課題文n-ro311 世界でいちばん高い山の名前を知っていますか。

解説
世界でいちばん高い山の名前を: la nomon de la plej alta monto en la mondo または関係詞を使って la nomon de la monto, kiu estas la plej alta en la mondo のように言うことができます。(kiu の前のコンマは付けない人もいます。) la plej alta monto en la mondo は語順を変えて la monto plej alta en la mondo と言うこともできます。「世界でいちばん高い山」と言うのは,特定の山を指す表現ですから monto には冠詞を付け,その名前も山によって限定されているので,nomon にも冠詞を付けます。

知っていますか: c^u vi scias と言います。konas を使うのは,ここではよくありません。「知識として知っている」のは scii を使って言います。koni は「体験によって知っている」ことを表します。

参考:
"C^u vi scias pri la lasta tertremo en Pakistano?"(「この前のパキスタンの地震のことを知っていますか」)
"Jes. Mi g^in konas, c^ar g^uste tiam mi vojag^is en la lando".(「はい。その地震にあいましたよ。ちょうどそのとき,その国を旅行中でしたから」)

Mi konas tiun viron, sed mi ne scias kie li log^as.(あの男の人は知っていますが,どこに住んでいるのかは知りません。)

訳例
C^u vi scias la nomon de la plej alta monto en la mondo?
C^u vi scias la nomon de la monto(,) kiu estas la plej alta en la mondo?


課題文n-ro312 強いほうの手でそれを握ってください。

解説
強いほうの手で: per la pli forta el viaj manoj と言うのが正確な表現です。ふたつのものを比べて,一方のほうがもうひとつのものより〜であるというときは,la pli 〜 と冠詞を付けた pli を使って言います。逆に言えば,la pli granda とか la pli bela など冠詞付きの表現があれば,du という語が出ていなくても,ふたつのものを比べているのでということが分かります。

参考:
Masao prenis la pli grandan el la pomoj sur la tablo.(マサオはテーブルの上のふたつのリンゴのうちの大きいほうをとりました。)

plej は三つ以上のものを比べて「いちばん〜である」というときに使う表現なので,ここでは不適当です。無冠詞の pli 〜 は,例えば pli forta ol 〜 のように,ol とともに使われますが,la pli 〜 は上に挙げた la pli grandan el la pomoj のように,el を使って言います。最上級の表現 la plej 〜 は 例えば la plej belaj el tiuj floroj のように el とともに使われますが,la pli も最上級と同じように el を使います。
「強いほうの」を de la forta flanko とするのはよくありません。
「強いほうの手で」の「で」は per を使いましょう。en や je はよくありません。

それを: tion を使って言いましょう。Kio estas g^i?(それは何ですか)のように,tio の代わりに g^i を使う人もいますが,物を指して「それ」というときは tio, 一度出てきた物を再示するときは g^i を使う,というように区別することをお勧めします。

握ってください: 「握る」には stringi または premi か preni を使って言うのがよいでしょう。stringi は forte c^irkau^premi(強く握り締める)という意味です。

訳例
Stringu tion per la pli forta el viaj manoj.


課題文n-ro313 あそこに男の子がふたり立っていますね。背の高いほうがハルオです。

解説
あそこに: tie と言うのが普通ですが,聞き手の注意を引くための間投詞 jen も使えます。c^i tie は話し手がいるところを指すので,「あそこに」という離れた場所を指すときは tie を使いましょう。en tiu loko を使って言うこともできます。

