![]() |
<古くても・・・>の巻
|
ミーちゃん(以下M)「こんばんは〜。凄い雨だねぇ〜。」 あき(以下A)「ホントね。この雨の中、有難うございます。いらっしゃいませ。・・・はい、おしぼり。」 M 「あ〜、気持ちいい〜。え〜と、今日は、今月のお勧めドリンクにしようかなぁ〜。 何でしたっけ?今月のお勧めドリンクは。」 A 「<アキのライラ>よ。」 M 「えっ?ライラ?なに、それ。」 A 「ライラってアラビア語でセレナーデのこと。」 M 「あ〜、小夜曲ねぇ〜。で、アキちゃんのアキと季節の秋を懸けたのね、それ〜って。」 A 「まあ、そうね。ヴォッカベースの綺麗な色のドリンクよ。飲み易いし。」 M 「じゃあ、それ頂きます。」 A 「アイよっと!・・・・はい、お待たせ。」 M 「あら、ホントに綺麗じゃな〜い、これ。ああ、飲み易〜〜い。軽いよね、これさぁ。」 A 「ちょっとそう思うでしょ。でもね、これ結構キツイのよ。」 M 「何?レシピは。」 A 「秘密。な〜んちゃってね。さっきも言った通り、ヴォッカがベースなのね。 それにクアントローにブルーキュラソー。レモンを絞らないでソーダで割るのよ。」 M 「あ〜、強いね。クアントローって甘いけど強いもんね。ヴォッカも強いし、 ブルーキュラソーだって結構有るんじゃなかったっけ、アルコール度。」 A 「そうなのよ。ヴォッカとクアントローが40度、ブルーキュラソーが22度だからね。 飲み易いけど沢山飲んじゃうと、ちょっと危険よね。」 M 「それだったらさぁ〜、悪いことにも使えるよね。ははは・・・。」 A 「ミーちゃんだったらやりかねないからね、本当に。ははは・・・・。 昔のスクリュー・ドライヴァーみたいでしょ。」 M 「あったね〜、スクリュー・ドライヴァー。可愛い子がいたら飲ませちゃおうっと。」 A 「その前に自分が潰れないようにね。ははは・・・。」 M 「それは良いんだけども、最近何か観た?いいの。」 A 「そうね。芝居の方は、<Mr.レディ Mr.マダム>かしらね。」 M 「え〜、それなのぉ〜。あれだよね、映画でもやったし、ミュージカルにもなった、 あのフランスの芝居でしょ。左とん平と矢崎滋だよね、あのコンビ。ちょっと合わないんじゃない〜、 そのキャスト。」 A 「そうね。左とん平は悪くないんだけど、ちょっと弱いし、 矢崎滋もとってもスターに見えないのよね。」 M 「でも、良かったんでしょ、アキちゃんは。」 A 「正確に言えば、良かったんじゃないのよ。でもさ、脚本が良いじゃない。そうすると、 そこそこ観ることの出来る芝居だったら感動しちゃうのよね。それに、イマイチの所だけでもなかったしね。」 M 「どういう所なの〜?」 A 「全体にちょっとクサイんだけど、役者がみんな芝居がそこそこ出来る人だったのよね。だから、 うんざりなんて事はなかったしね。」 M 「アルバンとザザの他にはどんな配役だったのかな。」 A 「メイドのジャコブにパパイヤ鈴木、二人の息子に杉浦太陽、その本当の母親でチリの大統領夫人に臼間香世、 代議士に鶴田忍、その妻に沢田亜矢子、娘に小野真弓よ。」 M 「あ〜、そうなのぉ〜。でもさぁ、僕ね、パパイヤ鈴木ってさぁ、何かオーヴァーじゃない?アクションが。 あ〜んまり好きじゃないんだよねぇ〜。で、どうだったの?その辺は。」 A 「ミーちゃん、この映画やミュージカル、観た事ない?」 M 「映画はあるけど、ミュージカルはねぇ〜。」 A 「でも、映画観てたら分かるでしょ。あのメイドの役がどんなかさ。」 M 「まあね。派手な方が良いって事でしょ。それは分かるんだけどねぇ〜。」 A 「勿論、ちょっとオヴァー過ぎるかな?って所は多々あったけど、あの役だから、 それがまた可笑しくていいのよね。」 M 「そうかもねぇ。それで?その他は?」 