Vampire Princess Miyu

「吸血姫美夕」のページ


TV版ボックスの話
終った感想
はじめに
基本的なお話
テレビ版ネタバレ特集


TV版ボックスの話

ボックスが出ました。まだ半分だけれど。未放映の2話が入っていて、それか ら放映順とは違う形で入っています。映像などは、テレビ放映できなかったら しいシーンが差し替えてあったりして、ファンにとっては欲しいものに仕上がっ ていると思いますね。けど、やっぱりテレビ版は、、、。

製作現場はとっても苦しくて、悲鳴みたいなものが聞こえてくる感じでした。 なかなか監督さんの思う通りにならない部分があったみたい。難しいですね。 美夕はやっぱり初期OVA版と、その系統を引くコミック、さらには夕維シリー ズなどとの広がりで、ファンがたくさんいる作品。だから、その人たちを満足 させて、そして、さらに新しいファンも獲得ってことになると、いろいろ辛い ところがあったみたい。その意味では、今回のボックスに入っている本格的な ホラー作品なものは結構良いかなーと思います。たとえば、「宿命」とか、 「セピアの肖像」とか「あなたの家」とか「やわらかい顔」とか。

ただ、OVA版のクォリティっていうか、OVA版作ったときのような気合いと、製 作グループの協調性みたいなのがやっぱりなかったんだろうなぁ、という気は してなりません。特に、神魔デザインについては、デザインを担当された弁が やっぱり「もうちょいいろいろ気合いがはいっとらんのかー」と思う感じがす るのです。そういうとかなり厳しい批判になるけれど、OVA版美夕にしても、 あるいは、初期コミック版にしても、神魔はとくべつにその性質を象った姿を しているわけではないのですよね。OVA版の場合、それが顕著なのは、2話の 爛佳だけでして、あとは、夢とはあんまり関係ないムカデとか。あとレムルス はたんに西洋神魔ってことであの格好。最終話になると、もうモアモアでよく わからない神魔がたくさん。ところが、今回は、「ドッペルゲンガーで写るか ら鏡」とか、顔の話だから能面とか、影だから影、、なんかそういう非常に安 易なデザインが多い。それが、結局、セイラームーンみたいな感じになって、 サスペンスサイコホラー的な雰囲気をぶちこわした、、って気がするです。


終った感想

えっと、もうとっくにTV版美夕おわっちゃいました。ううむ、このページも、 最初のころはすっごい萌え上がってがんがん書いていて、テレビ版シリーズ構 成担当の方などとも、メール交換して、いろいろ情報もあるんで、まあ、下の ほうにありますけれど。って、こんな書き方するってことは多少、そのまあ、 今回のシリーズについて、否定的な要素があるってことなんですが、、。

なんつうか、その、ちょっと難しいですね。一応、全部見たし、全部ビデオとっ たし、保存版って感じだし、LD出たら、セットで買おうという気もあるんです が、、。

美夕の世界って、なんつうか、現実と幻想のハザマっていうか、そういう世界 を扱っていると思うんですよ。fj.rec.animation とかでもいろいろ書いたん だけれど、つまり、人間世界にはいろいろな事件や正体不明な現象があるわけ で、そういうのはほとんど人間の妄想や人間の心の中のいろいろな状態から生 み出されるわけで、でも、怖い、でもやっぱり避けたい、そんな現象がたくさ んある。で、それを「正体不明だから怖い」という状況に対して、なんかそう いう現象に名前をつけるわけですねぇ。オバケとか、幽霊とか、邪悪な神のシ ワザとか。そうすると、なんか分かりやすい。正体がわからないと不安だけれ ど、でも、名前が分かると、多少なりとも不安がなくなるっていうか。美夕 OVA版の1話では、「名前を言い当てられた魔物は力を失う」っていうことを 言っているわけですが、まさにそれですね。

ところが、なんだかわからないけれど、悪いデキゴト、邪悪な事件、そういう ものが、人知れず解決するわけです。そして、それに関わった人がなんかみん な、ぼーっとして、その事件やデキゴトについて、なにも語らなくなる。そう いうのって、実際にあると思うんだな。