男の子がふたり立っていますね: staras du knaboj と言うのがよいでしょう。du knaboj staras でもよいのですが,tie に続けて言うときは, tie staras du knaboj と言う語順がよいでしょう。前にも書いたことがありますが,場所を表す表現に続くときは「動詞+主語」という語順が好まれる傾向があります。文末に c^u ne? を付けてもよいのですが,c^u ne? は聞き手に確認したり同意を求めるときの表現ですから,日本語の「ね」といつも同じという訳ではありません。日本語の「ね」は,確認や同意を求めるとき以外にも使われることがあります。日常会話で「男の子がふたり立っています」と言うのは,例えば「門のそばに誰かいますか」と家の中にいる人から尋ねられたときなどの答えとしては自然な表現ですが,話し手と聞き手から見える男の子を指して言うときの言葉としては不自然な表現ですから,「立っていますね」とか「立っているでしょ」のように言うのが普通です。この課題文の「ね」も,単に口調を整えるためや,ぶっきらぼうな感じを与えないための「ね」の意味に取れば,c^u ne? を付ける必要はありません。この課題文の場合は,c^u ne? を付けてもよいのですが,例えば会話の通訳をしていて,話し手が会話の相手に対して「あなたは背が高いですね」と言ったのを,Vi estas altkreska, c^u ne? と訳したら,これはもう誤訳と言ってよいでしょう。つまり,日本語の会話では「男の子がふたり立っています」とか「あなたは背が高いです」とは言わないので,「ね」を付けて言うのが普通ですが,エスペラントでは c^u ne? を付けなくてもぶっきらぼうな感じは全然ありません。

背の高いほうがハルオです: la pli alta el ili etas Haruo と言えばよいのですが,会話では el ili を省略してもかまいません。「背の高い」には altkreska や granda を使って言うこともできます。ザメンホフの用例に mia frato ne estas granda, li estas de meza kresko(わたしの兄は背が高くはなく,中背です)があります。

訳例
Tie staras du knaboj. La pli alta estas Haruo.


課題文n-ro314 テーブルの上に花瓶がふたつあるでしょ。小さいほうは,きのう Annaからもらったのよ。

解説
テーブルの上に: sur la tablo でよいのですが,文頭に置いたとき Sur la tablo, のようにコンマを付けるのはよくありません。日本語では「テーブルの上に、」と読点を付けることがありますが,エスペラントでは付けません。Tie staras du vazoj sur la tablo の Tie は不要ですが,大きなテーブルの場合には指で指し示しながら,tie sur la tablo(テーブルの上のあそこに) のように言うことはできます。tablo に冠詞を付けるのは,聞き手に見えていて「あのテーブルを指しているのだな」ということが分かるからです。もしラジオの実況放送のように,聞き手に見えていない場合は,sur tablo と言うでしょう。

花瓶がふたつある: staras du vazoj とか trovig^as du vazoj または estas du vazoj などのように言うことができます。「花瓶」を目の前にして言うときは florvazoj と言わずに vazoj というのが普通です。日本語の「花瓶」は「瓶」ではありませんが,florvazo は vazo なのです。bazoj はタイプミスでしょう。Vi vidas du vazojn sur la tablo とすると,「テーブルの上に花瓶がふたつあるでしょ」と言う感じを出すことができます。la du florvazoj のように冠詞を付けるのはよくありません。初めて話題にするものには冠詞を付けません。日本語では初めて話題にするものには,たいてい「が」を付けて言うので,「花瓶が」のときは無冠詞,「花瓶は」のときは冠詞を付けて言うとおぼえておくのは役に立ちますが,そうでない場合もあるので,この規則には例外があることも知っている必要があります。

小さいほうは: la pli malgranda のように vazo を省略して言うことができます。la pli malgranda el ili は正確な表現ですが,el ili は省略してもかまいません。pli を入れずに la malgranda と言うのはよくありません。「花瓶」がふたつとも小さい場合どちらを指しているのか分からないからです。la pli malgranda は,ふたつとも小さいものでも片方がもうひとつより小さい場合に,その小さいほうを指します。「小さいほうを(Annaがくれた)」という構文にしたときは,la pli malgrandan となりますが,日本語の「小さいほうは,」のように la pli malgrandan, とコンマで区切るのはよくありません。漢字をなるべく少なくして文章を書くと,読みやすさを図るために読点が多用されるようになりますが,エスペラントのコンマの用法の基準は,日本語と同じではありません。
la pli malgranda は la malpli granda としても,意味はほとんど同じです。たいていの pli mal〜 は malpli 〜 としても意味はほとんど変わらないのですが,次のような場合もあるので注意してください。

参考:
S^i estas malpli bela ol vi.(あなたのほうが彼女より美しい,という意味の褒めことば)
S^i estas pli malbela ol vi.(彼女はあなたより醜い,という意味で「あなたもみにくい」ということを暗示する侮辱のことば)