A 「さっきも言ったけど、飛びぬけて良いとは思わなかったんだけど、代議士夫婦がもう笑えたわよ。 馬鹿過ぎる位堅物でね。可笑しいじゃない、そういう様子を見ていると。」 M 「そうねぇ〜。だから、あの最後のシーンが生きてくるんだよねぇ。」 A 「そうなのよ。その時の笑いとは全く別物の笑いでしょ、最後のシーンの笑いはね。」 M 「もう相当古い映画だけど、きっと今観ても楽しいんじゃないかなって思うよね。」 A 「本当に古いわよね。ミュージカルの方は、ちょっと前にブロードウェイで再演したんだけど、映画は、 アメリカでリメイクされたあれ以来ないでしょ。これから日本でも公開される<ヘア・スプレイ>や、 今年公開された<ドリームガールズ>のように、ミュージカル版の映画でも出来ればねって思っているんだけど。」 M 「いいね、それ。で、さぁ〜、他に無いの?最近観たやつで良かったのって。」 A 「何時もそうだけど、話、直ぐ変えるのね、ミーちゃんたら。」 M 「そうね、そう言う性格だから。ははは・・・。で、あるの?」 A 「あるわよ。今日行って来たばかりなんだけどね。」 M 「それでなんだぁ、今日9時オープンだったの。開いてなかったもんね、8時半に来たら。」 A 「貼り紙してあったでしょ、9時オープンですって。」 M 「まあね。で、何行ったのぉ〜?」 A 「ちょっと前に出来たじゃない、六本木に。」 M 「あれね、ミッドタウンでしょ。」 A 「そうそう。そこに新しいライヴハウスというか、シアター・レストランっていうの?それができたのよ。」 M 「へ〜、そうなんだぁ〜。何て所?」 A 「<ビルボード・ライヴ>っていうところなんだけどね。そこでフランスの歌手、 アンリ・サルバドールの引退ツアー公演が3日間行なわれているのよ。」 M 「引退しちゃうんだぁ〜、その人。僕もね、シャンソン好きだから聴いた事あるよ、その人。CDでだけどね。 でも相当古い人だよね。まあ、引退公演だから、そうだろうけどね。で、どんな感じのライヴだったのぉ?」 A 「始まりが20分も押しちゃってね。本当に出てこれるのか心配だったのよ。 バンドが入ってきても3曲も演奏だけだし。」 M 「バンドが入ってたんだ。凄くない?それ。ライヴハウスだよね。バンドが入ってたなんて。」 A 「9人編成なんだけどね。」 M 「な〜んだ、ビッグ・バンドだと思っちったよねぇ。で、その編成は?」 A 「ピアノ、キーボード、ギター、ドラム、ベースに、トランペット、トロンボーン、 サックス、ホルンの9人ね。」 M 「ライヴハウスとしては豪華だよねぇ。で、本人は結局来たわけ?」 A 「勿論よ。」 M 「で?」 A 「もう最高だったわよ。とても90歳とは思えなかったわね、その歌声は。ちょっと足がね、 頼りなかったけど、歌っている時にはそれはあまり感じさせなかったし。」 M 「凄いね、90歳なのに。で、どんな曲やったのかなぁ〜。」 A 「大部分が最近発売されたアルバム<レヴェランス>からだったんだけど、最初の演奏を含めて15曲。 途中小野リサがゲストで一曲一緒に歌ってね。もう孫の様に、でも、 恋人の様に触れ合っていたのが印象的だったわね。」 M 「へ〜、そうだったんだぁ〜。アキさんてさあ、フランス語が分かるんだっけ?」 A 「大学の時はやってたけどね。もう25年以上やってないし、ちょっとだけ分かる単語あるだけね、もう。」 M 「じゃあ、MCなんかはわからなかったのね。」 A 「それが、MCは英語だったのよ。だからステージの流れも良く分かったしね。 大好きな大分昔の曲<シュラキーズ>も歌ってくれたし、レオ・フェレの70年代における大傑作<時の流れに>も歌ったし。 ボサ・ノヴァ誕生のきっかけとなったと言われている<僕の島>も歌ったし。 もう歴史的な時間に立ち会ったという想いが終わり間際に出てきて涙が出てきそうだったわね。」 