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<その理由は?>の巻
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マモちゃん(以下M)「長〜いよね、もうこんな時間だもん。」 ダンダン(以下D)「そうだったかな?俺にはそんあに長く感じなかったけど。」 M「そうかな?なんか、証言ばっかりだし、飽きちゃったよ。」 D「まあ、マモちゃんは若いからね、仕方ないかも。それじゃ、ペンギンに行ってアキちゃんにも話聞いてみようよ。」 M「それがいいやぁ!アキさんみたかな?」 D「なんか、見るような事言ってたけどね。」 M「混んでるかな?もう10時半だし。」 D「でも、今日は木曜日だよ。言ってたじゃん、前に。木曜日が一番暇だって。」 M「なんか聞いた事あるかも。・・・・こんばんは。」 あき(以下A)「あら、マモちゃんいらっしゃい。あら、ダンダンも一緒ね。いらっしゃ〜い。」 D「こんばんは。・・・ほらね、言った通りだろ?座れるって。」 M「本当だね、やっぱり木曜日。」 A「そうなのよね、木曜日って、まあ、明日が金曜日だからかな?座れない事はまず無いと思ってもらった方が。それじゃ、今日は何にしようか?」 D「俺はね、今月のお勧めドリンク。確かモルト100パーセントだよね。」 A「あいよっ!美味しいわよ、これ。ニッカが70周年を記念して出した限定品なのよ。」 M「「見ましたよ、ホームページで。美味しそうですよね。じゃあ、僕もそれで。」 A「どういう風にしようか?ロック、ソーダ割り、水割り。どうしよう?」 D「勿論最初はロックで。」 M「僕はね、水割りかな。」 A「あいよっ!・・・・はい、お待たせ。ロックと水割りね。」 M「あれ、そうか。ロックだと丸い氷なんだぁ。僕も最初はそうすれば良かったなぁ〜。」 A「まあ、マモちゃん、今度そうすればいいじゃないの。」 D「そうだよ。それに、ロックで頼んだら最低3杯は飲まなきゃいけないんだよ。」 M「え〜!最低3杯?僕には無理だな。やっぱり水割りでよかったぁ〜。」 A「何脅しているのよ。マモちゃん、最低3杯ってな事はないのよ。だけどね、心情的にはまあ3杯位はこの氷で飲んでほしいな、って思っているだけなのよ。だから一杯でも大丈夫よ。次にロックで飲んでみれば?」 M「あ〜、安心したよ。じゃあ、次はロックにしよっと。ところでね、アキさん、<理由>っていう映画もう見ました?」 A「大林監督のね。この前の月曜日に行ったわよ。行ったの二人は?」 D「今、その帰りなんだよね。で、アキちゃんはどうだったの?<理由>。」 A「アッシは良かったわ。結構好きね、あのての映画は。」 D「ほらね、俺は絶対にアキちゃんは好きだと思ってたんだよな、<理由>は。」 M「僕ね、飽きちゃったんですよ、あの映画。」 A「まあ、仕方ないんじゃないの?マモちゃんの年頃じゃあね。マモちゃん、まだ23だっけ?」 M「そうです。来月24ですけど。」 A「あら、それじゃ、今年は歳男ね。」 D「そうなんだよね。だからさ、もっと大人の映画も楽しむ事出来ればなって。」 A「ダンダン、仕方ないわよ。だってね、あの映画、証言という形をとって、そこに回想が入ってくるじゃない。あの作りは、今の若い人たちは飽きちゃうんじゃないかしらん。スペクタクルでもないし、凄い!って思う事も無いんじゃない?あれは。」 D「まあ、確かにね。淡々と証言と回想の繰り返しだもんな。」 A「そうよ、だから仕方ないのよ。でもさ、アッシは本当に好きだったのよね、あの映画。最初はね、映画を見る前に文庫を買って読んでおこうと思ったのよ。けどさ、文庫本で700ページくらいあるのよね、<理由>って。」 D「そりゃそうだよって。元々上下二巻だったんだから。」 A「そうよね。で、見る前は諦めちゃったのよ。まあ、映画を先に見ましょって。でもさ、映画先に見て良かったわよ。後から小説も読めるなって自信付いたもんね。」 D「あれは、そうだね。映画見てからの方が楽になれるかもね。」 M「でさあ、話の中に割り込んじゃうけど、どうしてああいう映画が面白く感じられるのかな?何か地味じゃない?」 