Diary 8 Feb. 2001

2001年2月8日

さて、この日は、アルハンブラ宮殿を見るために、なんとかグラナダへ行きたい!ということで、必死。

パリでお食事を一緒にしたNさんから、「アルハンブラ宮殿に入るためのチケットがなかなか手に入らないから、早めに行って、予約とかしないと」といわれていたので、一日でも早く、グラナダへ行きたい!というわけ。

で、まずは、モンぺリエから、バルセロナ行きのタルゴ特急に乗り込む。で、なんとか昼過ぎにバルセロナまでいける予定となった。フランスの中は結構な速度だったタルゴ特急も、山をこえて、スペインに入るとちょっと遅め。 でも、セルベール(フランス)から、ポールボウ(スペイン)の間の動力車の切り替え作業なんてちょっと面白かった。途中はトンネル。

そういえば、モンぺリエからちょっといったところにあるペルピニアン。

ここは帰りに寄ろうかと思っているところ。 あの有名なルルドの泉の出るところがこの近く。

で、マリア様のお告げで、なんでも病気が治っちゃうというすごい泉を発見したベルナデットという粉挽きの娘がいて、で、そのルルドの泉自体は、いまでは年間500万人もの人がくるところとなり、療養施設やらなにやらたくさんあるらしいけど、でも、その発見したベルナデット自身は、もともと病弱で、35歳で死んだけれど、なんでも、別の湯治場で病気療養していたらしいから、なんだかなー。 で、そのベルナデットは、その後、聖女となっていて、いまでも、その遺体はけっして腐らないとかで、なんだかそのルルドで、安置されて公開されているとかいうのを、どっかでテレビかなんかで見た気がする。 ただし、ルルドの泉の成分からすると、病気に効くとかいうものじゃなくて、たんなる泉らしい。あ、このベルナデットの話は、19世紀半ばの話。

さて、話は脱線したけど、電車は脱線せずに、そのままバルセロナへ。 うーむ、なんか面白い町ですね。古いのか新しいのか。

まず、グラナダへは、バルセロナから飛行機で行くことにして、その予約のために、JTBのオフィスへ。えっとこれは、バルセロナで一番大きなサンツ駅の中のサンツホテルの中にある。そこで、なんとか夕方5時の飛行機が取れて、で、JTBが依頼した、クリエーティブツアーという日系の旅行代理店にいって、チケットをピックアップ。そのまま、ホテルの予約もしてもらう。

「ところで、アルハンブラ宮殿って、入るのに予約でチケットが必要って聞いたんですけど」 と切り出したら、「そうです。一番大切な王宮とかを含めて三箇所にはチケットが必要で」とかいう話で、「しかも、時間指定です」とか。 で、結局、その旅行会社でチケット予約もしてもらう。 うーむ、ずいぶんと儲けさせてしまった。

さて、そのクリエーティブツアーの、Tさんという人。「えっと、今回のホテルの、フアンミゲルからちょっと歩いたところに、なんだか名前忘れましたけど、ものすごくたくさん食べられる中華料理屋がありましてね。えっとこのあたりのちょっと路地を入ったあたりだったかなー。」とか。

こうして、「ぜーんぶ予約できたし、じゃあ、食事して、そうしたら飛行場にもいっちゃおーかー」ということで、その旅行代理店から、ちょこっと歩いたところに、よさげなカフェレストランみたいなのがあったので、入ってみる。えっと、BOIXとかいうところ。このあたりバルセロナはカタルニア語の地域だから、これをどう発音するのかはわからないけど。ボイシュかな。

食べたのは、まず、魚と米の入ったスープ。生臭い感じはしたものの、味はなかなかのもの。そして、メインは、よくわからないで頼んだのが、結局、豚足のソテーっていうのかな。とにかく、豚足をゆでたかなんかしたものに、茸類いろいろのソース。このソースの味からして、たぶん、豚足の角煮とでも思ってもらえればよいかもしれない。 かなり美味しい。

最後にカフェを頼んだときに出てきたのは、南部煎餅の周りにびらびらしている部分みたいな味のする煎餅で、アーモンド入り。焼いた八橋みたいな形っていうかそういうので20センチx10センチくらいあるでかいやつ。 なんか、くせにある美味しさ。

