<今年も外れた!>の巻

夢生(ゆめお:以下Y)「こんばんは。」

あき(以下A)「あら、夢生ちゃん、いらっしゃい。まだまだ寒いわね。はい、おしぼり。」

Y「有難うございま〜す。アキさん、見ました?アカデミー賞。外れちゃいましたよ、今年も。」

A「あ〜、うちのアカデミー賞予想クイズね。」

エリー(以下E)「今さ、その話してた所なんだよね。今年も誰も当たらなかったって、ね、あきちゃん。」

A「そうなのよね。今年も当たらなかったのよ。アッシもさ、今年は結構簡単だって思ったんだけどね。 ・・・で、夢生は今日は何にしようか?」

Y「今、悩んじゃったんですよね。ほら、今月のお勧めドリンク。初めて聞くカクテルだなって。」

A「今月の<スプリング・バード>はね、ジンをベースにして桜リキュールを使った甘いけど、 強いドリンクよ。飲んでみる?」

Y「そうですね。じゃあ、挑戦してみようかな?それ、<スプリング・バード>っていうやつお願いします。」

A「あいよっ!」

E「夢生はさ、アカデミー賞見たのかい?」

Y「もう、丁度仕事が休みだったんで、朝からす〜っと見てましたよ。アキさんは?」

A「はい、お待たせ。」

Y「へ〜!すごく綺麗なピンクですね。」

A「ちゃんと見てよぉ〜。ね、グラスの中。」

E「え!何か入っているの?」

Y「これって桜の花ですか?もしかして。」

A「綺麗でしょ。このドリンクを頼んだ人には、コースターもこれでね。」

Y「あらら。これまで桜ですか。すごい凝りようですね。・・・う〜む、キツイけど美味しいです。」

E「どんな味なんだろうね。」

Y「エリーさん、良かったらちょっと飲んでみます?」

E「いいの?じゃあ、ちょっとね。・・・ふ〜ん、こんな味なんだ。結構イケルよ、これ。」

Y「ね、結構イケますよね。で、アキさん、アカデミー賞、見ました?」

A「あっ、そうだったわね、アカデミー賞の話ね。勿論見たわよ。ほら、 結果をいち早く書かなきゃいけないじゃない、BBSにね。」

E「俺はさWOWOW契約してないからな。他の局でやらないのかな?アカデミー賞。」

A「え〜とね、NHKのBSで放送するわよ、確か。」

E「で、今年はどうだった?結果は新聞で見たから分かっているんだけどさ。何て言うか、 その独特の雰囲気があるんでしょ、アカデミー賞にはね。」

Y「そうですよね。ロス・アンジェルスのコダックシアターの前は赤絨毯が敷かれていてね。 ゴウジャス!ってな感じですよ。」

A「そうね。だけどさ、今年はテロの危険性が結構高かったらしくて、いつものノリが今ひとつだったわね。」

Y「それでなんですね。オイラもちょっと違うな、って思ったんですよね。」

A「例年に比べると、周辺地域での警備が厳しかったみたいね。でも、始まってみたら、 やっぱりショーとしてはとても素敵だったし。でも、やっぱりちょっと小粒だったかもね、何時もに比べたら。」

E「俺は見てないから分からないんだけど、ノミネートを見る限りじゃさ、大作っていうもんが無かったよね、 今年はさ。それも大きく影響しているんじゃないの?」

A「それもあったけど、アッシはさ、司会が結構地味だった、ていうのも理由のひとつに挙げられると思うけどな。」

Y「そうでしたね、あの司会者。何て言う人でしたっけ?」

A「あのね、あの人の名前は、確か・・・。無理だわ。思い出せない。顔まで忘れちゃってるわよ。」

Y「やっぱりね。オイラにも思い出せませんね。アキさんのいう通り、あの司会者、面白くもなんともなくて、 何時もがビリー・クリスタルだったりウーピー・ゴールドバーグだったりするから余計面白みに欠けちゃって見えたのかもしれませんね。」