きのう Annaからもらった: mi ricevis de Anna hierau^ とか Anna donacis al mi hierau^ などのように言うことができます。hierau^ の位置は自由ですが,de Anna の de と Anna, al mi の al と mi は離すことができないので,これらの間に置くことはできません。la pli malgranda を主語とする受動態で
la pli malgranda estis donacita de Anna al mi のように言うこともできます。donita も誤りではありませんが,ここでは donacita を使って言うほうがよいでしょう。estas donacita の estas は estis としましょう。「贈られた」という過去の行為をあらわすには estis donacita と言います。estas tio, kiun Anna donis al mi hierau^ は estas tio, kion Anna donis al mi hierau^ とすれば,文法上の問題はなくなりますが,このようには言わないのが普通です。
「Anna から」は el Anna でなく,de Anna と言います。el は de en(〜の中から)というのが,もともとの意味です。

訳例
Vi vidas du vazojn sur la tablo. La pli malgranda estis donacita de Anna al mi hierau^.
Sur la tablo staras du vazoj. La pli malgrandan Anna donacis al mi hierau^.
Sur la tablo estas du vazoj. La pli malgrandan mi ricevis de Anna hierau^.


課題文n-ro315 あの建物は,日本で2番目に古いお寺です。

解説
あの建物は: 話し手と聞き手に見えている建物を指して言うときは tiu konstruaj^o と言います。tiu も la も「あの,その」などのような日本語が対応するので混同しがちですが,指で指しながら言うときには tiu を使って言うのが普通です。c^i tiu は話し手が身に付けているものや,手に持っているものなどを指して言うときは使う表現なので,ここでは不適当です。日本語では話し手が身に付けているものや手に持っているものは「この」,聞き手が身に付けているものや手に持っているものは「その」,話し手からも聞き手からも離れているいるものを指すときは「あの」と言いますが,エスペラントでは話し手が身に付けているものや手に持っているものは c^i tiu と言い,それ以外のものは聞き手がは身に付けているものや手に持っているものでも,話し手からも聞き手からも離れているいるものでも指すときは tiu と言います。日本語では指し示す言い方が3種類,エスペラントでは2種類なので,c^i tiu が「この」,tiu が 「その」と「あの」に対応する表現です。(日本語の「これ」とエペラントの c^i tio の違いについては,『エスペラント初級・中級の作文』p.111 でイラストを入れて詳しく説明してあるのでご参照ください。)
建物は konstruaj^o と言うのが普通ですが,konstruo が konstruaj^o の意味で使われることもあります。domo は「人が住むための建物」のことですから,ここでは不適当です。

日本で2番目に古い〜: la dua plej malnova 〜 en Japanio または la 〜(,) kiu estas la dua plej malnova と言います。日本語では「2番目に」と言うので,それに引かれて due としたくなりますが,「2番目に〜」と言うときの決まり文句は la dua plej 〜 とおぼえておくのがよいでしょう。「日本で」は en Japanio と言います。el Japanio は誤りで,el を使うのは比べる対象(主語と同類を表す複数形の名詞または代名詞)で,比べる対象の存在する範囲(主語がその中に含まれる範囲・集団を表す単数名詞)を示すのは en を使います。

参考:
Haruo estas la plej bona lernanto el miaj amikoj.(ハルオはわたしの友だちの中でいちばん成績の良い生徒です。)
Haruo estas la plej bona lernanto en mia klaso.(ハルオはわたしのクラスでいちばん成績の良い生徒です。)

お寺: templo を使った訳が多かったのですが,templo は「神を祭った建物,信者が儀式を行なう建物」を指す語で,さまざまな宗教の建物を含むので,仏像を祭り仏事を行なう建物を指すときは budhana templo または budhisma templo と言う必要があります。

訳例
Tiu konstruaj^o estas la dua plej malnova budhisma templo en Japanio.