M 「でも、出なかったよねぇ〜、アキさんは。ははは・・・。でも、良かったよねぇ、そんな時間を過ごせてさあ。 そう言えば、今度やるじゃない、<ピアフ>。」 A 「あ〜、tptの?」 M 「tptでもやるんだぁ。そうじゃなくって、映画だってばぁ。」 A 「映画ね。下旬からでしょ、今月の。」 M 「そうそう。どうなんだろうね。でもさ、そのtptの公演も気になるけどね。で、どうなの?」 A 「そんなの分かる訳ないじゃないのよ。ただ、映画はフランスでは空前のヒットを記録したらしいわよ。 まあ、空前のヒットなんて、どこまで信用できるか分からないけど、ピアフに対するフランス人の想いは、 並々ならぬものがあるから、相当ヒットしたことは間違いないでしょうけどね。tptの方は、 もう30年くらい前にイギリスのロイヤル・シェークスピア・カンパニーが初演してヒットした舞台みたいよ。」 M 「誰が出るの舞台版は。」 A 「安奈淳がピアフ役だったわね、確か。」 M 「へ〜、あっそう。でも、古いものって良いよね。って言うか、古いけどいいって言うのぉ〜。」 A 「まあ、分かるわよ、その気持ち。今はさ、その時は盛り上がるんだけど、後が続かないじゃない。 でも、良いものって古くても残っていくしね。」 M 「そうだよねぇ。観に行くんでしょぉ、アキさんは両方とも。」 A 「そうね、そのつもりよ。」 恒夫(以下T)「こんばんは。」 A 「あら、恒夫ちゃん、いらっしゃ〜い。久し振りじゃないの。」 T 「すいません、ご無沙汰しちゃって。でもいいですよね。我が家に帰ってきた感じがして。」 A 「はい、オシボリ。」 T 「有難うございます。なんか、今はみんなビルの中でしょ。こういう古い場所に来ると、 何だか落ち着いちゃいますよね。」 A 「恒夫ちゃんは、今日は何にしようか?」 T 「え〜とですね、今日は、・・・そうだ、まだ有りますかタンカレー。」 A 「ジンよね、恒夫ちゃん好きだったもんね。ロックでライムだったかしら。」 T 「はい、そうです。良く覚えてますねぇ。だから古いお店って好きなんだよなぁ〜。」 A 「はい、お待たせ。」 T 「あれ?変わりましたね、氷。丸い氷にしたんですね。」 A 「ロックのお客様だけね。」 T 「これは新しいですね。ははは・・・。で、アキちゃん、幾つになったんだっけ?」 A 「アッシ?もう52よ。」 T 「もうそんなにぃ。そりゃそうですよね、古くなりましたものね、ペンギンもアキちゃんも。」 A 「ちょっと失礼ねぇ。まあ、古くなりましたけど、ペンギンもアッシもね。もう久し振りだっていうのに、 古い古いって。」 M 「まあ、確かに古いけどね、ペンギンもアキさんも。君、中々鋭いねぇ。ははは・・・。」 A 「なによ、二人とも。古い古いって。」 T 「そうじゃなくってぇ、古いって事はそれだけ年輪を重ねていて素敵だって事ですって。」 M 「まあ、そうね。素敵だって。ははは・・・。」 T 「本当ですよ。ペンギンもアキちゃんも素敵ですって。」 A「もういいわよ、本当に。おちょくるのはこれまでね。」 M 「え〜、もう終わりなのぉ〜。つまんな〜い。」 A 「ちょっとミーちゃん。いい加減にしなきゃ倍付けよ!」 M 「怖〜い。ははは・・・。」 一同 「ははは・・・・。」 おわり *今回紹介したお芝居などは、 1) <Mr.レディー Mr.マダム> 公演終了 2) <アンリ・サルバドール> 公演終了 3) <PIAF〜ピアフ〜>舞台版 ベニサンピット 9/24〜10/8 4) <エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜>映画版 9月28日より全国で上映予定 以上です。芸術の秋です。どうぞ足をお運び下さいね。 2007.9.15
|