A「そうね。それはあるわよ。それとエリーが言ったように、所謂、大作が無かったものね。」

Y「あれだけ前評判が高かった<ブロークバック・マウンテン>も、監督賞は獲ったけど、 三部門だけに終わっちゃったしな〜。」

E「やっぱりゲイ物はアカデミーの会員に避けられた、ってな事なんだろうな、きっと。」

A「ちょっとみんなで見てみましょうよ、アカデミー賞の結果をさ、もう一度。」

E「じゃあ、これ見てね。」

A「あら、7日の新聞ね。しっかり持って来て。流石、エリー。」

Y「それじゃ、ペンギンのクイズには無かった助演賞からいきませんか?」

A「いいわね。で、助演賞は、え〜と、女がレイチェル・ワイズで、男がジョージ・クルーニーね。」

Y「ジョージ・クルーニーの<シリアナ>は見ましたけど、オイラはどっちかというと、 ノミネートもされてんなかったんだけど、そこに出ていたマット・デイモンも方が良かったです。」

A「あら、アッシのマットが出てるのね。行かなきゃだわ〜。」

E「出た出た、アキちゃんのマット様コール。ははは・・・。」

A「まあ、まあ。アッシはね、助演男優賞は、同じマットでも、マット・ディロンに上げたかったわね。」

Y「<クラッシュ>のですね。彼もいい演技してましたよ。」

E「夢生さ、お前、本当に映画好きだねぇ〜。たくさん見てるよな。ところで、その<シリアナ>って映画は、 どんな映画なんだい?」

Y「石油業界の謀略とCIAが絡んで進む話で、クルーニーはCIAの諜報部員を演じたんですよ。あんまり出番がなかったんで、 ノミネートと聞いた時も、ちょっとと思ってたんですけど、ゴールデングローブ賞獲ったですからね。」

A「そうだったわね。雑誌の<ぴあ>なんかでは、クルーニーが裏本命みたいな書き方してたしね。」

E「で、女優の方のこの子。レイチェル・ワイズって知ってる?」

Y「いや〜、名前だけだと・・・。」

A「あの子よ、ほら、あの〜〜、ほら、あれ、<ハムナプトラ>に出てたあの子。アッシもね、 ゴールデングローブ賞を見るまでは、あの子だと思わなくて。全く違う役でしょ、<ハムナプトラ>とは。」

Y「で、どんな映画なんですか?」

A「勿論、アッシも見ていないんだけどね。ゴールデングローブ賞の時にちょっとだけやったんだけど、 それからすると、こっちは製薬業界の陰謀話みたいね。タイトルは、<ナイロビの蜂>だわね。」

E「へ〜、結構シリアスっぽいなぁ〜。」

A「アッシ、この助演はね、<ブロークバック・マウンテン>に出てたミシェル・ウィリアムズに上げたかったのよ。」

E「もう見たの?」

A「アカデミー発表の日に見に行ったんだけど、良かったのよね。でも獲れなかったし、 前評判もレイチェル・ワイズだったから、レイチェルの演技がどんなに良いか楽しみね。」

Y「それじゃ、次に、もう悔しくてたまらなかった長編アニメいきましょうよ。」

A「前評判通りに<ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!>が獲ったけど、夢生が悔しいっていったのは、 あれよね、アンタ確か<コープスブライド>に入れてたもんね。」

Y「そうなんですよ。すご〜く良かったですからね。」

A「そうよね。アッシも夢生と同じ意見なんだけどさ、この<ウォレスとグルミット>は、本当に凄いらしいわよ。 この前試写会に行ってきたお客様がいてね、もう本当にいいんだって。興奮しちゃった、って言ってたから。」

E「もうすぐ公開するしな。見てみたいよね。それじゃ、主演賞にいこうよ。」

Y「もうこれは三人とも男優の方は、フィリップ・シーモア・ホフマンだと思いましたよね。」

E「俺もそう思うよ。これって勿論まだ公開されてないだろ。でもさ、彼は今まで脇役ばっかりだったしな。 もう主演は無いだろうって事で、彼に主演賞をあげたい気持ちもあったと思うんだよ。」

A「それはあるかもね。トゥルーマン・カポーティになりきってたって大評判だったもんね。 公開が秋っていうのがね。早く見たいのに。」

E「女優の方はどうかな?俺はさ、<トランス・アメリカ>のフェリシティ・ハフマンに獲ってもらいたかったな。」

Y「彼女、今話題沸騰のTVドラマ、<デスパレートな妻たち>に出てて色々賞を獲ってましたよね。 この映画の役もトランセクシャルの役で相当いい、って聞いてましたからね。」