課題文n-ro316 この川は世界で3番目に長い川です。

解説
この川: 話し手の手もとにある地図を指していうときなどは c^i tiu rivero と言いますが,そうでない状況では tiu rivero と言うほうがよい場合もあります。日本語で「この」という場合でも,話し手から少し離れているものを指すときは tiu のほうがよいでしょう。「これは」という意味で c^i tio, tio c^i を使って言うこともできます。

世界で3番目に長い川: la tria plej longa rivero en la mondo と訳せますが,主語に rivero が使ってあるので,rivero の重複を避けて la tria plej longa en la mondo とするほうがスマートです。

訳例
C^i tiu rivero estas la tria plej longa en la mondo.


課題文n-ro317 ハルオは,朝がいちばん疲れていると言います。

解説
ハルオは言います: Haruo diras または lau^ Haruo のように言えばよいでしょう。parolas はここではよくありません。diri は他動詞で「あることを言う,述べる」という意味で,diri (al iu) ion, diri (al iu) ke の形で使われますが,paroli は自動詞で「あることについて話す,(ある言語を)話す」という意味で paroli Esperanton という他動詞的用法のほかは対格(-n)を目的語にとることはなく,paroli ke という形では使われません。

朝が: en la mateno または matene を使って言います。「朝のうちは」という意味で en la matenaj horoj という言い方もあります。「日エス」には en mateno が出ていますが,mateno には冠詞をつけましょう。en la mateno, en la mateno と口に出しておぼえておくと,冠詞の有無を意識しなくてもこの形で言葉が出てきます。matene en tago, matene en la tuta tago の en tago, en la tuta tago は削除しましょう。mateno は komenca parto de la tago(1日の初めの部分)という意味ですから,もし日本語が「1日のうちで朝は」となっていても en la mateno だけでよく,en tago などを付けると,en la komenca parto de la tago en tago となって,読む人には意味不明の文になります。

いちばん疲れている: li estas plej laca, li estas laca pleje, li sentas sin plej laca などのように言うことができます。sentas を使って言うときは sin を入れて sentas sin と言います。laca の主語は人(ここでは li)ですから,la tempo de mateno estas plej laca のように言うことはできませんし,laca tempo のようにも言うことはできません。
「いちばん疲れている」と言うときは plej に冠詞を付けないで plej laca のように言います。同類のものの中でほかのものと比べて「いちばん〜」というときは冠詞を付けて la plej 〜 と言いますが,同一のものの中のことについて言うときは,無冠詞の plej を使って言います。例えば,日本でいちばん高い山(la plej alta monto en Japanio)と言うときは,日本のほかの山と比べて言っているのですが,山のいちばん高い地点(plej alta punkto de la monto)と言うときは,ほかの山と比べるのではなく,その山の中のいちばん高い所を指しているのですから,そのときは無冠詞の plej を使って言うのが普通です。

訳例
Haruo diras, ke li estas laca pleje en la mateno.
Haruo diras, ke li estas plej laca en la matenaj horoj.


課題文n-ro318 わたしは1日のうちで朝がいちばん忙しい。

解説
1日のうちで朝が: en la mateno または en la matenaj horoj のように言えばよいでしょう。「1日のうちで」を訳して dum la tago や dum la tuta tago, en la tuta tago などを付けるのはよくありません。このことは前回の解説の中で書いたのですが,今回もdum la tuta tago などを付けた訳がいくつか寄せられたので,わたしの文通相手である Renato Corsetti(世界エスペラント協会会長)に, en la mateno dum la tuta tago の意味が分かるかどうか尋ねてみました。彼は世界エスペラント協会会長という仕事がら世界中のエスぺランチストとの交流がありますし,奥さんはイギリス人で家庭ではエスペラントを使っているので,世界でもっとも多くエスペラントを使っている人のひとりです。その彼が en la mateno dum la tuta tago について, 「意味がまったく分からない」と書いてきました。「1日のうちで朝が」を dum la tuta tago を使って表すとすれば,en la mateno rilate al la cetera tempo dum la tuta tago とでも言わねばならないが,なるべく短く言うのなら matene ol en la cetero de la tago と言えばよい,というのが彼の意見です。しかし,en la mateno だけで十分なのですから,このように言う人はいないでしょう。もしこのように言うときがあるとすれば,外国人に「1日のうちで朝が」という日本語独特の表現の解説をしなければならないときなどでしょう。