「吸血姫美夕」の場合、そういう事件を、「人間の世界のいろいろな奇妙で怖 いコトは、神魔のシワザ」ということにするわけです。で、そのデキゴトが自 然に解決してしまうのには、なんらかのそういう神魔のシワザに対して、それ を抑制する存在を仮定して、それが、デキゴトを解決した、と考える。しかも、 その存在は、関わった人たちから、記憶を取り除き、なんかその幻想を与えて、 ある意味幸せにして、終る。そういう悪いデキゴトを抑制する存在も、理由不 明だけれど、実際には、悪いデキゴトを起こしている神魔の一種というか、神 魔自体の一部が、そういう自分たちの一族の悪さを抑制していると考える。神 という存在も、魔という存在も同じもので、良い神、悪い神とかいうけれど、 それは、たんに人間という存在にとって、ゴリヤクがある存在か、そうでなく て恐れや恐怖の対象か、という違いであって、本来の神、魔物はどちらも、同 じようなものでしょう。神や魔物が本来、なにかをするのが、人間にとって良 かれと思うか、どうか、そんなのきっと気まぐれなんだろうと。でも、自分た ちの存在のために、人間といざこざを一定以上起こすとまずいから、そこで、 あんまり目にあまる悪さをする魔物は、封印しなければならないってことです ね。だから、そこにそういうオメツケヤクが必要。それが、監視者なんでしょ うね。

さて、こういう「人の世にはいろいろ邪悪なデキゴトが起こるが、それは神魔 のシワザであって、その神魔の仕業に対して、一定以上、邪悪な事件がおきな いようにしている存在、つまり、監視者がいる」ということ自体が、ある意味 では、すべて、人間の想像であり、妄想なんだろうということです。だから OVA版では、「いつだって真実は人間の中にあるのに」と美夕自体がいう。あ のOVAでは、人間である瀬一三子が、自分の関わった事件に関して、おそらく 考察をする。その過程で、美夕という存在を想定することで、デキゴトの解釈 が可能になるというようないわば、哲学というか、そういう世界感のようなも のを、一種幻想的なシナリオで描いたものっていう気がしますね。

そういう人間世界の解釈に理由をつけるときに、それでもやっぱりわからない ことは分からないままにしておく、そういうことが、一層、幻想的であって、 神秘的な部分があるわけですが、どうしても、そこに、なんらかの構造を作り たくなりますね。その構造、つまり、神魔と監視者と人間という三極構造みた いな中に、人間にもあるんだから、神魔にも偉い神魔がいるんだろうとか、そ ういう構造、あるいは、日本の神魔と西洋の神魔とか、いろいろ考えたりする と、だんだん、神魔の世界も神秘性が失われて、なんか、神様、悪魔もとって も人間的になってくるわけですね。古今東西、まあ、神学とかそういうのって、 結局全部人間の想像の中から生まれるわけですけれど、美夕の場合も、10年 という時間の間に、いろいろそういう神学的な体系化がなされたということで す。

まあ、その、RPGスタイルのストーリーのスレイヤーズなんかの場合だと、まさ にこの魔物の世界や社会の構造みたいなのが出てくる。RPGだから、主人公は どんどん強いのを倒さないといけない。だから、最初はショボい魔物を倒して、 だんだんと強いのに、もちろん魔物の中に協力者みたいなのも出てきてとか、 そういう感じで、話が進む。それはそれでRPG的なストーリーのスレイヤーズ には良いですよね。 さて、OVA版美夕の時代には、そういう構造が、よくわからなかった。神魔と 人間と、そして、人間と神魔の中間的存在としての監視者美夕のような構造し かなくて、ところが、コミックの「新美夕」あたりから、西洋神魔とかいろい ろでてきて、さらに神魔の中の階層だとか、それ以外の魔の存在としての「鬼- 上の点」みたいな存在もだして、夕維とか。まあ、それはおいといて、そんで、 今回、テレビ版美夕になって、さらにさらに体系を再構成して、っていうわけ です。

当然、こういう体系化が行なわれれば、だんだんと神秘性がなくなってきて、 現実と幻想のハザマという感じもなんとなく違ってくる。神魔には神魔の世界 があって、それはとっても人間臭い世界で、その世界と人間世界との間ってい うのも、そんなに神秘的ではないものになる。

