あき（以下A）「観たわよぉ～、TVでだけど。悪石島に行ってた人達は残念だったでしょうね。」
トシオさん（以下T）「ま～、仕方ないわねぇ～。天気ばかりはねぇ～。僕もTVで観たけど、 まぁ～、感激したわねぇ～。」
A 「トシオさんは46年前にも観てるのよね、皆既日食。」
E 「え～～！！！トシオさん観てるんだぁ～。」
T 「え～、観ておりますわよ。あれはぁ～確か北海道だったわねぇ～。東京でも部分日食が観れたわよぉ～。」
A 「そうね。アッシも小学校1～2年だったんだけど、観た記憶あるわよ。その時は、黒い下敷きをかざしてね。 今はダメって言われてるけど。」
T 「あら、今はダメなのぉ～。僕は就職したばかりだったと思うけど、黒い下敷きよね、やっぱり。」
E 「あれですよ。今は紫外線がきついからじゃないですかね、きっと。」
A 「あら、エイコ、結構凄いじゃない。理科系だったっけ？」
E 「まあ、常識、かなぁ～、ははは・・・。」
T 「まぁ～、生意気ねぇ～、エイコって。ははは・・・。」
E 「俺もTVでしか観る事が出来なかったんですけど、次はまた50年近く先なんですかねぇ？」
A 「う～ん、次は意外に早くて26年後、2035年の9月2日みたいよ。折角関東で観る事が出来るのに、まあ、 生きてないわね、アッシとトシオさんは。」
T 「何いっとんとぉ～。僕は生きてます、きっと、ははは・・・。まあ無理だわねぇ～。」
E 「俺、大丈夫だ、やったぁ～！」
T 「あら、分からないわよ！！今の時代何があるか分からないでしょ。ここから出て仲通りを渡ろうとしたら車に轢かれて、 な～んて事もあるんでございますわよ。お気を付けあそばしてね。」
E 「いっや～、相変わらずキツイなぁ～、トシオさん。でも、俺は大丈夫で～す。トシオさんこそ気を付けて下さいよ、 もう歳なんですから、ははは・・・。」
T 「お・だ・ま・りぃ～～～！！！ははは・・・。」
A 「何言い合ってるのよぉ。でも、本当よね。トシオさんが言うように、今の世の中。何が起こるか分からないからね、 本当に。」
E 「でも、そうですよね。何があるか分からないもんなぁ～。今地震があるかもしれないし。」
T 「それは言えるわよぉ。地震は予告ないからねぇ。」
E 「関東大震災の時はどうだったんです？トシオさん。」
T 「まぁ～～～！！！生まれてませんわよ、その時は。」
E 「ははは・・・。そうですよねぇ、ははは・・・。」
T 「でも、阪神淡路大震災の時は怖かったわよぉ～。もう死ぬかと思ったわねぇ～、本当に。」
A 「そうね。アッシは、凄くラッキーで、その前日に大阪から東京に帰って来たから、次の日TVを観てもうビックリ！ 直ぐに関西の友達に電話したんだけど、当然繋がらないじゃない。まあ、知り合いは全員無事だったから良かったけどさぁ。」
E 「だから今したい事はする、観たいものは観る、やりたい子とはやる、ですよねぇ～。」
T 「ま～、やりたい子には断られるでしょ、エイコは。ははは・・・。」
E 「うっもう～、失礼過ぎますよ、トシオさん。当たってますけど・・・。」
A 「人生は一度きりだからね。まあ、周りに迷惑を掛けない様に、ある程度は好きな事はやっておかないとね。」
T 「まあ、アキちゃんみたいに趣味が色々有ると、やりたい事も沢山有って大変だろおうけどねぇ。 最近も芝居三昧なのかしら？」
A 「まあ、そうね。今週も行って来たわよ。」
E 「今週は何を観に？」
A 「久し振りに宝塚。」
T 「あら、珍しいじゃない、アキちゃんが宝塚なんて行くの。何やってるの？」
A 「今月は、＜エリザベート＞なのよ。」
E 「聞いた事あります、その名前。結構有名ですよね。ヨーロッパの人でしたっけ？」
T 「丁度明治時代よね、日本でいえば。その頃のヨーロッパのオーストリアの皇帝、フランツ・ヨーゼフⅠ世の奥方、 皇后エリザベスの話よねぇ。」
E 「あ～、そうそう。フランツ・ヨーゼフですよ、フランツね。」
A 「あ～んた、分かってないわね、その言いっぷりじゃ。」
E 「フランツ・ヨーゼフでしょ。」
A 「じゃあ、その皇后は？」
E 「え～とぉ～、フランツ皇后ですよ、ね。」
T 「な～に馬鹿な事いっとっとう！エリザベスよ、エリザベス。」
E 「あ～、そうそう、エリザベスですよぉ～。」
A 「ほ～んといい加減ねぇ、ははは・・・。」
T 「で、どうだったの？エリザベートは。」
A 「それがさ～・・・。」
E 「って言う事は、あんまり良くなかったんですね。」
T 「何組だったの？」
A 「月組。」
T 「あら、月組ねぇ～。かつてはブロードウェイの翻訳ミュージカルは月組って決まってたくらい凄かったのにねぇ～。 歌えないんじゃぁねぇ～。」
E 「そんなに月組って凄かったんですかぁ。」
T 「そうですよ、エイコ。何しろ歌が上手かったわよねぇ～。＜ミー＆マイガール＞＜グランド・ホテル＞ね。 剣幸も涼風真世も良かったわぁ～。」