A「まあ、地味よ、地味。でもね、とっても最初はTV用に作られた感じがしないじゃない。」 D「元はWOWOWで放送したものを映画用に編集し直したんだったよな。こうなるとWOWOWで放送したやつも見たくなっちゃうよね。」 A「そうね。アッシも見たくなっちゃたもの。誰か撮ってないかしら。」 D「誰かいたら、俺にも見せてくれるように言ってほしいよ。」 M「僕ね、飽きちゃったんですけど、ちょっと気になった所があったんですよ。」 A「どんな所?」 M「あのぉ〜、女優の顔なんですけどね。」 D「女優の顔?」 A「もしかして、マモちゃんの言いたい事って、女優さんのメークが変だな、って事かしら?」 M「そうなんですよ。良く分かりましたね。」 A「だってね、それは、この映画のひとつの<ウリ>だったからね。」 D「ウリって、何が?」 A「まあ、大袈裟な事じゃないんだけど、この映画に出てくる女優さんて、みんなノーメイクなのよね。」 D「だからだ、俺さ、古手川祐子の顔、何であんなに汚いんだろうって思ってたんだよね。それでか!」 A「そうよ。ちょっと見られなかったわよね。暫く誰だか分からなかったもん。それに比べたら、南田洋子や、風見章子、それに東郷晴子は綺麗だったわよね、歳を考えるとさ。」 M「どんな役演ってた人です?その人達って。」 A「南田洋子は、ほら、逃げまわっていた容疑者(勝野洋)の母親で、風見章子は、殺人があった隣の部屋の住人。それに、東郷晴子は、オモチャ屋の老婦人ね。」 D「確かにあの人達は歳を考えると綺麗だったかもね。」 A「そうでしょ。結構な歳だからね、三人とも。」 M「それに比べたら男優のほうはいいですよ。ほとんど変わらないもんね。」 A「まあ、時代劇や舞台でもない限り、そんなに濃くは塗らないからね。でもね、容疑者役の勝野洋だけは、眉を入れてたわね。ちょっと濃かったもの。」 M「そんな所、良くみてますね。」 A「アッシね、勝野洋って、昔ファンだったのよ。なんか、男くさくてさ。」 D「それって、<太陽にほえろ!>の時だよね、きっと。」 A「そうそう。良く使わせてもらいました。はははは・・・。」 M「アキさん、ああいった人がタイプだったんだ。」 A「ああいった人もタイプなのよ。」 D「それにしても、随分出てたよね、役者が。」 M「すごい数ですよ、数えたらきっと。」 A「確か107人だったかな。」 D「そんなにいたんだ。まあ、そうだよね、100人は超えてるな、って思ってたけどね。」 M「僕なんか、30人くらいかな?って思ってたけど。すごい人数だよね。」 A「まあ、それがある程度知られている人ばかりだからね。良く集めたわよ。」 D「やっぱり最初はTV用だったからかな?」 A「そうかも。そうじゃなくっちゃ、映画だと期間も拘束されちゃうしね。集めるのが難しいと思うわよ。ところでさ、ダンダンはどんなシーンが印象に残ってるの?」 D「そうだなぁ〜、やっぱり最後近く、容疑者が片倉ハウスで朝飯喰ってるシーンかな?」 M「へ〜。何で?その理由は?」 A「あんた、まさか、あのシーン見て、やっぱりお袋の味が恋しくなっちゃったんじゃないの?」 M「え〜!!!今さら?」 D「う〜む。」 A「で、その理由は?」 D「う〜む、やっぱり味噌汁かな?うん、やっぱり味噌汁だよ。」 A「勝野洋が味噌汁美味しそうに飲んでたもんね。」 M「ねえねえ、ダンダン、そろそろ帰らなきゃ。」 D「あっ、そうだね。そろそろ。」 A「もう帰る?なんでぇ、その理由は?」 M&D「終電が無くなっちゃうから。」 A「あら、そうそんな時間なんだ。はははは・・・。そうよね、来たの遅かったもんね。」 D「て、いう事で。お勘定お願いします。」 A「あいよっ!それじゃ、マモちゃんが1300円で。ダンダンも1300円ね。」 D「それじゃ、一緒で。」 A「はい、3000円お預かりします。400円のお返しですね。有難うございました。」 M「それじゃ、アキさんまたね。おやすみなさ〜い。」 D「おやすみぃ〜!」 A「寒いから気を付けてよ。ありがとうね。お休みぃ〜!」 おわり *登場人物は全て仮名です。 *今回紹介した映画<理由>は、新宿武蔵野館で上映中です。どうぞ足をお運び下さい。 |