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<楽しくて最高!>の巻
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クーちゃん(以下K)「面白かったぁ〜!」 あき(以下A)「面白かったねぇ。」 K 「もうアキさんもノリノリで。結構踊れるんでプチびっくり!ははは・・・。」 A 「まっ、失礼ねぇ。これでも昔は、<ムゲン><ビブロス><シンデレラ>って踊りまくってたのよ。」 K 「へ〜。アキさんもクラブに行ってたんですね。」 A 「クラブじゃないわよ。ディスコ、ディスコよ。」 K 「ディスコ?なんです?それ。」 A 「あっそうかぁ〜。クーちゃんの歳じゃ知らないのよね、ディスコ。まあ、今で言ったらクラブよね。 でも、あんな体だけ動かしているようなものじゃなくて、ちゃんと踊ってたのよ、振り付けしてね。」 K 「振り付けですか?え〜〜〜っ!!!」 A 「そうよ。ステップ考えてさ。あの頃、<ソウル・トレイン>って番組があってね。 そこで流れる音楽を誰よりも早く頭に入れて、踊りをまねしてね。短いジャケットにバギーパンツはいてさぁ。 あ〜、懐かしいわぁ〜。」 K 「じゃあ、丁度良かったんですね、今日の舞台は。」 A 「そうなのよね。ちょっと早いけど、時期的には。」 K 「って言うと?」 A 「今日の舞台の時代設定は、1960年代でしょ。アッシが踊ってたのは1970年代からだからね。ほんの少し早いのよ。 まあ、舞台観てて分かったと思うけど、1960年代はツイストが主流だったのよね。」 K 「あ〜、最後にみんなで踊ったあれですね。腰を捻るやつ。」 A 「そうそう。でも、アッシ達が踊ってたのは、ステップ・ダンスが主流だったのね。」 K 「へ〜、ステップ・ダンスですかぁ〜。それはそうと、お腹空きません?」 A 「そうね。ちょっと踊ったしね。そうそう、直ぐそこにアッシの友達がやってる店があるから行きましょうよ。」 K 「そうですね。連れて行ってください。」 A 「あそこよ。」 K 「ああ、あそこですかぁ。」 A 「行ったことあるの?」 K 「いや、ないですね。でも、友達が行ってるみたいですけど。」 A 「二階よ。・・・・こんばんはぁ〜。」 栄ちゃん(以下E)「アキさん、いらっしゃ〜い。」 A 「二人なんだけど。」 E 「お好きな所へどうぞ。・・・あれ?今日は・・・、あっ、休みですよね、月曜日だものね。で、 お芝居か何かだったんですか?今日も。」 K 「今日も、って言われたって事は、芝居の帰りに寄る事が多いんですね。」 E 「そうなんですよ。多いですよね、お芝居の帰りが。」 A 「そうね。どうしても芝居観てからだと遅くなっちゃうじゃない。 そうすると栄ちゃんの顔が見たくなっちゃうのよ。」 E 「またまたぁ〜。ありがとうございます。まずはオシボリからどうぞ。お飲み物、お決まりですか?」 A 「まず初めはビールかな。クーちゃんは?」 K 「そうですねぇ、・・・僕もとりあえずはビールで。」 E 「はい、ビールをお二つですね。かしこまりました。」 K 「雰囲気いいですね〜、ここ。」 A 「そうでしょ。栄ちゃんのセンスがいいからね。」 E 「はい、お待たせしました。お料理の方はお決まりですか?」 A 「そうだったわね。え〜と、マグロとアボカドの漬け和えと、山芋の素揚げ、 それにチャンジャ。クーちゃんは?」 K 「え〜と、沢山有り過ぎちゃってぇ〜・・・。あっ、若鶏のから揚げとぉ・・。」 A 「美味しいわよ、から揚げ。ね、栄ちゃん。」 E 「もういい加減にして下さいよ、アキさん。ははは・・・・。」 K 「何かあるんですか?」 A 「う〜ん、何でもないのよ、ね、栄ちゃん。で、から揚げと?」 K 「ボン尻のから揚げと、4種チーズの包み揚げ。」 A 「クーちゃん、揚げ物ばっかりよ。大丈夫?」 K 「えっ?そうですか。大丈夫ですよ。ビールには揚げ物が合いますからね。」 A 「じゃ、とりあえずそれでお願いします。」 E 「はい、かしこまりました。」 K 「アキさん、今日の席、凄く良かったんですけど、一番前の真ん真ん中じゃないですかぁ。 