E「でも、結局<ウォーク・ザ・ライン>のリース・ウィザースプーンにさらわれちゃった。」

A「彼女、良かったわよ。吹替えてなかったしね、歌も。アッシの予想は当たったけど、 個人的にはジュディ・デンチの映画を見てから決めたかったけどね。」

E「その映画はっと、え〜と、<ミセス・ヘンダーソン・プレゼンツ>か。何だこれ?」

A「戦争の時にロンドンにある劇場でストリップレビューを上演しようとして奔走する未亡人を描いたものなのよね。」

Y「へ〜、なんか面白そうですね。」

A「でしょ。<トランス・アメリカ>も魅力あるしね。主演賞になると、作品も見たくなっちゃうわよ。」

Y「そうですね。それじゃ、最後に監督賞と作品賞に行きますか。」

E「これが外れちゃったんだよね。監督はアン・リーで当たったんだけどな、作品がね。」

Y「オイラもそうなんですよ。作品は絶対に<ブロークバック・マウンテン>だと思ってましたからね。」

A「今回の投票でね、二人だけだったのよね、<ブロークバック・マウンテン>に作品賞の予想を付けなかったのは。 それだけ皆もここで外れたって感じよ。」

E「やっぱり無理なのかねぇ〜、同性愛物は。」

Y「でも、ノミネートされて、かつ、ほかの賞を総なめなんですから、やっぱり作品自体は素晴らしいって事ですよ、きっと。」

A「まあ、いい作品だったわね。勿論、同性愛を扱っているんだけど、男同士の愛に対する偏見やその純粋さだけじゃなくて、 それが引き起こす回りの人々の哀しみ葛藤なんかもとても良く描いていたと思うのね。拡大ロードショーがまだこれからだから、 あんまり詳しく言えないんだけど、あの薄い、そして大きな活字の本を、 あそこまで大きな物語にした脚色が本当に素晴らしいと思ったわね。」

E「あ〜、早く見た〜い!!!」

Y「本当ですね。でも<クラッシュ>も良かったですよ。 色々な問題が渦巻くロス・アンジェルスを良く描いてたと思いますけどね。ひとつの事故を発端に、犯罪や人種差別などなど、 本当に盛沢山。たった二日間の出来事をまとめ上げたポール・ハギスは、 さすがに去年のアカデミー作品賞の脚本家だなと思いました。」

A「なるほどね。ロス・アンジェルス・タイムズには<アカデミーに革命は起きなかった>みたいな記事が載ってたけどね。 マスコミもビックリ!な結果だったかもね。」

E「ほら、アキちゃんがBBSに書いてたよね、作品賞のプレゼンターのジャック・ニコルソンも驚いてたって。」

A「そうなのよ。見た人は知ってると思うけど、発表した後で、横向いて<わ〜お!>だと思うけどね、 言って、首振ってたもの。」

E「でも、予想って難しいな、やっぱり。今年も外れちゃったけど、来年こそ当ててみせなきゃな。 もう何年も外れっぱなしだし。ははは・・・・。」

Y「オイラも頑張りますよぉ〜。エリーさんと同じく来年当たるように、映画見まくっちゃいますからね。」

A「そうね。毎年誰も当たらないんじゃね。こっちとしてもつまらないし、本当にチェックしてるの? って言われそうだしね。誰かに当ててもらわないと。来年は、もうちょっと当たるように考えとくわよ。」

E「お願いだよ。それじゃ、俺は、その<スプリング・・・>何だっけ?」

A「スプリング・バードよ。」

E「それそれ、一杯みらおうかな。」

Y「それじゃ、強いけど、オイラもお代わり下さい。」

A「あいよっ!」

E「う〜む、これは当たりだな。」

一同 「ははは・・・・・。」

おわり


*登場人物は全て仮名です。
*今回紹介した映画は、
1)公開中の作品
   <クラッシュ><ブロークバック・マウンテン><ウォーク・ザ・ライン><シリアナ>
2)これから公開予定の作品
   <カポーティ><トランスアメリカ><ナイロビの蜂>
3)公開未定の作品
   <ミス・ヘンダーソン・プレゼンツ>
以上です。毎月1日は映画の日。一部の映画館を除いて¥1000で映画を見る事ができます。 みなさん、これからも話題作が続々公開されますんで、是非、映画館にも足をお運び下さいね。

2006.3.12


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