Diary 9 Feb. 2001

2001年2月9日

アルハンブラ宮殿へ。

予約したのは、12時から12時30分の間に、王宮の間へ入ること。 2時間前にチケットピックアップなので、10時にはアルハンブラ宮殿に到着しないと。 ってことで、8時すぎに「朝飯もたべがてら出て」という感じ。
スペインはフランスと同じ標準時をつかっているけれどすごく西にあるので、夜明けが遅い。冬のせいもあるけれど、8時ごろでこんなに暗い
まだ、暗い町の中を、アルハンブラ宮殿に向かって歩く。
途中から市街をはなれて、緩い登り坂になっているところ。そろそろアルハンブラの城壁も見えてくる。
で、結局、途中のカフェで朝食をとおもったけど、どこもまだ閉まっていて、たべられなーい、というわけで、結局、アルハンブラ宮殿のチケットとか売っているところの近所の立ち食いのカフェでサンドイッチとカフェオレ。ついでに、オレンジジュース。そうそう、スペインのオレンジジュースって、本気で、一杯あたりオレンジを5個とかそんくらいしぼってだしてくれる搾りたて。すごい美味しい。オレンジはいわゆるバレンシアオレンジだと思う。

アルハンブラ宮殿のチケット売場の近くのカフェ。すごく小さい。もっと大きいのが、しかもたくさんあってもよさそうだが、これがあるだけだった。
ようやく、日も照り始めて。今日は雲一つないっていうほどの快晴。
チケットをチェックする門をすぎてちょっといったところ。朝のもやの残る林。
で、アルハンブラ宮殿へ。で、まずは、フェネラリフェへ。うーむ、すごい。すごい。すごい。 パリで一緒にお食事したのNさん「アルハンブラは、いくらテレビでみても、いくら写真でみてても、本当にいかないとダメですよ」とかいわれたけど、そーかもしんない。 で、さらに、中をあるいて、あっちこっち。

フェネラリフェは、アルハンブラ宮殿から一応ちょっと離れた反対の山の尾根にある別荘みたいなところ。そこにある庭園。
この門のようなアーチ。実は植木です。あとで、チェーンソーみたいなのをつかってこういう形に仕上げている庭園管理の職人さんがいた。
フェネラリフェから見える、アルハンブラ宮殿の城壁。アルカスバなどなど。
つまり、この調子なんですね。こういう細かい模様が一面にある壁。そして、アーチに囲まれた部屋。これがアルハンブラ宮殿の雰囲気。でも、フェネラリフェはまだまだ序の口。もっともこの段階でもう感動。
フェネラリフェから見えるグラナダの市街。
フェネラリフェから、アルハンブラ宮殿のメインのほうへ向かう途中。やはり、チェーンソーでしっかり仕上げられた並木を通る。
で、それから、アルカサバ。これまた古そう。すごい。やっぱりすごい。
これがアルカサバ。アルハンブラ宮殿とされるものの中でもっとも古い建物。装飾的ではないけれど、古そうな雰囲気がすごい。
いかにもいかにも、な感じの城壁というか。
アルカサバからアルハンブラ宮殿の方向を見るとこういう感じ。
アルカスバの中庭のようなところは、こういう迷路みたいな構造物がある。
アルカスバの中庭から、その城壁を見るとこんな具合。
この日は、本当に雲ひとつない快晴で、ラッキー!遠くにシエラネバダのつるっつるに光った山並みが見えるのも素敵。

これが、シエラネバダ。
雪に覆われた山脈が、てらてらとつるつると光っている。氷河なのか。
それから、このアルハンブラ宮殿のイスラム建築に対抗してつくったというカルロス5世の宮殿へ。これは、「目の前にこんな宮殿があるのに、よくぞここまでやりました」という及第点はあげられる出来のヨーロッパ風建築。 でも、やっぱりちょっとイスラム風。

カルロス5世の王宮の入口。
アーチの向こうに中庭が見える。外側は方形だが、中庭は、円形という作り。
中庭をとりまく回廊の列柱。
中庭と列柱。二階建になっている。
中庭を見下ろすとこんな具合。
このあたりで、時間調整して、いよいよ、中心ともいうべき、本来の王宮へ。

いやー、すごいですねー。なんていうか、すごい。これは、これは、っていうすごさ。やっぱりみないといけません。写真もとったけれど、やっぱり目でみたのと違うっていうか。