で、字幕が全く見えなかったんですよぉ。だからちゃんと理解できたか不安なんですけどね。」 A 「どうだと思ったの?クーちゃんは。」 K 「ポジティブ・シンキングっていうのかな、それが本当に大切なんだなって事が分かったっていうかねぇ。」 A 「そうね。前向きの考え方。それもあるわよね。」 E 「はい、お待たせしました。まずは、チャンジャと漬け和えです。・・・で、今日は、 何を観てこられたんです?」 A 「<ヘア・スプレイ>。」 E 「あ〜、来日ミュージカルですね。僕も行こうと思っているんですよ。面白かったですか?」 K 「もう、とっても面白かったですよぉ。アキさんの踊りも見る事が出来たし、大満足です。」 E 「アキさん、昔は良く踊ってたみたいですもんね。お客さんが言ってましたよ。良く遊んでたって。 楽しみだなぁ〜、それじゃ。ごゆっくり。」 K 「やっぱりねぇ。」 A 「なに?」 K 「やっぱり遊んでたんだな、って。」 A 「まあ、仕方ないわよね、事実だからさ。で、話を戻しましょ。ポジティブ・シンキングね。 それも有りだわね。それから?」 K 「あとはぁ〜、差別の問題かなぁ〜。ちび、デブ、人種?」 A 「そうね。差別に猛然と抗議していくっていう姿は、 人間は決して外見からだけ判断しちゃいけないっていう事よね。」 K 「でも、アキさんは何時も、まずは見た目よ、って言ってますよね。」 A 「それは趣味の事よ。だって、いいなって思うのって、まずは外見でしょ。中身はその後。 それと差別とは別物よぉ。それにアッシは体型は関係ないしね。その体型だけしかダメっていう人に比べてみたら、 少なくても体型差別だけはしてないわよ。ははは・・・・。」 K 「それにしても、みんな良く動きますよね。あんなに太ってても、あんなに動けるんですね。」 A 「そりゃ訓練されているし、なんて言ったって若いもん。歳とったら中々難しくなるわよ、動くのって。」 K 「でも本当に凄いですよね。流石、アメリカって感じですよ。ところで、あの母親って、 何時も男の人が演じているんですか?」 A 「そうみたいね。このミュージカルの基になった最初の映画、ジョン・ウォーターズ監督の<ヘアスプレイ>では、 もう亡くなってしまったディヴァインが演じていたし、アッシが観たブロードウェイのミュージカル<へアスプレイ>では、 あのハーヴェイ・ファイアスティンが母親エドナを演ってたのよ。」 K 「ハーヴェイ・ファイアスティンって、<トーチソング・トリロジー>の?」 A 「そうそう。あのハーヴェイよ。それに、今度、っていうか、アメリカでは公開したばっかりなんだけど、 ミュージカル映画<ヘアスプレイ>では、ジョン・トラボルタが演じているのよね。」 K 「あのエドナを?」 A 「そうよ。」 K 「凄い迫力でしたよね。娘のトレイシーと一緒に迫られたら、もうそれだけで負けちゃう!みたいな。」 A 「本当ね。印象に残っている役はあったの?」 K 「そうですねぇ。あの母子は勿論なんですけど、オイシイ役なだって思ったのは、トレイシーの父親、 ウィルバーですね。いい所持って行くんですよね。」 A 「頼りないかなって見えて、そこはやっぱり父親なのね。娘をしっかり後押ししちゃってるし、 歌も歌えてダンスも踊れる。これもやっぱり見た目とは違った人物像だったわね。」 K 「アキさんは?」 A 「何と言ってもトレイシーの友達、ペニーね。それにペニーの後の恋人になるシーウィードの母親、 モーターマウス・メイベル。」 K 「どんな所が特に良かったです?」 A 「ペニーは、ちょっと変でしょ。トレイシーとは違った、ちょっと変わっている所があるわよね。でも、 全く偏見にとらわれていないのよ。ある意味では、ペニーが、このミュージカルの象徴かもしれないわよね。」 K 「なるほどぉ〜。そう言われてみたらそうだったかも。それからシーウィードのお母さんは?」 A 「何てったって、歌が抜群に上手いじゃない。それに、アッシ、この人がちょっと懐かしかったのよ。」 K 「懐かしいって?」 A 「もう何年も前だけど、ブロードウェイで観た<ワンス・オン・ジス・アイランド> っていうミュージカルに出てたのよね。