坂野は高低 差もそれほどないし、進んでもあんまり得した感じがしないと言うが、いやいや、体力違い ますから…。 |
せっかくいいテント場があるのに…と言いつつ、登り始めるとあっという間に見えなくなる。 急登を登りきり進んで行くと、八峰を背にした絶好のロケーションの場所をリーダー坂野が 既に整地し始めていた。 |
(タイム) 6:15 テント場〜9:48 パノラマ新道分岐(夏道)〜13:04 花村ピーク〜13:48 テント場 |