エスペラントのi は英語の it や pin の [i] でなく,eat, peak などの [i:] を短く発音する [i] です。

英語の [u] は丸めた唇が日本語のオの形に近いため, bookが日本人にはボクのように聞こえますが, エスペラントの [u] は唇をすぼめて発音するので, 日本人には聞き取りやすく, busto はブストと聞こえます。

母音はアクセントがない場合にも明瞭に発音されます。fis^on (i にアクセント) の s^on は nation の tion のように o が弱められないで,イギリス英語の shock の sho のように発音されます。silenta (e にアクセント) の i や funkcio( i にアクセント) の u は,英語の beautiful の i や u のように弱められたり脱落したりすることなく,はっきりと発音されます。

英語では in, tent などの n と ink, English の n は別の音素ですが,エスペラントでは inko の n も inter の n も同じとして扱います。つまり,inko の n を inter の n と同じように発音してもかまいませんし,英語の ink の n のように発音してもまったく問題はありません。

英語の sense の s は直前のn で舌先が上の前歯の裏についているため, その破裂音と結合して ts のように聞こえますが,エスペラントでは senso[senso] (感覚) と senco[sentso] (意味) を区別して発音しなければなりません。この区別をするのは日本人には容易ですが,英語の発音に慣れている方は注意してください。

r は舌先をふるわせて巻き舌で発音するのがよいのですが,それができないときには英語の r のように舌先をどこにもつけずに発音してもかまいません。ただし,舌先が硬口蓋につくと l のように聞こえるので注意しましょう。英語では light, right などの区別がありますが,エスペラントでも lano (羊毛) と rano (カエル), libero (自由) と rivero(川), bildo (絵) と birdo (鳥) などの区別があります。また,marto (三月) の ar を英語の March の ar のように発音するのは誤りで, r の音を確実に入れて発音しなければなりません。

ss, mm, pp, tt などのように二つ重なった子音字の発音は, 次のように発音されるのがふつうです。
f, v, s, z, sh, jh, j, h, m, n, l, r の場合は, やや長めに発音します。 p, b, t, d, k, g の場合は,日本語の促音 (っ) のように発音します。ekkoni はエッコーニのように聞こえます。
これは単語の中だけでなく,al la (to the), ses seg^oj (six seats), sep partoj(seven parts) などに見られるように文の中でも起こります。

合成語, 接頭辞, 接尾辞の発音

合成語の発音は個別を意識して発音するのがよいでしょう。
kuniri (同行する), samopinii (同じ意見である) は kun-iri, sam-opinii のように発音しましょう。

接頭辞も合成語と同じように発音したほうが分かりやすいでしょう。
malamiko (敵), disau~digi(放送する) は mal-amiko, dis-au~digi のように発音しましょう。

接尾辞は分離せずに発音します。
akceptebla (受け入れることのできる <akcept+ebla), beleco(美<bel+eco)

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