それでも、今回のテレビ版、後半になるまでは、そういうことにあまり触れず に、なんつうか、幻想的で、かなり怖い現象を、うまいぐあいに神魔の仕業と そして、それを封印する美夕という構造で描いていたと思うんですよね。で、 後半になると、ところが、構造みたいな話が全面に出てくる。そして、さらに 監視者がなぜ監視者なのか、その宿命とはなにか、というあたりになるわけで すが、そういうあたりが、どうも、今回、テレビ版では構造や体系に偏ってい て、本来の宿命としての強さとか、そういうのがあんまり強く出てこない。

OVA版は、結局わけわからん状態で終るわけですが、それがそれでまあ、神秘 でもあった。人間であった美夕と、人間であった父、そしてそもそも監視者で あった母。そういう中で、美夕の行動にそうとう強い目的が出てくるわけです。 今回はそれが分からない。そうなるように運命付けられてきた、そしてやらな くちゃならない、それだけです。で、そういう監視者の存在を嫌がる連中が監 視者を狙う。そういう意味で、最後のほうは、RPG風になってきたような気が しますね。美夕の性格設定上の問題もあるんだろうけれど、なんとなくしかた なく学級委員になって、悪ガキ生徒から憎まれるような存在みたいな気がする。 で、親友だと思っていた人が、実は悪ガキたちにはめられて、最後に対決を挑 んでくるみたいな話になっちゃったでしょ。で、性格設定上、今回の美夕は意 志というものが、薄い。そのわりに、主人公として描かれている都合上、存在 は重い。OVA版は、より気まぐれで、性格は強いです。それに、貪欲だしね。 だから、彼女自身は非常に強い意志があるが、すべては、まあ、いい方として は、「一三子の妄想、想像上の存在」にすぎないっていうあたりで、非常に希 薄な存在なんですね。希薄な存在であるはずの、想像上の、妄想上の存在でし かない少女が、非常にいきいきと描かれているのがOVA版。それに対して、テ レビ版は、人間社会と神魔社会、どちらも非常に人間臭い、かなり明確な構造 があって、その構造の中に歯車のように宿命として組み込まれた両者のハザマ に位置する、意志の弱い少女が、結局、それらに翻弄されて、そこから何も見 出さずに終ったような気がするんですね。まあ、長い年月生きている少女を描 いているから、成長を描いてもしょうがないんですけれど。

まあ、そのテーマ設定はどうでも良いけれど、基本的に、アニメジャンルとし て魔法少女物でもないし、RPGアドベンチャー風でもない、で、結構大人感覚 の社会の中の人間の葛藤のようなものをとらえた作品として、しかも、マジメ でギャグ的要素がほとんどないし、そういう稀なジャンルではあるんですが、 もう一つ、なんかマトマリがなかったなというのが、結局の印象なんだなあ。

結局、幻想世界の非常に強力な個性をもった少女をあつかったOVA版と、RPGア ドベンチャーみたいなコミック版新美夕との中間を、両者の雰囲気まぜあわせ て、っていうあたりにかなり無理があったような気がしないでもない。エピソー ド一つ一つは、なんか感動があったし、絵もきれいなのがあったし、よかった んだけれど、全体として、発達しきった世界の構造をあつかっていて、かつ主 人公の意志が非常に弱いような作品になったので、ちょっとなあというわけで す。

まあ、テレビ枠で、予算の面やいろいろと制約があったことは事実ですが、そ ういう中での、必死のガンバリみたいなのも、ちょっと見えない部分が多かっ たですね。で、印象に残るエピソードとしては、最初の1話「牙は知っている」 や、6話「宿命」、それから、19話の「鱗翅の蠱惑」とか、あるんですが、 結構これって、平野監督の関わったの(6話はちがうけど)が多いかな。なん となく、平野さん本人はやっぱりOVA版の雰囲気だそうとしていたっていう気 がするんですよね。神魔デザインもこの3話のはそれぞれ「意味不明」っぽい デザインでよかったし。ううむ、そういうことで長くなるから、これで終りに します。美夕TV版、またやるなら、いろいろ進化して欲しいなと思います。せっ かくの、ジャンル的にみても、いろいろな意味でも貴重な作品だと思うんで。


