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<ワクワクしちゃうぅ〜!>の巻
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あき(以下A)「いらっしゃ〜い!」 きん太(以下K)「こんばんは。今日は肌寒いよね。 毎日気温の変化が大きくて体調壊しちゃいそうだよぉ〜。」 A「そうね。でもさ、きん太なんかまだまだ若いんだからいいわよ。 アッシなんか本当に参っちゃってるわ。この夏越せるかしらん。」 サッチー(以下S)「本当ね。僕なんかもさすがに辛いわよね、この気候じゃ。」 A「なんか、スカッとしたいわよね。で、きん太は何にしようか?」 K「あっといけねえ。え〜と、オイラは、っと・・・。今月のお勧めドリンクのぉ〜・・・。」 A「ハバナクラブの7年ね。分かったわ。で、どうしよう?ロック? ソーダ?それともコークで?」 K「どれがお勧めなのかな?」 A「みんな美味しいわよ。まあ、 ちょっとさっぱりしたいならタンサン系がいいんじゃないの?」 K「じゃあ、ソーダで。」 A「あいよっ!」 S「あらあら、弱いのねぇ〜。ラムだったらロックにライムをたらして・・・。」 A「いいのよ、サッチー。その時の気分もあるんだから。」 S「まあ、そうねぇ〜。僕はロックにライム絞ってちょうだい。」 A「あいよっ!・・・はい、二人ともにお待たせでした。」 K「へ〜、ロックだと丸い氷なんだ。こっちのソーダ割りのグラスも涼しげでいいよね。」 A「有難うございます、お客様。ははは・・・。」 S「ところでさ、きん太ちゃん、何よ、そのパンフレット?」 K「ああ、今これ観て来たんですよ。」 A「あら、<プロデューサーズ>ね。」 S「どうだった?面白かった?ねえ、僕も行きたいんだけどさ、 アキちゃん切符取れるかしらねぇ〜?」 A「大丈夫じゃないの?あんまり売れてないって言ってたからね。 どうだった?きん太。席空いてたんじゃない?」 K「そうだね。オイラは当日席だったんで2階だったんだけど、結構空いてたよ。 一階は分かんないけど。」 A「やっぱしね。アッシは初日に行ったんだけど、ブロードウェイの来日公演だっていうのに、 リピーター割引が有るって宣伝してたからね。売れてないんだな、って。」 S「あら、それじゃあ大丈夫よねぇ〜。で、どうだったのよ、面白かったのぉ〜?」 K「ええ、そりゃあもう面白かったですって。字幕が有るんだけどさ、 それ見てると舞台が観られなくなるから字幕は見ないで観ていたんだけど、 言葉がそんなに分からなくても凄く笑えたよ。」 S「アキちゃんは?」 A「そうね、まあ良かったと思うわよ。今回の来日公演はレベルは低い方じゃないと思うわね。 まあ、色々と言いたい事はあるけどね。」 K「でもさ、役者さん達も良かったよ、本当に。ねえ、アキちゃんもそう思ったでしょ。」 A「そうね。だってさ、主役のマックスを演ったボブ・アマラルは、 オリジナルキャストのネイサン・レインの後を引き継いでこの役を演った人だし、 スウェーデン出身のウーラ役を演ったアイラ・リー・カーティスは、 ネイサン・レインとマシュー・ブローデリックが出演していた時にもこの役を演じた事があるっていうし、 ゲイの演出家、ロジャーの助手であり、恋人でもあるカルメンを演った リッチ・アファナートなんかアッシがブロードウェイで観ただけでも、 <レ・ミゼラブル>のマリウスやオフでの<フォー・ビッドン・ブロードウェイ> に出ていたくらい活躍しているし、現に、アッシが観た初日の中では、この人、本当に光ってたしね。」 K「レオを演ったアンディー・テイラーも良かったよね。」 A「アッシはね、この人だけがイマイチだったのよ。」 K「え〜?そうかな。オイラはとっても良かったけどな。」 A「まあ、オリジナルのマシュー・ブローデリックを観ているからかもしれないんだけど、 頼りなさに欠けるのよね。なんかしっかりしている人間に見えちゃったのね、アッシには。」 