<意外や意外>の巻

カー君(以下K)「そろそろアカデミー賞の季節ですね。毎年やってますよね、アキさんのところは。」

あき(以下A)「あ〜、アカデミー賞予想クイズね。今年もやるわよ、って言うか、やってますよ、ウェブの方でね。」

順ちゃん(以下J)「あら、やってるのぉ〜、今年も。じゃあ、早速開いて応募しなきゃねぇ。」

K「今年はどんなジャンルを当てれば良いんですか?」

A「今年はね、作品、監督、主演の男女、それに、日本から<ハウルの動く城> がノミネートされた長編アニメの5部門を当ててもらうのよね。」

J「あら、5部門も当てるのかしらぁ〜?当たる人っているのかしらねぇ〜。」

A「まだ全問正解は一人もいないのよね。何処かで外れちゃうのよ。」

J「まあ、そうでしょうねぇ〜。アカデミーの会員って結構天邪鬼の人が多いみたいだしねぇ。」

K「そうですか。それじゃあ、難しいですね。それに、日本で上映していない作品も沢山ありますし。 見ないと分からないじゃないですか。」

J「あら、見たって分からないでしょ、カー君じゃ。ははは・・・、冗談よ。」

K「いえ、分からないかも知れませんね。人それぞれ感じ方も違いますし。」

A「そうね。結構難しいと思うのよ。でもさ、これはお遊びだからね。 まあ、気楽に選んでほしいのよね、アッシとしては。」

J「でもさあ、例えば作品賞で今見る事が出来るのって何かあるのかしら?」

A「今はね、結構あるわよ。スピルバーグの<ミュンヘン>でしょ、ポール・ハギスの<クラッシュ>、 それに発表直前だけど話題の<ブロークバック・マウンテン>ね。ジョージ・クルーニーの <グッドナイト・グッドラック>は5月だし、ベネット・ミラーの<カポーティ>なんかは秋だもんね。 この二つは見る事が出来ないけどさ。」

J「それじゃあ三つだけなのね、見る事出来るの。」

A「そういう事になるわね。宜しくよ。みんなが応募してくれないと盛り上がらないんだからさ。 所で、最近何か見たの?映画。」

J「僕はねぇ、この前ようやっと<有頂天ホテル>を見てきたわよ。」

A「三谷幸喜のね。」

K「俺もみました。でも、イマイチでしたね。」

A「やっぱりぃ〜?」

J「あら、アキちゃんも、カー君もそうなんだ。僕もさ、あれだけ評判が良かったじゃない、 だから期待し過ぎちゃったのかもしれないけど、やっぱりイマイチだったわよねえ。」

K「在りえませんでしたよね、色々考えてみると。」

J「そうよねえ〜え。設定に無理があったわよねえ〜。」

A「アッシはね、設定は話を作っていく為には多少無理があっても良いと思うんだけど・・・。」

K「そうですね。でも、在りえませんよね、あのギター背負ったまま仕事している客室係とか、 途中で仕事ほったらかして他人になりすましちゃう客室係とか、ロビーに入り浸っちゃうコールガールとか、 客室まで入っちゃうベルボーイとかね。」

A「それに、何時まで経っても探せないアヒルとか、ははは・・・、ね。まあ、 イギリスの専門誌で<ザ・ベスト・ホテル・オブ・ジ・イヤー> に選ばれた事もある一流ホテルでは考えられない事が次から次へとね。」

J「だけどさ、あるんでしょうね、自殺願望の人とかが泊まる事って。」

A「そりゃ有るでしょ。実際有名人が結構ホテルで自殺してるしね。」

K「それに隠れ家としてホテルを使う容疑者とか。」

J「いたわねえ、そんな人。」

A「アッシさ、あれを舞台にしたら面白いとおもったんだけどね、映画より。 舞台だったら在りえない事でも、そんなに気にならないで観る事ができると思うのよね。 まあとっても大変だとは思うけど。」

K「いいかも知れませんね、その考えは。舞台かぁ〜。俺もそう思いますね。いいですね、舞台化。」

J「あら〜、そう言われてみると面白いかもねぇ。それはそれで良いけどねえ、あの映画で良かったわねえ。 西田敏行。もうハチヤメチャでさあ。」

A「面白かったわよ。一人一人は流石に良かったわよね。アッシは、なんと言っても原田美枝子ね。」

K「俺は〜、佐藤浩市ですね、やっぱり。格好いいですよね、彼。それにYOU。彼女って不思議な魅力がありますよね。 最後の歌も良かったですし。」

A「<If my friends could see me now>って曲ね。」

K「アキさん、知ってらっしゃるんですね、その曲。」

A「あれはね、ミュージカル<スウィート・チャリティー>で歌われる曲なのよ。 アッシには映画のシャーリー・マックレーンが凄く印象に残っているんだけどさ。」

J「ま〜〜っ!懐かしい〜わぁ〜。シャーリー・マックレーン。可愛かったわねえ。良かったわねえ。 そう言えば歌ってたわねえ、<今の私を見せたいわ>って。ま〜〜〜〜!懐かしい。どうしてるのかしら、今。」

