<やっぱり銭湯>の巻

よしよし(以下Y)「あ〜、今日でゴールデンウィークも終りだよねぇ〜。」

ヒー君(以下H)「よしよしなんかいいよ。俺なんかゴールデンウィーク全く関係なかったもんね。 暦通り働いていましたよ。」

あき(以下A)「あら、そうだったんだ。じゃあ、飛び飛び連休?っていうのかしらん。」

H「まあ、そうだよね。飛び飛び。何時もと変わりなく働いていましたよ。よしよしは何処かへ行ったりしなかったの?」

Y「まあ、近場には行きましたけどね。」

A「どんな所?」

Y「ほとんどがスーパー銭湯ですかね。」

H「え〜〜〜!スーパー銭湯?まあ、一石二鳥っていうやつを狙ってた訳だ。」

Y「そんなんじゃないんですけど、大きな風呂っていいじゃないですか。普段はシャワーばっかりだからさぁ。」

A「気持ちいいもんね。アッシなんかは毎日湯船に漬からないと駄目なタイプだからね。 銭湯は本当に好きなんだけど、行っちゃうと長湯になっちゃって仕事どころじゃなくなっちゃうからね。 たまには銭湯もって思っているんだけど。」

H「まあ、確かに銭湯は広いし、何て言うか、気分も開放されるっていうの?温泉じゃ、ちょっと疲れちゃうしね。」

Y「そうですよね。だからスーパー銭湯くらいが一番いいんじゃないですかね。」

A「そうね。一日ゆっくりするのもいいかもね。旅行じゃないからそんなに疲れないし。」

H「そうだよ。ところで、アキちゃんは、す〜っとお店開けてたんだよね。」

A「そうよ。もう約2週間。疲れもピークだわよ。」

Y「じゃあ、芝居や映画は観に行ったりしてないんですか?」

A「一本だけね、ゴールデンウィーク中は。」

H「何行ったのよ?」

A「t p t でやった<A Number>っていう芝居にね。」

H「ああ、このチラシのやつね。キャリル・チャーチル?誰だぁ〜、この作家。」

Y「キャリル・チャーチルですか。」

A「あら、よしよし知っているの?」

Y「ええ、知ってますよ。<クラウド・ナイン>書いた人ですよね。」

A「そうそう。良く知っていたわね。」

H「そう言えば思い出したよ。クラウドナインっていう店、何処かになかったっけ?」

A「あったわよ、数年前までね。アッシ、その名前見て、ここのマスターは演劇が好きなんじゃないかと直ぐに思ったわね。 でも、よしよしはどうして知ってたのよ、キャリル・チャーチル。」

Y「そのさっき言ってたクラウドナインっていう店に行った事があるんですよ。で、その時に、何処かの店で、 さっきアキさんが言ってた芝居のタイトルと同じって聞いて本を探して読んだ事があるんですよね。」

H「へ〜、結構勉強家なんだねぇ〜、よしよし。」

Y「まあ、本を読むのは好きですからね。」

A「あの芝居はセックスや人種などなど、当時としては壁のあるテーマを真っ向から捉えた素晴らしい作品だったわよね。」

H「あの時代って何時頃の事?」

A「え〜とね、記憶が間違っていなければ、1980年ころだったと思うけど。」

H「そう。で、それから25年経ってからの今度の芝居はどうだったのさ。」

A「性格にはロンドンでの初演は2002年だから25年は経ってないんだけどね。まあ、 今度の<ア・ナンバー>っていう芝居はね、クローン人間がテーマなのよ。」

Y「へえ、クローン人間か。面白そうですよね。」

H「で、どういった話なのさ。」

A「登場人物は4人。だけど、実際に出てくるのは2人なのよね。」

H「っていう事は、クローンがその内・・・。」

A「そう、その中でクローンが3人。」

H「で。」

A「30年前に交通事故で妻と息子を亡くした主人公がとある病院に息子のクローンを誕生させてほしいと願って実現するんだけど、 そのクローンの息子が、父親を訪れることから奇妙な事実が次々と現れてくるっていう話かな。」

