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<憧れを現実に!>の巻
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よしよし(以下Y)「いらっしゃ〜い!あら、あきちゃん、お疲れ様です。まだ早いんじゃない?
11時までゆっくりしていればいいのに。」 あき(以下A)「取り合えず一度寄らなきゃって思ってさ。」 Y「それじゃ、何か飲む?」 A「そうね、まず、ウーロン茶。ぐ〜っと一杯飲んでからね。」 Y「は〜い。大きいグラスの方がいいよね。」 A「そうね、お願いします。」 スターちゃん(以下S)「君、本当に忙しいよね。で、今日は、何処へお出かけだったんですか?」 A「ご挨拶が遅れちゃって。スターちゃん、今晩は。」 S「いやいや、どうも。」 A「今日ですか?今日は青山劇場に、少年隊のプレイゾーンを観に行って来たのよ。」 S「少年隊?君、少年隊も好きなんだ。ひえ〜〜〜!驚きだよね、こりゃ、まっちゃん出べその・・・。」 Y「スターさん、またおかしな事を。何なのですか?それ。」 A「いいから、無視して、無視して。」 S「それで、その少年隊のコンサートはどうだったんです?」 A「やだ、スターちゃん。今回はコンサートじゃないのよ。」 S「コンサートじゃない?とすると、水着ショーとか何かですか?」 A「何馬鹿な事言ってんのよ!ミュージカルです、ミュージカル。」 Y「あ〜、前にここにポスター貼ってあったあれ?」 A「そうそう。<ウエスト・サイド・ストーリー>よ。」 S「えっ!ウエスト・サイド・ストーリーぃ!いっやぁ〜、僕の大好きなバーンステインのぉ。あっりゃ〜〜〜ぁ、 ロミオとジュリエットの現代版。」 Y「といっても、もう現代じゃないですよね、あの話。」 S「何で君は僕が話しているのを止めちゃうわけ?もう、失礼なんだから。一杯飲みます?」 Y「ごめんなさい。それじゃ、頂こうかな?」 S「飲んで飲んで。そうだ、アキちゃんも飲んで下さいよ。ワインにします?まだお店に入るまで時間あるでしょ。」 A「有難うございま〜す。そうね、ねえ、スターちゃん、今はね、食事の後だから、ワインよりも、 今月のお勧めドリンク<ゴッドファーザー>を頂こうかな?」 S「ゴッドファーザー?あのマーロン・ブランドの、ゴッドファーザー?そんなカクテルあったんだぁ。どんなヤツ?それは。」 A「よしよし、作れるかしら?」 Y「えっ???レシピ有りましたっけ?」 A「ちゃんと書いといたわよ、マニュアルに。」 Y「え〜と、あ〜、これですね。はっは〜。ウィスキーが45、アマレットが15か。」 A「ちゃんと計ってね。ちゃんと計量する事が美味しいお酒を作るコツでもあるんだからね。」 Y「は〜い、解りました。はい、こんなんでどうですか?」 A「はい、有難う!スターちゃん、頂きま〜す。う〜む、上出来よ。」 S「アキちゃん、ちょっと僕にも飲ませてもらっていい?」 A「勿論ですよ。はい、どうぞ。」 S「ありゃりゃ、随分甘〜いお酒だね。あの映画の音楽みたいに甘いね。」 A「そうでしょ。食後酒にはピッタリだと思わない?」 Y「えっ?ちょっと俺にも・・・・。」 A「はい、いいわよ。・・・・・ どう?」 Y「本当だ、甘いねぇ。」 S「でも、アキちゃんらしいよね、マーロン・ブランドが死んじゃった次の月に、 彼の代表作の映画をタイトルにしたカクテルをお勧めにするなんてさ。」 A「あら、流石はスターちゃん。長年お付き合いしてくれてるだけあって、良くお解りでした。」 Y「あ〜、そうなんだ。それでぇ〜。」 S「よしよし、君はまだ修行が足りませんね。店主が意図する事を、もっとサッと見抜かなくちゃ。」 A「でもさ、スターちゃん、このくらいの歳だと、ゴッドファーザーの映画は知っていても、 マーロン・ブランドを知っているかどうか?」 Y「名前くらいは知っているんですけど、・・・。」 S「時代は移り行くねぇ〜。ところで、そうそう、ウエスト・サイド・ストーリー。この話は知っているの?よしよしは。」 Y「知ってますよ、当然。さっきも言ったじゃないですか、もう現代じゃないですよね、って。」 S「あれれ、そうでしたっけ?最近物忘れが激しくてねぇ〜。」 A「アッシもよ、スターちゃん。この歳になってくると辛い辛い。」 S「でも、ウエスト・サイド・ストーリーは良く覚えていますよ。恰好いいダンス、素敵な音楽。それよりも、 魅力的なキャスト。踊り抜群のラス・タンブリンにジョージ・チャキリス、リタ・モレノ。 本当に美しかったトニーのリチャード・ベイマーとマリアのナタリー・ウッド。で、今回の少年隊のは、 どんなキャストだったんだろうね。歌って、踊れて、歌が上手くて、美しい。いるぅ〜?」 A「少年隊のキャストはね、トニーに東山、リフに錦織、ベルナルドに植草。