A「そうね、あんまり聞かないわよね、最近。でも、執筆活動やら、ちょこっと映画に出てるやらしているんじゃないの。」

K「へ〜、そんなに有名な方の歌だったんですね。」

J「あ〜ら、ご存知ないのぉ〜?もうちょっと勉強してらしてね。」

A「また嫌味言って。知ってる訳ないじゃないよ、カー君はまだ若いんだから。」

J「まあ、それもそうだわねえ。じゃあ、カー君さ、そのポスターの人は知ってるかしら?」

K「え〜っと、真琴つばさ、ですか?宝塚っぽい名前ですよね。」

J「何、寝事言っとっとぉ〜!笠置シヅ子よ、笠置シヅ子。」

A「まったくぅ〜、順ちゃんたら。ポスターの人って言ったら真琴つばさだって思うじゃないよぉ。 本当に意地悪ね。っははは・・・・。」

J「あら、御面あそばせ。ははぁ〜。まあ、知らないわよね、笠置シヅ子。これ観たかったのよ。 アキちゃん行ったの?これ。」

A「うん、行ったわよ。昔、三越劇場で順みつきが演ったのを観たんだけど、今回は知り合いが出てたからね。 それに、もう十数年経ってるし、初めて観てから。」

J「で、どうだったの?」

A「それがさ、あんまり期待して行ったわけじゃないからかもしれないけど、意外や意外、結構良かったのよね。」

K「あのぉ〜、笠置シヅ子って人はどんな方なんですか?タイトルが<わが歌ブギウギ>ってなってますから、 きっと歌う方なんだろうな、ってな事は創造できるんですがぁ。」

A「そうね、もう亡くなってから20年は経っているかしらね。アッシも生の歌声は聞いた事なかったのよ。 女優として、それからTVでやってた<家族そろって歌合戦>の審査員としての姿しか知らないのよね。 実際に順ちゃんは知ってるのよね、歌ってたの。」

J「勿論でございますわよ。ラジオですけどね当時は。<東京ブギウギ>、<買い物ブギ>、<ジャングルブギ>、 ねえ、色々あったわねえ。映画にも出ていたしね。」

K「あ〜、なんか<ウヲーウ・ワオワオ〜・・・>みたいな歌ですよね、確か。あの方だったんだぁ〜。 観てみたかったなぁ〜、それだったら。」

A「凄いインパクトよね、歌が。」

J「で、どう良かったのよぉ〜ん。」

A「まずね、何と言っても脚本がしっかりしてたわよ。それに役者陣が結構良くてね。」

J「真琴つばさも良かったのね?」

A「それがさ、アッシ、最初のシーンが<ジャングルブギ>なんだけど、聞いてて、えっ???って思っちゃったのよね。」

K「それはどうしてですか?」

A「あんまり上手くなかったのよ。だから不安になっちゃってさ。でも、芝居になるといいのよね、 これが。彼女だけじゃなくて、芝居はみんな良かったわよ。笠置シヅ子が在籍していたOSKの今のトップ、 まあ、劇中でもOSKのトップを演じた桜花昇も、笠置の恋人で吉本興業の御曹司を演じた杉浦太陽も。 それに、ピッタリだったのが中尾ミエの娼婦の元締。流石は演技にも定評のある歌手だなって思ったわね。 それに、意外や意外、元モー娘の中澤裕子が拾い物。これからの女優活動が楽しみよ。」

J「あ〜ん、もうぅ。益々観たくなっちゃったわねえ。もうやってないんでしょ。」

A「残念ながら。でも、アッシも再演してもらいたいわね、この舞台だったら。今回はアートスフィアだったんだけど、 これだったらもう少し大きめの舞台でも出来ると思うのよね。」

J「もし決まったら教えてちょうだいね。やっぱり舞台よね。いいわねえ〜、舞台。僕も何か観たくなってきたわねえ。 カー君何か推薦してちょうだいよぉ〜。」

K「えっ???俺がですか?そうですね、・・・・そうだ、良かった舞台ありましたよ。」

A「最近なの?何観たのよ、カー君。」

K「ほら、アキさんが良く観てらっしゃる桟敷童子ですよ。」

A「行ったんだ。<泥花>ね。意外や意外だったでしょ。」

K「そうなんですよね。アキさんから聞いていた話だと、九州地方の民話や寓話に題材をとっているみたいだったんで、 今回の現実にあったみたいな話は意外でしたね。でもとても分かり易くて、自分では楽しめました。」

J「結構意外な事ってありますのね。それがまた楽しみですもんね。」

A「そうよ、順ちゃん。今年のアカデミー賞も意外や意外かもよ。」

J「やぁ〜、本当ねぇ。ちょっと予想しましょうよぉ〜。ビールお代わりちょうだい。ねえ、カー君にも何かあげて。」

K「えっ!いいんですか。」

A「いいのよ、頂いときなさいいよ。取って食う訳じゃないんだからね、順ちゃん。」

J「当り前でしょ!なに馬鹿な事言ってるとよぉ!ははは・・・・。」

全員「はははは・・・・。」

おわり


*登場人物は全て仮名です。
*今回紹介した映画、芝居は、
1)<ハウルの動く城>  上映終了
2)<ミュンヘン> 上映中
3)<クラッシュ> 上映中
4)<ブロークバック・マウンテン>
     3/4より渋谷シネマライズにて上映予定
5)<グッドナイト&グッドラック>5月上映予定
6)<カポーティ> 今秋上映予定
7)<有頂天ホテル> 上映中
8)<わが歌ブギウギ>  公演終了
9)<泥花>  公演終了(次回公演11月)
以上です。みなさん足をお運び下さいね。また、 <第78回アカデミー賞>予想クイズにも投票して下さい。 トップページから投票フォームに行けますので宜しくお願いします。 みなさんの投票をお待ちしております。

2006.2.19


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