Diary 27 Feb. 2001

2001年2月27日

前日寝るまえに、歯を磨こうとして気が付いた。歯ブラシ、ケルンのホテルにおいてきた。今日のうちにかわなくっちゃ。一応、歯磨きのペーストのほうは、ドイツのヴュルツブルクで買ったものがあるので、それを指につけて、磨いた気になる。

そうそう、ドイツの、歯磨きペースト。ぎょうぎょうしいすごい緑色。ハーブの入ったものらしい。洗浄力は日本の酵素入りとかと同じくらいありそうだけど、色がすごいなー。

本日は、朝起きて、とりあえず、モンマルトルの丘を目指し、っていうか、サクレクール教会ですね。で、ホテル(東駅にあるホテル)から、1キロ程度のところにあるはずなのに、なぜか、迷いまくって、あーだこーだ歩いて、ようやく到着。で、よくテレビなどにも出てくる、モンマルトルの丘の階段の写真とかとってみたり、それから、教会の大聖堂の写真もとってみたりといろいろして、中に入ってみる。

モンマルトルの丘にはこのような階段があって、これで丘の上に登る。
なんともうすっぺらい家。部屋の中は三角形?
階段を登り切ったところで上から眺めると、こんな風景。
これがサクレクール寺院。比較的最近建てられた教会。
これが、正面方向を見たところ。
さて、中では、カメラマークが×で、撮影禁止。で、しかも、中では、なにやらミサのようなものがあるような、歌声も。みると、聖堂の奥のほうでは、なにやら行われている様子。で、写真はとっちゃだめ!ってことなのに、ふとどきものが、フラッシュなどバシバシやっている。じゃあ、フラッシュたかずに、なんてちょっと撮ろうとしたら、って数枚撮ったあとでしたが、怖い黒人の偉そうな神父様がいらして、ダメとのこと。そうです。ダメですよ。こういう場所を撮っては。

これが、教会の聖堂の中。こういう写真はとってはいけません。
もっとも、スペインの教会の多くは撮影可だったりしたから、なんともいえません。 なんか、数枚とっておいていうのもなんですが、やっぱりこういう場所で写真を撮るなんていうのは、フトドキモノですね。宗教の大事な場所なんだから。

博物館については、いつでも、一応聞いてみると、「フラッシュなしならオーケー」といわれる場合が多い。で、実際、展示物のほとんどを撮ってみたりする。でも、宗教的な場所は、やっぱりだめです。

さて、サクレクール教会は、実際には、結構新しい教会ですので、中はきれい。もしかしたら、ルルドのノートルダム教会よりも、新しいのかも。白くて綺麗です。

前日、ケルンの大聖堂にはちょろっとしか入れなくて、非常に残念だったので、ちょっとよい雰囲気に浸ろうかと思いましたが、ううむ、やっぱりケルンの大聖堂、もっとしっかりと中で見ておきたかった。サクレクールも良いですけれどね。とくに、賛美歌の類がきこえてきたりして。

カトリックというと、本来、ラテン語っていう気がしますが、もう、いつのころからか、すっかり現地語っていうか、俗語になっているんですね。俗語って、フランス語とかドイツ語とかっていうことです。賛美歌も、お祈りの言葉も、俗語です。

さて、今回とくに書いてないし、そろそろ、旅も終わりなので、ちょっとここで、キリスト教について考えたこと書いてみる。まあ、魔女幻想っていう本をもってきて、しょっちゅう読んでいたせいもあるのだが。

よーするに、魔女裁判とか、魔女処刑とかさんざんやったわけですが、これほど異端とか異宗教にたいして激しい宗教はないだろうとおもったりする。たとえば、いわゆるアラブ社会というところには、現在でも、ユダヤ教の人も、また、イラン系だと、ゾロアスター教の人も、またキリスト教の人もいるわけで、まざってくらしている。まあ、現在のヨーロッパは混ざって暮らしているわけだけれど、でも、中世っていうかとくに異端裁判などがはげしくなったのは、近代初期ともいうべき15世紀から16,7世紀ってところか。完全な異教徒が、隔離されて暮らしているぶんにはかまわないらしいところもあるんだけど、それでもユダヤ人は膨大に追い出されたり、また、処刑されたりもしている。それから、ユダヤ人でありながら、キリスト教に改宗した人たち、かれらも、「本当はひそかにユダヤ教を信仰しているんじゃないか」ってことで、裁判にかけられて、ずいぶん処刑されたらしい。