で、まあ、パリで昼食ならこんなもの、っていう程度の値段で食べられたのだが、それにしても、周囲にいる人たち、なんか正装したような紳士淑女ばっかりみたいな感じ。 もしや高級料理屋だったのかも、というわけだけど、あとで、別のレストランなどで食事をした結果からすると、「めちゃ高い店」だったらしい。

さて、それから、空港へ。飛行機が出るまでちょっと時間があったのだけど、まあそれほどでもないので、カフェのようなところで、コーラとか飲んだりして待つ。

バルセロナの空港の窓から外を見たところ。空が青い!。
空港の中の表示。一番上の大きい字がカタルニア語、つづいて小さい字で英語、そして大きい黄色い字がスペイン語。
空港の表示は、カタルニア語が一番上。その次が英語、でその下にスペイン語という具合。

カタルニア語は、フランス語とスペイン語の中間よりはちょっとフランス語に近いような言葉で、見たところ、綴りなどは、ラテン語の古いものをそのまま使っているようなところがある。出口なども、フランス語で、sortie で、カタルニア語だと、sortida で、スペイン語だと、salida っていう感じ。 スペイン語だと、ラテン語の長い o が、ue とかになっていて、たとえば、玄関とか扉が、puerta だったりするけれど、カタルニア語はそういうものがない。また、フランス語は、発音がとっても変化しちゃっていて、もとのラテン語の雰囲気をとどめていないものがあるけれど、カタルニア語はそうでもない。 ラテン語の直系の子孫のロマンス語の中ではもっとも保守的なものじゃないかと思える。 イタリア語以上に保守的なものかもしれない。そうそう、驚いた保守性としては、ラテン語の、-aticum という語尾っていうか、そういうの。フランス語では、-age になってしまっていて、英語もそうで、イタリア語などでも、-agio とかになっているはず。ところが、このカタルニア語では、-atge とつづる。発音上、t はきこえないのかもしれないけれど、すごい古い綴りだと思った。ちなみに、英語の、manage は、ラテン語のもとの姿にむりやりもどすと、mansionaticum になるらしいけれど、こういう単語はラテン語にはなかったらしい。 ただし、空港の中のアナウンスは、スペイン語と英語だった(と思う)。

で、空港を飛び立ち、グラナダへ。グラナダ空港からは、なんか空港と提携しているらしい白タクで、ホテルへ。料金メーターもなく、ただ、空港とそれぞれのホテルの間で値段が決まっているらしい。フアンミゲルホテルまでだから、いくらいくらという状況。

さて、ホテルは、とっても豪華。パリのホテルから、モンプリエのホテルで半額くらい。で、この二つは豪華さは変らず(たいしたものではない)。 けど、フアンミゲルは、さらに半額程度で豪華。三つ星なんだけど。

ホテルのロビーがなかなか高級感をだしている。。
夕食はどうしようかということで、結局、バルセロナの旅行代理店のTさんご推奨の中華料理の店をとりあえず探しておこうということで、さがしてさがして、あれ?どこだろうって探して、みつかった。 金獅飯店。

結局ここで食べることに。 二人で2500ペセタだから、だいたい2000円くらい。 ってことは、一人で1000円弱ってところか。 中華サラダと、かなり量のある鶏肉の料理、それから茸類と牛肉の料理、でっかい春巻き、そして、飲み物とカフェがつく。 えっ?っていうほどの安さで、かなりの量。 味は?ちゃんとしてる。マトモな中華料理。これはアメリカではサンフランシスコの中華街くらいでないと食べられない、本格的な味。

金獅飯店の中。ちゃんとした中華料理屋であることはわかる
衛星放送かなんかで、中国の歌のカラオケやっていて、そこでなんと、テレサテンの歌とかもやっていて、なんだか、スペインにきて、妙にアジアな夜をすごしてしまった。 日本人観光客も来ていたし、あと、日本人ビジネスマンと日本語を話す中国人の男二人とかも。ほかスペイン人の5,6人の団体さんも。

翌日気が付いたのは、その金獅飯店、昼は、650ペセタでランチをやっているってこと。500円ちょっとっていう値段か。トンデモなく安い。これは、スペインの標準的な店とくらべても、すっごく安い。

夜、必死でインターネット。

さあ、明日は、アルハンブラ宮殿だ!


次の日の日記へ

目次に戻る