Y「たとえば、クローンが一人じゃなくて沢山いるとか、ですかね。」

A「そうそう。凄いね、よしよし。そうなのよ。初めに父親の前に現れたクローンの息子が、 どうやら自分と同じ容姿をした男が数いるらしい事を告げるのね。で、次々に違うけど同じ息子が父親の前にあらわれてっていう、 そうね、近未来にありそうな出来事から、本来の人間があるべき姿を映し出していくっていうのかしらん。 50分くらいの芝居だったけど、結構考えさせられる物があったわね。」

Y「50分しかないんですか?」

H「50分だったら飽きなく観てられそうな気がするな。」

Y「まだやっているのかな?」

A「まだまだよ。あと一週間くらいは上演していると思うけど。」

Y「それだったら行けるかもしれないな。」

H「その他にお勧めの芝居かなんかある?俺、何しろゴールデンウィーク飛び飛びだったしさ。 なんか中途半端な感じが残ってるんだよね。ちょっと仕事も一息ついたし、ここらで何か観たくなってきたよ。」

A「そうね、それだったら思い切り笑える<まちがいの狂言>なんかどうかしら?」

Y「<まちがいの喜劇>じゃないんですか?それを言うなら。」

A「いいのよ、<まちがいの狂言>で。」

H「それはどんなのさ?」

A「今、よしよしが言った<まちがいの喜劇>ね。ほら、シェークスピアで有名な。あのストーリーをそのままにして、 時代設定を日本の室町時代に置き換えて、狂言っぽく進んでいくとっても面白い作品よ。アッシは今回は観る予定はないんだけど、 3〜4年前に観てとても面白かったからお勧めできるわね。」

Y「他には?」

A「そうね、大竹しのぶの<メディア>、麻美れいの<箱根強羅ホテル>、 勘三郎の襲名披露なんかはもうチケット取るの難しいから当日並ぶしかないだろうし。ここのところ、教科書問題や、 小泉首相の靖国神社の参拝問題で少し嫌なムードになっちゃってる韓国との関係を見直す意味で、<その河をこえて、5月> とか、寺山修司の生誕70年を記念して公演される<奴婢訓>とかも面白いかもね。」

H「そうだな。何て言うのかな、もうちょっと硬いっていうか、新劇っぽいっていうのはないかな?」

A「そうね。それだったら、tptの次回公演、<桜の園>はどうかしら?」

Y「チェーホフの?」

A「そうそう。」

H「いいかもしれないな。チェーホフか。もう何年も観てないな。」

Y「僕も最近全く観ていないんで、スーパー銭湯だけじゃなくてお芝居や映画に行かなきゃな。」

H「そうだよ、ねえ、そうだ、そうだ。スーパー銭湯っていう手もあったんだよね。やっぱりそれにするかぁ〜。」

A「え〜〜〜!あんた、今までアッシが教えたのは何だったのよぉ〜。うんもう〜!」

一同「はははは・・・・・。」

おわり


*登場人物は全て仮名です。
*今回紹介したお芝居は、
1) A Number   5/13まで
        ベニサンピット
2)まちがいの狂言  5/22まで
        世田谷パブリックシアター
3)メディア   5/28まで
        シアターコクーン
4)箱根強羅ホテル 5/19〜6/8
        新国立劇場 中劇場
5)十八代目中村勘三郎襲名披露五月大歌舞伎
        5/27まで     歌舞伎座
6)その河をこえて、五月   5/13〜29
        新国立劇場 小劇場
7)奴婢訓    5/12〜18
        THEATRE 1010 (北千住)
8)桜の園     5/21〜6/8
        ベニサンピット 
以上です。どうぞ足をお運び下さい。


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