はじめに

さて、OVA版「吸血姫美夕」は、かれ これ7年くらい前に友達から第3話だけ見せてもらって、その後、レンタルビ デオで借りまくって、全4話見ました。もうこりゃあ、すごい世界で、なんと いっても美ですね。おどろおどろしい雰囲気の作品ですが、絵が美になってい まして、そして、音と声と映像がみごとにマッチしていて、調和のとれたもの になっています。で、そのあと最初のコミックとか、「新美夕」とかもコミッ クはよみましたが、やっぱりあのOVA版はなんともすごいんでして。海外でも 美夕はすごい人気で、WEBのサーチエンジンで miyu vampire あたりのキーワー ドで検索すると数千のページがひっかかります。AnimEigo 社がとっても原作 に忠実な翻訳をして字幕版を出したのが、海外での人気の秘密。まあ、美少女 ホラーといいましょうか。残酷シーンも、エッチシーンもないのに、全体の雰 囲気はすごいものです。その辺が海外でも高く評価されている理由でしょう。

そんな美夕が今度、テレビ版として、放送されるっていうから、もう驚いてし まいました。最初のOVA版は1988年から89年にかけて、リリースされたわけで、 かれこれ9年ぶりのアニメ版新作ってことになります。なんといっても、不安 がありました。今度の美夕の声はOVA版で素晴らしかった渡辺菜生子さんでは なく、エヴァンゲリオンでのマヤちゃんや、キィでのサクラちゃんをやった長 沢美樹さんだっていうから、「ううむ、雰囲気違うと思うぞ」とか思ったし、 それに、テレビ版でたくさんのエピソードやるなら、これは、あのわけわから ん「新美夕」の系統ではないかと思って、そりゃあ、ちょっと違うぞ、、と思っ たりしたんです。

で、早速第1話を見たら、これがすごいじゃあありませんか。OVA版の美夕の 雰囲気を本当にそのまま実現しようとした努力が見えます。もちろん、テレビ を見てから、OVA版を見ると、やっぱり作画などでは圧倒的にOVA版のほうが良 いし、美術的な面でもやっぱりOVA版が美しいのですけれど、製作の予算が限 定されるテレビ東京の深夜枠のアニメとしては、本当に感動な出来って気がし ます。心配していた、美夕の声なんですが、いやあ、びっくりびっくり。長沢 美樹さん、渡辺さんの美夕とは全然違うのに、なんだかとっても雰囲気出てま す。いいですね。ハスキーに絞りに絞った声。あれならOVA版からのファンも なっとくっていう感じですね。

ってなわけで、興奮のあまり、美夕ページを立ち上げて見ました。

さて、テレビ版美夕も全25話(実際は26話)中半分まで終り、大体の雰囲気が分 かってきたようで、ちょっと、私としては、「あんまり面白くないなあ」と思 う方向に来ているような気がします。基本的には、ちょーど「不思議の海のナ ディア」で、ノーチラス編という本編と島編というのがあるのと同じで、テレ ビ版美夕では、冷羽、ラヴァなどと神魔の世界の仕組みなどが絡んだ「神魔編」 と、千里たちや、美夕が日常の事件を解決する「監視者編」に分かれてしまっ た感じがしますね。で、どうやら、下にある「どんでんがえし」も、なにやら 「神魔編」としての「どんでんがえし」なんじゃあないかという感じになって きてしまった。そういえば、「海の光」では、千里たちも登場しないし。

こういう方向で完全に分かれてしまうと、なんだかなあという気もしてくるん です。で、実際、「神魔編」はあきらかに「新美夕」の焼き直しで、冷羽など は、ちょうど「夕維」のような山/鬼(シっていう字)系統の代わりをしてい るような感じ。まあ、「監視者編」が楽しめる限りにおいて、それほど問題は ないような気がしますが、2話といい、12、13といい、ちょっとなんだか なあということで、このページの更新なども、あと翻訳のほうもちょっと滞っ ているわけです。

まあ、今後どうなるか、、ってあたりで興味はあるんですけれどね。全体構成、 しっかりやってほしいと思います。


基本的なお話

今回の、テレビ版美夕の冒頭の部分では、岸田今日子さんの声で、以下のよう なことが語られます。

「神魔、それは、人の心を蝕み、亡びへと導く、あやかしのもの。いつのころ からか、彼らは闇の世界へと封じられた。だが、闇からはぐれ出た神魔は、今 も人の世に隠れ住み、夜と昼の狭間に蠕いている。はぐれ神魔を再び闇の世界 へと帰す、監視者、それが美しきヴァンパイア、美夕。その素顔を誰もしらな い。」

