1 アルファベット

エスペラントのアルファベットは28文字からなり，それぞれの文字には大文字と小文字があります。Q, W, X, Yはエスペラントにはありませんが, 固有名詞には使われます。


字上符 ^の付いた文字が6箇あり, それを表示するフォントもありますが，インターネット上では文字化けを避けるために，字上符のかわりに ^ や h や x をつけて C^, G^, ..., Ch, Gh, ..., または Cx, Gx, ... のように表すのがふつうです。
この講座では c^, g^, h^, j^, s^, u~ の形で書くことにします。

文頭や固有名詞の最初の文字を大文字にするのは英語と同じですが, 曜日, 月の名前, 民族名などはエスペラントでは小文字で書きます。

ひとつの文字にはひとつの読み方しかありません。例えば, 英語の s は this では [s] と発音され isでは [z] と発音されますが，エスペラントでは s はすべて [s] と発音されます。

英語の eight の gh のような黙字(発音されない文字)はエスペラントにはありません。

母音は日本語と同じように a, e, i, o, u の5箇です。a は口を上下に広く開けて発音します。e は pen の [e] です。i は唇を左右に引いて発音します。o は口を丸めてオと発音します。[ou] でないことに注意してください。uは丸めた唇を突き出して発音するウです。

子音字の発音を英語の単語で挙げて示します。
b = boyのb/ c = catsのts/ c^ = churchのch/ d = dogのd/ f = foodのf/ g = goのg/
g^ = gemのg/ h = hatのh/ h^ = lochのch/ j = yesのy/ j^ = pleasureのs/
k = kitchenのk/ l = leftのl/ m = mapのm/ n = needのn/ p = penのp/ r = ratのr/
s = sickのs/ s^ = shockのsh/ t = tenのt/ u~ = wantのw/ v = villageのv/ z = zooのz

(注 1) h^ は k に置き換えられる傾向があって，現在 h^ の入っている単語の数は極めて 少数です。
kemio(chemistry)<h^emio, tekniko(technique)<teh^niko

（注 2) dissemi, ekkoni, ellegi, forrabi, plennombra, sammomentaなどの二つ重なった子音字は, それぞれ発音されます。英語のannounceのnn, collectのll, communication のmmなどのように一つの子音として発音しないように注意してください。

（注 3) 英語の w は went, woman などのように語頭によく使われますが, u~は u~a!(ワア![叫び声])に使われるくらいで，ふつうは antau~(before), Eu~ropo(Europe)のように au~, eu~ の形で使われます。

音節の数は母音の数と一致します。balailo(broom)のように母音が2箇続いている場合でも a と i は, それぞれ1音節として発音されるので ai は 2音節になり，英語の high [hai] などに見られるような二重母音にはなりません。

文字の名前は母音字はその母音の音で, 子音字はそれぞれの文字が表す音に o をつけて 呼ばれますが，いずれも母音がやや長めに発音されます。

a, bo, co, c^o, do, e, fo, go, g^o, ho, h^o, i, jo, j^o, ko, lo, mo, no, o, po, ro, so, s^o, to, u, u~o, vo, zo

アー, ボー, ツォー, チョー, ドー, エー, フォー, ゴー, ヂョー...のように読めばよいのです。

Q, W, X, Yは次のように呼ばれます。

Q = kuo, W = duobla vo, X = ikso, Y = i greka または ipsilono (太字のところを強く, やや長く発音します。)

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