アニタが元宝塚の香寿たつき、 それに、マリアが島田歌穂。」 S「ちょっと待って下さいよ。マリアが島田歌穂?マリアだよね、マリア。」 Y「まあ、少年隊は仕方ないとしても、島田歌穂のマリアは、ちょっとイメージじゃないんじゃないかな。」 S「ん〜だ。だって、ナタリー・ウッドだよ、映画では。舞台だから、ちょっと差し引いても・・・・。」 A「そう?上手いじゃない、キャスティング。だってさ、考えてもみてよ、もしよ、これが松たか子だったり、 宮沢りえだったりしてごらんなさいよ。ねえ、分かるでしょ。島田歌穂で良かったのよ。お客さんが安心出来るじゃない、 島田歌穂だったら。」 Y「なるほどね。嫉妬も少ないよね、きっと。」 S「頭いいかも。流石、ジャニーズ事務所。で、出来はどうだったの?」 A「う〜む、それを聞かれると、チト辛いかな。」 Y「全然ダメだったとか。」 A「う〜む。やっぱり少年隊には、少し荷が重かったかな?」 S「そうだろうね。僕達はさ、初演は当然観ていないにしても、来日公演も、映画も観ているからね。 やっぱりそれ以上の舞台を作らなきゃ、なかなか感動できないもんね。」 A「いやね、みんな一所懸命演っているのよ。でもさ、踊りが踊れないでしょ。ニッキーなんて、足が高く上がらないんだもの。 カッちゃんも一緒。ヒガシは踊る所は激しい踊りが無い分まあまあだったけど、歌がね。歌うのに精一杯ってな感じだったし。」 S「アニタはどうだったんですか?」 A「う〜む。抜群の踊りを披露したとは到底言いがたかったわね。」 S「まさか、マリアまで・・・。」 A「一番無難にこなしていたわよ。やっぱり島田歌穂は、歌も踊りも水準以上だわね。ただ、一つ言わせてもらえば、 会話の時の音のトーン。あれが時々耳障りになってしまうのよね。」 Y「どういう事なの?」 A「彼女って、とってもキュートな声なのね。でも、それが場面によっては全く合わないのよ。 キュートさが邪魔になってしまうのね。」 Y「へぇ〜。観てみなきゃ分からない事だよね。」 S「それじゃ、今回は目を見張る人は居なかったんだね。」 A「そうでもないのよ。」 S「と、いうと?」 A「主要なキャストでは、アクションを演った、元光ゲンジの赤坂晃が良くやってたわよ。それと、 主要なキャストではないんだけど、ジェット団のスノーボーイ役、薗部裕之君のダンスが抜群だったわね。業界では、 タイガー役の青山航士が抜群だっていう話だったけど、アッシが観た今日で言えば、薗部君のダンスが一番だったわよ。 体の反り具合、指先まで神経が行き届いて、踊りが何といっても大きかったしね。 これからも注目していいアーチストだと思うけど。」 S「僕ね、昔、劇団四季でやったのを観た記憶があるんだけど、アキちゃんは観たよね。どう? それと比べちゃいけないんだろうけど。」 A「そうね。アッシも舞台が終わってから考えてみたのよね。」 S「それで?」 A「四季は、やっぱり凄かったんだなって。まあ、自分の年齢の事もあるんだろうけど、もう30年も前の事だしね。 まあ、その間、何度も上演してるわけだけどね。」 Y「アキちゃんにとってのベストキャストは?まあ、四季だったら。」 A「そうね、やっぱりトニーは、鹿賀丈史、マリアが雪村いづみ、アニタは前田美波里、リフが飯野おさみで、 ベルナルドが郡司、う〜む、名前忘れちゃった。」 S「飯野おさみかぁ〜。懐かしいよね。元祖ジャニーズだもんね。そう言えばさ、ジャニーズ事務所って、 ウエスト・サイド・ストーリーの映画を観てジャニーズを結成したのが始めだって聞いた事あるんだけど、そう?」 A「そうらしいわよ。ジャニー喜多川さんが、映画を観て感動して、それでジャニーズを結成したって。」 S「憧れを実現しちゃったんだね。凄い!よ。ねえ、そう思いませんか?」 Y「本当に凄いよね。なかなか出来ないものね。」 A「アッシも憧れの子を現実にしたいわね。」 S「ちょっと、ちょっと、違うんじゃない?それ。」 A「あら、そうかしらん。あっ!そろそろ時間だわ。よしよし、交代しましょう。」 Y「はい。それじゃ、交代しま〜す。」 A「はい、お待たせしました。これから普段のペンギンに戻ります。」 S「それじゃ、ここらでワインでも抜きましょうよ。ね、アキちゃん。よしよしも飲めるでしょ、 ワイン。アキちゃん、ワイン一本下さい。」 A「あいよっ!・・・・はい、スターちゃん。」 S「アキちゃんも、よしよしも。乾杯しようね。え〜と、何がいいかな?」 Y「憧れを現実に出来るように、じゃどうですか?」 S「君、いいね、それ。じゃあ、憧れを現実にする事ができますように!乾杯!」 一同「かんぱ〜い!」 おわり *登場人物は全て仮名です。 *今回紹介したお芝居は、 1)ウエスト・サイド・ストーリー 東京公演は終了 大阪公演は8/9〜16まで。 フェスティバル・ホールです。 どうぞ、足をお運び下さいね。 |