まあ、処刑がすっごく多い。ちょっとでも考え方が違うなんていうことがわかると、処刑。個人的な恨みとかで、魔女にされた人も多いし、それで処刑とか。

で、処刑、処刑、処刑のキリスト教。よくよく考えてみたら、イエスの処刑シーンそのものが、十字架としてこの宗教の象徴になっているんだなーということに気がついた。 中世の宗教画って、結局のところ、血みどろのイエスとか、それを哀しげにみている聖母マリアの絵とか、そんなのばっかりでしょ。しかも、血みどろをきちんと、赤いものたらして、とかやってリアルに表現しようとして、ものすごく血なまぐさいもの。

さて、なにがいいたいかというと、どうも、キリスト教文化では、なにかというと処刑というものに発想が繋がりやすいというのがあるんじゃないかとおもったわけです。

教祖様(といってよいか別にして、イエスのこと)の処刑シーンがずっと象徴になっているようなのは、キリスト教だけでしょう。違うかな。ユダヤ教もまた、幾人かの預言者がでてきているけれど、預言者の処刑シーンを象徴しているわけでもなさげだし、それに、もちろん、イスラム教も、ムハンマドの処刑ってことはなかった。お釈迦様に至っては、もともと、苦行をするはずが、まあ、そういっちゃあなんだけど、苦行がつらくて、やーめた、っていったところから、仏教がはじまっている。

もちろん、現在においては、かなり違う側面はあるんだろうけれど、中世とか、近代前半においては、ちっちゃいときから、教祖様の処刑シーンをさんざん見て育つのがキリスト教徒だったわけで。で、お祈りするときは、十字を切るけれど、これも、処刑されたときの象徴ですね。もともと、十字架っていうのは、つまり、磔刑そのものであって、磔刑のための十字ですね。もし、イエスの磔刑が、足ひらいていたら、今のキリスト教は、十字じゃなくて、大の字かなんかを象徴にしていたんだろうし。なんかそれを考えると、キリスト教って怖い気がしてきました。

さて、この話はそれくらいにして。

モンマルトルの丘からの階段。登ってきたのとは、別方向に降りるもの。
ケーブルカーの駅
ケーブルカーはこんな感じ。
そして、丘の下にあるケーブルカーの駅。
丘の下からみた、サクレクール寺院。
サクレクール教会のあとは、モンマルトルの丘をおりて、で、途中お土産物屋を物色したりしつつ、ちょっとカフェで休憩などしつつ、地下鉄で、凱旋門まで。で、上にあがるといきなり凱旋門。大きいですねー。すごいですねー。で、凱旋門からは、一直線に、さらにおおきな、アルシュが見える。かっこいい。写真たくさんとっちゃいました。

で、写真とりおえて、はたと気がついたのは、写真を、感度最高でとっていたこと。発色が悪いしノイズが多い。そうそう、サクレクールの中で、感度を高く設定していたんだった、ということに気がついて、感度落として、もう一度凱旋門をとって。

さて、それから、シャンゼリゼ通りを歩く。歩く。寒い。寒い。ルイビトンの店の前には、やっぱり日本人がいっぱい。歩く、歩く、寒い寒い。食事。

これが、凱旋門の横のほうのアーチ。
これが、遠くのアルシュ。
ルーブルとか、コンコルド広場の方向。観覧車が見える。
凱旋門の直下にでるための地下道。けっこういいかんじ。
これが凱旋門だ!
シャンゼリゼ通りを歩く。
シャンゼリゼ通りと凱旋門。振り返って。
広い通りではある。
ルイビトンの店の前。日本人観光客がやっぱりいるいる。
有名な、カフェの、フーケ。
凱旋門と、並木と、噴水。これもシャンゼリゼ通り。
観覧車と、並木と。これもシャンゼリゼ通り。
ぷらっと入ったカフェで、「食べる」といったら(ジュマンジュとか、ジュヴドレマンジェとかいったと思う)、レストランのほうに通された。で、ナンシーで食べられなかったウサギを注文。「ちっちゃいサラダもおつけしましょう」とかいうけど、結局でっかいサラダもついてきて、なにやら、たっかーい昼ご飯だった。ウサギは、焼きすぎ。中、ぱさぱさ。回りのコンガリはよかったけれど、あれはバツ。あんまり、おいしくない食事で、しかも、周囲は、ネクタイしたような人ばっかり。となりは、初老の男二人。ふたりとも良い身なりで、一方は、スキンヘッド。で、ずーーーーーーーっと、いろいろしゃべっていた。3時間くらいいるんじゃないかな。 デザートはおいしかったけど。