いよいよ本来の王宮の中へ入るところ。
最初の部屋で、もうこういう感じ。
こまかーい文様。そして、アラビア文字。外の光をうまくつかって、幻想的な雰囲気をつくり出す。
上を見上げると、こういう具合。この白い浮き彫りの細かい文様が、なんというか、どくとくの幻想的なもので、雪とか塩とかそういうものに囲まれているような感じがしてくる。
中庭の一つめかな。
水をたたえた中庭。
ちょっと上を見ると、こういう具合の天井。青いものが残ってるけれど、最初はどんな色をしていたのだろう。
天井まで、ずっとこういう文様が刻まれている。そして、それらをてらし出す飾り窓も美しい。
アーチも飾られていて、それが二重三重にあると、なんともいえない雰囲気。
ステンドグラスではない。透かし彫りというべきものか。そこから洩れる光が、室内の細かな文様をてらし出す。
また、別の部屋へとむかう。柱という柱の間の小さな天井のようなものがみなこのように、飾られている。
うわーっと思うほどの、列柱と、その上のアーチ、そして細かい文様。
角度によっては、柱が重なって見える。それがまたすごい。
中庭をとりまく、回廊。
光線の当たり具合によって、こういう別の表情も見せる。
そして、入った部屋は、天井がこの有り様。もうなんというべきものか。うわーっとさけびたくなるような、細かい雪か塩の結晶に囲まれたような感じがする。
もちろん、天井だけでなくて、壁もあいかわらず細かい模様に覆われている。 そして、アーチもこのような具合。
天井の中心はこういうもの。幾何学的文様もここまで細かいと、幾何学的規則性を感じさせず、いわば、フラクタル的なっていうか、生物的な雰囲気すら感じさせる。けっしてグロテスクではないが、有機的な雰囲気を見せることがわかる。
一旦、別の中庭にでて、そして、別の部屋へ。外と中の明るさの違いも激しい。 この建築物は、この気候の場所にあってはじめて、この雰囲気をつくり出すのか。
屋内のアーチ。こまかな天井が続くような具合。
ふと、上を見上げれば、やっぱりこのような具合になっている。
そして、中庭へと続くアーチ群。アーチと、そして外の中の明るさの落差とが、独特の雰囲気を醸し出す。
で、外にでると、こういう南国風の景色が広がる
段々になった、庭。これがまた、なんともいえない美しさ。
そーして、アルハンブラ宮殿を後にしてから、ホテルにもどって、デジカメの写真をノートPCに転送ってことになって、「あ、ケーブルをモンプリエのホテルに忘れてきた」ということに気が付く。でもって、結局、この代わりになる、なんとかスマートメディアをPCに転送するための装置を探しに外に出る。ま、その前に昼食を、って感じで、昼食。ごくふつうのカフェみたいなところで、カツレツ定食をたべる。結構おいしい。

グラナだの市街。明るい日差しと青い空。
噴水のある広場。
さて、近くのデパートにいってみる。どうも、スペインではデジカメなんてぜんぜんしられていないようだから、「だいじょうぶかなー」と思っていたら、デパートであっさりと、コンパクトフラッシュとスマートメディア両方に対応して、USBでパソコンにつなげるリーダーがあって、しかも、値段が安い。

なんか、グラナダのデパートでのPC関連の周辺機器とかって、秋葉原値段よりも安いんじゃないかっていう値段。スペインの物価を考えてか、かなり安い値段で出しているのかもしれない。

で、ホテルにもどって、ようやく、PCにアルハンブラ宮殿の写真を転送。それから、グラナダの街中をぶらぶらしつつ、カテドラルやらながめて、あっちこっち歩き回り。

キリスト教の建築も悪くはないが、やっぱりアルハンブラはすごかったという気がする。カテドラルなら、やっぱりケルンの大聖堂がすごいと思うし。

大聖堂。
その横のいかにもイスラムっぽい感じのする路地裏。
大聖堂の中。ステンドグラスと、高い天井と。イスラム建築とくらべると、このすごい高い天井の大聖堂というのがキリスト教建築なのかもしれないと思ったりする。
なんというか、人間のサイズを最初からまちがっていたんではないか。身長が数十メートルあるような巨人のために作った建物ではないか、という気がするのが、キリスト教の大聖堂なんだろう。
たしかにこれはこれで、美しいのだ。
やっぱり人間のサイズを間違えていると思う。こういう高い天井と列柱を見ると、なんとなく気分がトリップしてしまう。これが、大聖堂のもつ、効果で、信仰心をあつくさせるための、巧妙な演出なのではないか。
しかし、なんか貧相な感じのするマリア様。
でもまあ、グラナダってすごい都市。これがイスラムとヨーロッパの接点なのかなーという印象で、なんともいえない。

なんとなく、イスラム風とヨーロッパ風のまざった町並み。
せまい路地に店がならぶ。その柱とかアーチとかは、アルハンブラ風なのかな。
アーチ越しに見える、商店。いったことないけれど、アラブの国々もきっとこんなふうなんだろうか。
こういう雰囲気は、もうヨーロッパの都市のイメージだ。
そして、よりいっそう、近代的な感じの通りももちろんある。
さて、明日は、どうしようか、と迷って迷って、結局は、セビリヤへ。セビージャがただしいのかな。まあ、そっちにいって、それからコルドバ。で、バルセロナ観光で、スペイン旅行はお終いという予定だけど、たぶん、バレンシアにいって、本場のパエジャも食べたいし。どうしようかな。


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