で、以前のOVA版では冒頭で、納谷悟朗さんが、以下のように語ります。

「かつて、神と魔物は一つの存在だった。彼らは遠い記憶の淵に封じられた。 闇を恐れた人間の心が、それをなさしめたのだ。仮に、それらを神魔と呼ぼう。 今彼らは、眠りより醒め、結集の時を迎えた。闇と神魔と人間が集う最後の夜、 そこに一人の少女が紛れ込んだとき、物語が始まる。」

内容としては、同じわけですが、テレビ版冒頭の内容は、OVA版の4話の内容を も多少入れていて、「監視者」という言葉を使っています。

まあ、美夕とは何者?というのについては、一応OVA版の4話を見れば概ね理解 できまして、その中で、美夕が瀬一三子に子ども時代の思い出を語ります。そ の中で、美夕の母と神魔の長は、以下のようなことをいいます。

「神魔が地上を人間に譲り闇に封じられた後、一つの種族だけが地上に残され た。闇に眠る同胞の眠りを醒まさせないために、闇からはぐれた神魔を地上か ら闇に戻す監視者である。監視者そのものは、不老不死ではないが、吸血鬼と しての一切の制約からとき放たれた存在となる。人の血を吸うと、その人には 永遠の命を与えることができる。血を奪うのではなく、命を与えるのである。 美夕が吸血姫として覚醒したとき、現在の監視者である美夕の母から美夕への 代替わりの必要がある。」

さて、そんなわけで、美夕は代替わりの時期を迎えたわけですが、そのとき、 美夕を人間の子として育てようとした美夕の母は、「人間として生きろ」といっ て、美夕を連れ出し、逃げだします。その混乱の中、多くの神魔が闇から地上 へと逃げ出しました。結局、美夕と美夕の母は捉えられ、美夕の両親は封印さ れてしまいました。そして、美夕は時間が止められ、少女のまま、監視者になっ たのです。混乱の中、闇から逃げ出した神魔を全て闇に戻したとき、美夕は正 式な監視者になり、そして、種族を地上に残すことになるのでした。

さて、美夕はいつ頃からいきているかというと、彼女の吸血姫としての覚醒は、 日本の戦前の話になります。今回のテレビ版では昭和初期にすでに監視者とし て活動する美夕が描かれるらしいので、まあ、大正時代の終りころではないか ということにしておきましょう。まあ、美夕はざっと80年くらい監視者として 活動していることになります。

ラヴァについては、OVA版第3話で、詳しく語られます。ラヴァは、西洋の神 魔です。美夕の覚醒の切っ掛けとなったのは、夜の海を見ていた美夕のもとに ラヴァがやってきたということです。ラヴァは美夕を殺し、監視者を絶やそう としたのですが、それができず、逆に覚醒したばかりの美夕に血を吸われて、 美夕の下僕となります。そこで顔と声を封じられ、仮面の神魔となったのでし た。以降、美夕の友であり、下僕である存在になります。

ま、ざっとこんなところを知っておけば、テレビ版美夕の背景知識にはなると 思いますけれど、まあ、やっぱりOVA版は是非見てくださいね。


テレビ版ネタバレ 特集

えっと、なんか今回は、テレビシリーズ放送直後から、テレビ版製作の中核に 関わっている方からいろいろお話を聞くことができてしまい、そんなこんなで、 結構裏話を聞いたりしています。

えっと、情報提供者は、仮に、Xさんとしておきます。ありがとうございます。

えっと、一部私の予想とか、いろいろ混ざっていますんで、ある程度、噂に近 い雰囲気で読んで頂いたほうが良いかと思われます。はい。

情報は、新しい順に変更しました。

1話はすごかった

という意見は多く、1話で、「こりゃあ、本当に美夕が帰ってきた!」と思っ た人が多かったようです。さて、あの1話は、やっぱり製作者としても、とっ ても力が入っていたようです。で、コマ割り、コンテは平野監督じきじきとい うことで、そうとう構成を考慮したものになったようですね。で、それから先 になると、やっぱり人の分担などもあり、結構製作は難しい。