ルーブルのほうへ歩いていく。今日はどっちにせよルーブル美術館は休み。野外のカフェも休み。
休日のルーブルだと、あの透明ピラミッドをとるくらいしか。
でも、中を覗くと、彫刻などが見える。
その中にある彫刻を熱心にスケッチしているのは、美術系の学生さんだろうか。
なんか、きれいな感じ。この写真はかなり気に入っている。
パリの町、、ルーブル近辺。
で、パリの街中をいろいろ写真をとりつつ、結局、6時前に宿に戻る。で、写真の整理とか。それから、駅のレストランにいって、シュークルート(いわゆるザワークラウトですね。アルザス料理)を食べる。あんまり暖かくなかったけど、ベーコン、ソーセージ、湯で豚みたいなの、みんなおいしかった。東駅のレストランは、駅レストランとしては、かなりいけると思うのだが。

ホテルのベッド。
で、そのあと、レストランで、カードで払おうとしたら、カードが使えない。おかしい。で、今パニック中。どうしよう。ホテルの支払いができないじゃないかー。やっぱり一ヶ月の旅行は長すぎるのか、、、。で、日本で、カード会社が始まる時間になったら、電話かけないと。こまった。パニック。手持ちの現金ほとんどないぞー。どうしよう。

歯ブラシは、薬局が開いていたので、手にはいった。ちゃんちゃん。日本の歯ブラシみたいに、先端極細、歯周ポケットにも入ります、、みたいなのはないみたい。

足のひび割れ。ヴュルツブルク以来、バンソーコーはったり、クリームつけたりで、ほとんど痛みはなくなった。

ちょっと寝る前に。

そうそう、日本も、アメリカも、そして香港でもどこでも(これが世界じゃないけど)、コンビニっていうのが発達している。24時間営業じゃなくても、夜の9時とか11時くらいまでは開いていて、朝も7時とかそういう早朝から開いている。これは文字通り便利で、便利だから、コンビニなわけで、飲み物も、軽い食事もあれば、タバコも、髭剃りも、歯磨きも、そして、下着とかも売っている。旅行中にちょっとなんか足りないとかなら、コンビニで、歯ブラシ買ったり、髭剃り買ったりできる。アメリカの場合は、ホテルにこういうのがくっついていることも多い。

けど、ヨーロッパはコンビニ文化がないです。ドイツは、法律で深夜営業禁止だとかじゃなかったっけ?で、店はショウウィンドウだけ電気つけてライトアップして宣伝だけやっているっていうか。でもまあ、ヴュルツブルクで歯磨きペースト買ったときは、駅の中のコンビニっぽいもので買うことができたわけだけど、品揃えはとことん少ない。歯磨きペースト、一種類しかなかったし、髭剃りも、ジレットのが一つあっただけだし。で、フランスの鉄道の駅、パリの東駅とかでも、一応、新聞雑誌とタバコ、ちょっとしたお菓子類を売る店は、ある。Relay なんていう看板がでていたりする。あと、パリでは、カフェが重要な役割で、タバコから駅の切符から売っていたりするわけだけれど、さすがに歯ブラシや髭剃りは置いてないし、もちろん、下着をうっているわけでもない。

まあ、日本、アメリカなどではコンビニはとことん発達して、日本では電気ガス水道の支払いとか電話の支払いもやるし、また、宅配便の配達先に指定できたりもするし、さらに、最近では、喫茶コーナーがあったり、もうすごい状態。しかも、営業時間が長い。いずれ、コンビニばっかりになるかも、っていうくらいすごい状態だけど、こういうのにヨーロッパはいつまでいままでの方法を保っていけるだろうか。


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