A 「そうね。あの頃はブロードウェイ・ミュージカルといえば月組だったもんね。」
E 「で、今回の月組は歌がそんなに？」
A 「まあ、トップの瀬奈じゅんは歌えるんだけどねぇ・・・。」
T 「後はって事なのね。」
A 「そうなのよ。トートの瀬奈じゅんは凄く上手い訳じゃないんだけど、まあ、合格点ね。でもさぁ、 エリザベートの凪七瑠海（なぎなるうみ）は、宙組からの応援なんだけど、元々男役だからね。 声が女性っぽく聞こえないのよね。デカイ声だったけどね、ははは・・・。それからルキーニの龍真咲。もうお笑い。」
E 「他も酷かったんです？」
A 「まあ、他はね、そこそこだったわよ。フランツ・ヨーゼフを演った霧矢大夢（きりやひろむ） や皇太后を演った城咲あいエルマー（日にちによってはルドルフ）を演った遼河（りょうが）はるひ達はまあ無難ね。 でも、この話、死であるトートとその死に恋するエリザベートを中心にエリザベートを刺殺したルキーニがその二人の恋を証明していくってものだから、 この3人が良くなかったら台無しじゃない。で、3人の内2人がイマイチだった訳だからねぇ～。」
T 「そりゃあ、辛いわよねぇ～。」
E 「同じものを違う人がやるとどうしても比べてしまいますからね。凄くいいものが出た後だとやってる方も辛いですよね。」
T 「まあ、そうねぇ～。」
A 「でもさ、そうじゃない場合もあるのよ。」
T 「何かあった？」
A 「もうひと月以上前なんだけど、＜楽屋＞っていう芝居があったのね。」
E 「あ～、渡辺えりさんや小泉今日子さんが出てたやつですよね。」
A 「そうそう。あれはシアター・トラムだったでしょ、劇場が。で、その後、直ぐに下北沢の駅前劇場でやったやつがあるのよ。」
T 「そりゃ無謀な挑戦よねぇ～。」
A 「アッシも初めはそう思ったわよ。だって、渡辺えり、小泉今日子、村岡希美、蒼井優の超強力キャストの後でしょ。 文学座の高橋礼恵がいるとしても、主宰の鯨エマや多田慶子、谷村実紀たちは知ってる人の方が少ないものぉ。」
T 「そうねぇ～。僕も全く知らないわねぇ～。」
E 「俺なんか、ぜ～んぜん知りませんよ。」
A 「でしょ。でもさ、みんなは知らないかもしれないけど、ちゃんとした芝居をする人達なのよね。だから、 あの超強力キャストの後でも見劣りしなかったのよね。」
E 「そう言う事もあるんですね。」
A 「そうそう。」
T 「脚本の良さもあるわよねぇ～。清水邦夫の＜楽屋＞だものねぇ、そりゃいいわよ。」
A 「＜エリザベート＞だって脚本は良く出来てると思うのよね。まあ、ず～っと前に言ったんだけど、 音楽は歌謡曲っぽくてアッシはイマイチなんだけど、それが日本人に合って、大ヒットしてる訳よね。だからこそ、 レベルを下げて欲しくなかったのよぉ。」
T 「分かりますわよぉ～、アキちゃんの気持ち。」
E 「でも、ここの所、歌が壁ですよね、アキさんには。ほら、 この前もPARCO劇場でやってるミュージカルがイマイチって言ってたじゃないですかぁ。」
A 「あっ、そうだったわね。＜サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ＞ね。まあ、 あれは公演が始まったばかりだたし、元々歌が上手い人達だから、今は変わっているかもよ。でも、エイコが言うように、 最近当たってないかな、いい芝居に。これからに期待かしらね。」
T 「これからは？」
A 「これからも色々観に行く予定だけど、ミュージカルで言えば、来日公演の＜ウエスト・サイド・ストーリー＞や ＜コーラスライン＞、国内制作では久し振りの＜ブラッド・ブラザーズ＞、草笛光子と大竹しのぶが火花を散らす ＜グレイ・ガーデンズ＞、映画の再映で再び人気が出ている＜シェルブールの雨傘＞なんかかな。」
E 「それじゃ、今度に期待ですね。」
T 「そうねぇ。次に観るものが良い事を願って乾杯でもしましょうよぉ～。ほら、アキちゃんも、エイコにも何かあげて。」
E 「えっ？良いんですかぁ～。それじゃ、遠慮なくラフロイグをロックで。」
A 「あいよっ！・・・それじゃ、トシオさん頂きます。」
E 「トシオさん、頂きま～す。」
T 「はいはい、どうぞ。それじゃあ、乾杯！」
一同 「かんぱ～い！ははは・・・・。」
おわり
＊今回紹介したお芝居は・・・ １）ミュージカル ＜エリザベート＞ 東京宝塚劇場 上演中～8/9まで ２）楽屋 公演終了 ３）来日公演 ＜ウエスト・サイド・ストーリー＞ 7/29～8/9 文化村オーチャード・ホール ４）来日公演 ＜コーラスライン＞ 8/12～30 文化村オーチャード・ホール ５）ミュージカル ＜ブラッド・ブラザーズ＞ 8/7～9/27 シアター・クリエ ６）ミュージカル ＜グレイ・ガーデンズ＞ 11/7～12/6 シアター・クリエ ７）ミュージカル ＜シェルブールの雨傘＞ 12/5～28 日生劇場以上です。どうぞ足をお運び下さいね。
2009.7.26