その時も凄い歌唱力で、っていうか、 そのミュージカルに出てた皆が凄い歌唱力だったんだけど、 ノックアウトされちゃったのを想い出しちゃったわね。」 K 「へ〜、そうなんですかぁ。」 A 「それに、彼女、この前上映された<ドリームガールズ>の舞台版で主役のエフィーも演じた事があるみたいよ。 アッシは観てないんだけどね。」 K 「え〜〜〜っ!!!それじゃ、もう凄くて当たり前じゃないですかぁ。」 E 「お待たせしました。若鶏のから揚げと、ボン尻のから揚げにチーズの包み上げ、それに、山芋の素揚げで〜す。 お飲み物何かお持ちしますか?」 A 「アッシはね、栄泉を1合。クーちゃんは?」 K 「アキさん、日本酒なんですね。それじゃ、僕も日本酒で、え〜と、黒龍を1合お願いします。」 E 「はい、かしこまりました。でも、盛り上がってますね、お話。」 K 「本当に楽しかったんですよ。」 E 「僕も早く観たくなっちゃいますよ。どうぞ、ごゆっくり。」 A 「さ、温かい内に食べましょ。」 K 「美味し〜い!このから揚げ最高ですねぇ。」 A 「でしょ。栄ちゃんの作るから揚げはもう最高なんだから。ははは・・・・。」 E 「はい、お待たせしました。お猪口はこちらからお好きな物を選んで下さいね。 ・・・何なんです?クスクス笑って。」 A 「いやね、栄ちゃんの作るから揚げは最高に美味しいってね。」 E 「もういいですからって。」 K 「本当に最高に美味しいですよ。」 E 「有難うございます。・・・もうアキさん、後でミーティングですからね。ははは・・・。」 K 「何かあるんですか?二人でこそこそと。」 A 「何でもないわよ。ははは・・・。舞台装置とか音楽とかはどうだった?」 K 「最初のトレイシーが寝ているシーン、面白かった、っていうより、アイディアがいいですよね。 僕達がトレイシーを上から眺めているって事ですよね。後は装置としてはそんなでもなかったですけど、 音楽は楽しかったですよ。もう体が動いちゃって。」 A 「そうね。装置自体は地味だったわね。でも、クーちゃんの言うとおり、音楽は楽しくて、 自然と体が動いちゃってね。」 K 「後半が始まる前に、振り付けの先生が出てきて振り付け指導するじゃないですか。あんなの初めてですよ。」 A 「アッシも初めてよ。でも、あれで、最後の最後に皆で踊る事が出来たんだからね。」 K 「アキさんは、ブロードウェイでも観ているんですよね。いいなぁ〜。また雰囲気がちがうでしょうしね、 東京とは。」 A 「まあね。自分は今、ブロードウェイに来ているんだっていう自覚が余計に興奮を抑えきれなくしちゃうのよね。」 K 「最近言ってませんよね、ブロードウェイ。」 A 「そうね。50歳過ぎたら国内旅行しようと思ってたし、海外旅行、特に時間が掛かるところは、 ちょっとシンドクなってきたからね。次に行くとしたら、<ドリームガールズ>が再演した時かしらね。」 K 「その時は僕も」ご一緒していいですか?」 A 「良いわよ。でも、その時、クーちゃんに素敵な恋人がいたら話は別よ。」 K 「アキさんだって同じですよ。」 A 「アッシは居ても居なくても同じだからね。問題はクーちゃん。ははは・・・・。」 K 「今から楽しみですね。」 A 「でも、<ドリームガールズ>が再演されなかったら行かないんだからね。」 K 「あっそうかぁ。早合点しちゃうところでしたよ。・・・あっ、もうなくなっちゃったぁ。 楽しく話してると早いですね、お酒が無くなるの。あの〜、すいませ〜ん。お酒お代わりお願いしま〜す。」 A 「話とお酒で楽しめるなんて、最高の贅沢よね。アッシも、もう1合もらおうかな。栄ちゃん、 これもお代わりぃ〜。」 E 「は〜い!」 おわり *今回紹介したお芝居は、 1)来日ミュージカル<へアスプレイ> 渋谷文化村オーチャードホール 上演中〜8/5まで。 大阪公演も8/8〜12まであります。 とても楽しいミュージカルです。どうぞ足をお運び下さいね。 2007.7.21
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