OVA版のような幻想的な戦闘シーンはないのか

っていうか、そのOVA版では、光や影を効果的につかった、幻想的な戦闘シー ンなどがありましたよね。で、今回のTV板でのとくに第4話の神魔との戦いな どでは、なんだか、明るい昼間の戦闘で、どうも感じがでないっていうか、セ イラームーンSっていうか、そのそういう感じになってしまっていました。さ て、この点は、結構製作上は難しいことのようです。つまり、コントラストの 強い暗いところでの戦闘になると、ライティングポジションの問題やら、キャ ラ設定、モンスター設定の観点で、いろいろな手間が増えるわけです。キャラ 設定でも明るいところ用のものと暗いところ用のもので二つ必要だったり、ラ イティングポジションをちゃんと設定としてきめておかないと、妙な映像になっ てしまったりというわけです。結局、こういうのが非常に微妙でかつ製作に割 ける人員、時間、カネの問題も含めて、結構大変な状況みたいですね。いやま あ、そのOVA版のようなわけにはいかないんでしょうね。

今後も、また光と影を使ったような幻想的シーンも出てくるらしいので、その ときどういうふうか、みものです。

ラヴァが弱いぞ!

えっと、苦しい状態が続いているようです。規制がとにかく厳しい!ってこと で、「首」とか「切断」とか「血」とかのシーンがほとんど規制の対象になっ ているそうです。そうするってぇと、OVA版の3話のラヴァの血を吸う美夕 のシーンなども、首のどアップと、その後の血の滴りってのがあるんですが、 あれもダメ。

そうなると、テレビ版3話で影の神魔に顔を掴まれただけで苦しむラヴァが弱 い!とかいう指摘があったとして、それは、「いやあ、本当はもっとすごい攻 撃されてラヴァが苦しむのに、たとえば首締められるとか、それがダメなんで すよねぇ」ってことになるわけです。

たしかに、テレビ版1話で、美夕が先生の血を吸うシーンがあったけれど、あ れも、首や血の滴りは表現できなかったってことになります。それから、OVA の3話でラヴァが指捻って、鎧男にダメージってあたり、これも「切断」が入 るのでやっぱりダメ。

つまり、首、切断、血というものがダメだと、プロレスの関節技で敵を倒すし かない状況になりますんで、結果、格闘アニメみたいなシーンが生まれてしま うといえるわけです。いやあ、これもなんかその悲しいですね。LD版などで、 そういうのがちゃんと変更されて元にもどってくれたら、またすごいのかもし れません。たぶん、そうなるんじゃあないかなって期待!!

美夕は主人公じゃなくて、謎なほうがいいのでは

っていう指摘はいろいろあるんだと思いますが、これは今回の監督さんの方針。 OVA版は一三子の目を通して美夕が語られたのですが、今回は、しっかりと 美夕を主人公として、その心の内面まで描こうということのようですね。それ はそれで、またいけるのかもしれない。。

古都京都の雰囲気が好きだったのにぃ

については、最初そのような案もないわけではないけれど、やっぱり声優さん の問題とかいろいろあったみたいですね。たしかに、私も京都にいるときに、 美夕をいろいろと見せたのですが、「あの変な京都弁が嫌」とかそういう理由 で、あんまりちゃんと見てくれない人がいました。当時、関西圏などで、美夕 が不評だったそうで、そんなわけで、今回関西を舞台にするって話は結構最初 の段階でボツになったそうです。

今回の美夕はどういう方針なのか

えっと、今回のテレビ版美夕ですが、1話と2話を見た段階で、OVA版美夕の 雰囲気とコミック版新美夕の設定を両方もつ感じがしたわけです。で、実際ど うかというと、「監督としては、OVA版美夕のそのものをもう一度作るわけに はいかない。今回は、OVA版と、新美夕の両方の設定を踏まえつつ、独自な路 線をいく。」とのことです。

さて、実際、スタッフの中には、OVA版美夕のすっごいファンが何人もいるそ うですから、そのみなさんの作る世界は、やっぱりOVA版な世界に結構近いも のがあります。

ただ、今回の美夕では、OVA版やコミック版(新美夕以前のもの)と較べた場 合、かなり具体的な表現が多いですよね。たとえば、美夕の行動は、OVA版で は、とっても不可解。戦闘シーンでも、ろくに戦わず、1話の場合は、ラヴァ に命令したあとは、ただ一三子とだべっていたり、2話では無意味に走り、無 意味に布をなげ、そして帰りうちにあっている状況で、ランカは、勝手に闇へ 帰っていく。4話でも、お母さんが必死で戦っているのに、「私はもう選べな いかもしれない」とか無責任なこというのが美夕でした。