わたしはいちばん忙しい: mi estas plej okupita とするのがよいでしょう。「忙しい」という意味で okupata を使う人もヨーロッパ(東欧を除く)では見られるので,例えば英エスの辞書で busy を見てみると,J.C.Wells の辞書では okupita となっていますが,P.Benson の辞書では okupata となっています。G.Waringien のエス仏には okupita の例は出ていませんが,neokupita は人について「忙しくない」というい意味で使い,neokupata は物について「空いている」という意味で使うという区別がされています。つまり neokupita homo(暇な人), neokupata seg^o(空席)のような使い分けをするということです。この講座では前に一度書いたように,この使い分けに従っていますが,okupata は減点の対象にしていません。

訳例
Mi estas plej okupita en la mateno.


課題文n-ro319 この池のいちばん深い所に宝物が隠されていると言われています。

解説
この池のいちばん深い所に: c^e plej profunda loko de c^i tiu lageto のように言うのがよいのですが,c^e のところには en を使ってもよいでしょう。en のほうが c^e よりも広い場所を指して使われるのが普通です。plej はここでは無冠詞で使います。n-ro317の解説の中で,同類のものの中でほかのものと比べて「いちばん〜」というときは冠詞を付けて la plej 〜 を使い,同一のものの中のことについて言うときは,無冠詞の plej を使うという説明をして,山のいちばん高い地点(plej alta punkto de la monto)という例を挙げておきましたが,今回の「この池のいちばん深い所」というのも同じです。「池」には lageto を使いましょう。lago は「湖」です。

宝物が隠されている: trezoro estas kas^ita と言います。estas kas^ita は「隠されていて,今もそこにある」という意味です。estis kas^ita は「隠された」という過去の行為を表す表現なので,今もそこにあるかどうかについては分かりません。文脈や話されている状況などによって判断できる場合もありますが,今もそこにあることをはっきり表現したいときは estas kas^ita を使って言いましょう。trezoro に冠詞を付けるのは,よくありません。「宝物は」と言う日本語の表現であれば,聞き手がすでに知っている宝物を指しているのですから,冠詞を付けて la trezoro と言いますが,「宝物が」というのは,宝物のことを初めて話題にするときの言い方ですから,無冠詞の trezoro を使います。

と言われています: oni diras, ke や estas dirite, ke または lau^ onidiro を使って言うことができます。(ke の前のコンマは付けない人もいます。) lau^ onidiro は文頭や文末だけでなく,文中にコンマで区切って挿入することもできますが,oni diras, ke や estas dirite, ke は文頭に置くのが普通です。

訳例
Oni diras, ke trezoro estas kas^ita en plej profunda loko de c^i tiu lageto.


課題文n-ro320 わたしたちの仕事は,1年中で5月がいちばん忙しい。

解説
わたしたちの仕事は: nia laboro でよいのですが,これを主語にしたときは,nia laboro estas plej okupita のように言うのではなく,nia laboro pleje okupas nin のように言うのがよいでしょう。

5月が:「5月に」という意味の副詞句 en majo の形を使って,訳例に挙げた ように言うことができます。また,majo を主語にして Majo estas la plej okupata monato por nia laboro のように言うこともできます。majo を主語にした構文では majo をほかの月と比べているのですから,冠詞を付けた la plej の形を使い,人について言っているのではないので,okupita ではなく okupata を使うのがよいでしょう。

いちばん忙しい: estas plej okupita ですが,主語を ni にすれば estas plej okupitaj としなければなりません。「(わたしたちは)仕事で忙しい」と言うのは estas okupitaj de nia laboro と言うのがよいでしょう。ザメンホフに esti okupita de sia laboro(仕事に忙しい), esti okupita de sia profesio(本業に忙しい)の用例があります。
Nia laboro plej okupas nin en majo のように,plej を動詞の前に置いて動詞を修飾するのは無理なので,okupas nin plej multe のように言うのがよいでしょう。この plej は副詞にかかっているので冠詞を付けません。plej でなく pleje を使えば,pleje okupas nin のように動詞を修飾することができます。

訳例
Nia laboro pleje okupas nin en majo.
Majo estas la plej okupata monato por nia laboro.