S「あんまり有名じゃない人なのかしら?そのアンディー・・・何とかっていう人は。」 A「そんな事はないみたいね。来月来日公演が決まった<タイタニック> のオリジナルキャストだったみたいだし、キャロル・バーネットとも共演しているみたいだし、 オフでの出演は多いみたいだしね。でもさ、あの役って、 前半と後半では大分内面的に変わっていくわけだからね。 最初からしっかりしている様に見えちゃねぇ〜。」 S「アキちゃんとしては、その辺りがイマイチだったわけだわね。」 A「まあそうね。あとはやっぱり脚本がちゃんと出来ているし、 取り立ててこれと言った曲もないんだけど、頭の中に残る曲は結構あるし。それに、 幸せな気分にしてくれるっていうのが一番素敵な事なんじゃないかしらん。」 S「幸せなきぶんねぇ〜。」 K「そうだよね。終わってさ、何か幸せな気分になっちゃったもんね。」 S「きん太ちゃんはどんなシーンが印象に残ってるの?」 K「そうだなぁ〜、・・・沢山あるんだけど、・・一番に挙げたいのは最後の場面かな。」 A「あれいいでしょ。マックスとレオがプロデュースした数々の作品の看板タイトルが浮かんでいるその向こう側に肩組んで歩いていくシーンね。」 K「あれいいよね。じ〜んときちゃうよ。」 A「きん太さ、よく覚えてる?あのシーン。あそこに出ていた看板ね、 あれブロードウェイでかかった芝居やミュージカルのタイトルをパロッているのよ。」 K「え〜!そうだったんだ。どんなのがあったっけ?」 A「ほら、<KATS>は<CATS>、<FUNNY BOY 2>は<FUNNY GIRL>、 <DEATH OF A SALESMAN ON ICE!>は<DEATH OF A SALESMAN>、<47TH STREET>は <42ND STREET>のね。」 S「洒落てるじゃない。」 A「そうなのよ。お洒落でしょ。凄く好きなのよね、そういう所が。」 K「そうそう、あのお婆あさん達が踊る場面。あれ凄いよね。」 A「あれね。歩行補助器みたいな物で踊るシーンね。何か変に迫力を感じたわよね。」 K「でもさ、ヒットラーがゲイだったっていう発想。よくあんな脚本作れたなって。」 A「そうよね。扱き下ろしもいい所。」 S「それって別にゲイを笑っているって言う事じゃないわよねぇ〜。」 A「違うわよ、多分。だって、メル・ブルックスって何でもコメディーにしてしまう人だからね。 それに、愛情を感じるもの、それぞれのキャラクターにね。」 S「なるほどね。愛情を感じるなんて素敵だわねぇ〜。」 K「本当に好きなんだな、って。正にマルチな人だよね、メル・ブルックスは。」 A「そうね、脚本に作詞、作曲、このミュージカルは演出がスーザン・ストローマンだけど、 映画の監督でも有名だしね。現に今ネイサン・レインとマシュー・ブローデりックの オリジナルコンビでこの<プロデューサーズ>を撮っているらしいしね。」 S「凄いわねぇ〜、本当に。話は変わるけどさ、ミュージカルがこれから始まるわよって時の オーヴァーチユア。これってワクワクするわよねぇ〜。僕はあれが一番好きなのよ。 きん太ちゃんはワクワクしない?」 K「確かにね。これから始まるよ、っていう、心の準備はいいかって、ね。 ワクワクするよね。」 電話のベルが鳴る A「はい、ペンギンです。・・・あっそうなの?分かったわ。大丈夫よ、今二人だから、 まだ二人だったら十分座れます。・・・は〜い、お待ちしてますね。」 K「誰か来るの?」 A「うん、トンちゃんが可愛い子連れて来るって。」 S「あら、どんな子かしらん。ワクワクしちゃうわねぇ〜。」 A「ホント、ワクワクしちゃ〜う!」 一同 「ははは・・・・・。」 おわり *登場人物は全て仮名です。 *今回紹介したお芝居は、 1)来日公演<プロデューサーズ> 7/24まで、新宿厚生年金会館で上演中以上です。どうぞ足をお運び下さい。また、8月には、青山劇場にて、 国内キャスト版が上演されます。こちらもお見逃しなく。 |