しかし、今回の美夕、結構具体的で合理的な動きをします。OVA版では殺人事 件やそういうものが比較的幻想的なムードで描かれましたが、どうやら今回は かなり直接的、具体性のある表現になりそうです。これをどう思うか、はみな さん次第ってところがあるかもしれません。

まあ、とにかく、製作サイドの皆さん、今回は、本当に真面目で必死な製作を されているようですから、その表現の方法や描き方がどうであれ、作品として、 かなり期待できるものなのではないかと思います。

放送されなかったエピソードの話

さて、テレビ版1話を見て、感動したOVA時代以来のファンが、2話を見たら、 「あれ?なんか変」とか思ったっていうのはしごく当然。実は、2話はとって もとってもダークな話になる予定だったのでした。

2話では、本来、千里たちと美夕との出合いが描かれ、その後、不可解な殺人 事件が発生、それを千里たちと美夕とで解決する中で友情が、、ってな方向が あったようです(50%くらいおにりんの予想)。ところが、この殺人事件が、 神戸のあの中学生少年による事件を連想させるものであるという理由で、放送 局側がカットを要請。そんなわけで、本来の3話を2話にするために、2話の 中の千里たちの登場シーンをむりやり本来の3話のアヴァンタイトルにくっつ けて、そんで、再編集するっていう苦しい製作になったわけです。そんなわけ で、正直いって、2話は、なんだかなあという状況。その結果として、本来の 3話の部分もだいぶカットされるなどして、演出がちぐはぐになったというわ けです。

この変更に関しては、LD版が登場するときには、もとに戻るそうですから、やっ ぱりそっちを見てみたいものですね。

あっと驚くエンディングが用意されている

さて今回の美夕は、カットされた本来の2話を入れて、26話の構成(テレビ 放送は25話)です。最後の数話では、ファンが「びっくり仰天!」な方向に ストーリーが進行するそうです。これがどういうものなのか、製作者サイドは、 明かしていませんが(そりゃそうだろう)、とにかくすごい!!らしい。

そんで、そんなすごい「想像を絶するエンディングとは」といろいろ考えて、 「それってもしかしたら、オメデトウエンディング(エヴァゲな方向)では」 と思ったのですが、これだけは「そんなことは絶対にない!」ということです ので、安心しましょう。

美夕がアヤナミィではないか?

さてさて、今回の美夕、長沢美樹さんの声で、絞りに絞ったハスキーな感じで、 なかなかよろしいのですが、なんだか、アヤナミっぽい気がすると感じたのは、 私だけではありますまい。

ネットな中では、「長沢さんはエヴァで伊吹マヤをやっていて、近くにいた林 原さんのアヤナミに影響されているんでは、」とか、「そういえば、アヤナミ キャラなキィが主人公のKey The Metal Idolで、サクラちゃんやっていたから、 それで岩男さんに影響されたのでは、」とか、「そういえば、ナデシコにも出 演されていた。あのときのルリルリとも、、」ってな話がいろいろながれたわ けですが、、、

この点に関しては、製作サイドの方の話は、「アヤナミタイプと言われてしま うことは結構悔しい!だって、私は昔からあの手の女の子を描き続けてきたん だから。だから、今回の美夕がアヤナミになったというよりは、本来私が書い てきたような女の子が最近時流になってきた!というべき!他のタイプを書こ うとしても、私のこれまで書いてきたタイプではなくなってしまい、真似にな るくらいなら、アヤナミタイプといわれようとも、私の描きたい美夕を描く」 とのこと。「長沢さんも苦労して、声を作っていらっしゃるのだが、なかなか まだ長い経験をもつ美夕の膨らみのある雰囲気を出すのに苦労されているよう です。で、3話くらいから、結構よい感じになってきたとおもうんだけれど。」 だそうです。

つうことで、一般には、アヤナミなキャラは主人公が正としたら、負、陽とし たら陰な関係で登場し、Key のような主人公で登場する場合も、他の登場人物 の目を通して語られることが多いわけですが、今回の美夕は、美夕自身が主体 的な主人公ですから、主体的な主人公としてのアヤナミ風キャラとはどのよう な形で描かれるのか、そこんところを注目していきたいなと思ったりします。


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