<何の秋?>の巻

泰三(以下T)「ちょっとぉ〜、夏はどうなったのよぉ〜、夏はぁ〜〜〜。」

あき(以下A)「ほんとね。夏があったんだか無かったんだか・・・。でも、楽だわぁ〜、良く眠れるからね。」

オサ子(以下O)「あ〜ら、アキちゃんって元々良く眠れるんでしょ、時間は短いみたいだけど。」

A 「そうね。横になったらあっと言う間に寝ちゃってるかしら。でもさ、この季節になると、 何となく凄く良く眠れてるって感じがするのよね。そんな事ない?」

O 「確かにあるわよ。アタシさ、何時もは寝付けないのよね、直ぐには。でも、 秋になるとスゥ〜っと林檎をかじった後の様に眠りについちゃうの、ホホホ・・・。」

T 「ちょっとぉ〜、眠れる森の美女気取りかしらぁ〜?お綺麗だこと。」

A 「あ〜。怖い怖い。お姉さま方の会話は。でもさ、泰三さん、それって<白雪姫>じゃなかったっけ? ははは・・・・。」

T 「あら、そうだったかしら、ははは・・・。それにしても本当に短かったわねぇ〜、今年の夏は。エアコン、 冷房にしなかったものぉ〜。」

O 「あら、泰三ちゃんもそうだったの?アタシもそう。ドライだけよ。あとぉ月末に選挙と台風だったじゃない。 ま〜あ、先月は慌しいったらありゃしなかったわよねぇ〜。」

T 「本当よぉ〜。それにしても、凄かったわね、民社の躍進たら。アッチここで見てたじゃない、選挙速報。 もう飲むのも忘れてワンゼグに釘付けになっちゃたわよ。まあ、アキちゃんには悪かったけど。」

A 「いいのよ、アッシも凄く興味があったからね。アッシね、あの日は一番で投票に行こうと思って、 お店が終わった足で投票所に向ったのよ。」

O 「あ〜ら、熱心な事ね。」

T 「それって、もしかして一番クジっていうか、最初の投票者ができるあの事を狙ったのかしら?」

A 「その通り。流石は泰三さんね。」

O 「何、なに?」

A 「オサ子さん、聞いたことないの?最初の投票者は投票箱の中を見るのよ。」

O 「何でまた?」

T 「んもう〜。ちょっと考えてから言ったらぁ〜?分かるじゃないの、最初の投票者よ、最初の。」

O 「え〜?」

T 「ちょっとぉ〜。本当に鈍いんだからオサ子って。」

O 「何よ!教えて頂戴、もったいぶらないで。」

T 「最初の投票の前に、投票箱に投票用紙が無いかどうか確認するのよぉ〜。」

O 「あ〜〜。不正が無いかどうかぁ〜。あ〜〜〜、なるほどぉ〜。」

A 「でも、凄いの、並んでて。みんな狙ってる訳じゃないんだろうけどね。でも、年配ばっかり。 アッシがもしかしたら一番若かったかも。ははは・・・。」

T 「年寄りは早寝早起きだからね。」

O 「ところでさぁ〜、さっきから気になってるんだけど、今月のお勧めドリンク、<バラライカの調べ>っていうの、 それどんなヤツ?」

A 「今月のお勧めね。これはヴォッカがベース。それにコアントローにレモンリキュール、 ブルーキュラソーを加えてソーダで割ったのよ。」

T 「凄く飲み易そうじゃない。アッチそれ頂こうかしら。」

A 「は〜い。・・・はい、どうぞ。」

O 「ちょとぉ〜、綺麗じゃないのぉ〜。アタシもじゃあ、それ頂戴。」

A 「はい、分かりました。・・・お待たせしました。」

O 「美味し〜〜い。す〜っとするわね。」

T 「中々いいじゃな〜い。秋って感じよねぇ。」

O 「秋って言えば芸術の秋よねぇ〜。」

T 「あら、オサ子ったら食欲の秋じゃなかったのかしら?」

O 「おだまり!アンタこそ、性欲の秋でしょ!」

T 「ま〜ぁ、それはお互い様。」

A 「まあまあ。」

O 「ねえ、芸術の秋。今月もお芝居やコンサートが盛り沢山なのかしら?」

A 「そうなのよぉ〜。多い時は週に4本。自分でもこんな芝居馬鹿でいいのかしらって、時々思うのよね。」

T 「いいんじゃない、アキちゃんはそれが生きがいみたいなもんだからねぇ。」

O 「最近は何か観たの?」

A 「ここの所、野田三昧なのよ。」

T 「野田三昧?」

A 「そう。まあ、正確に言えば、三昧でもないんだけど。」

O 「ってどうよ?」

A 「一つはミュージカルなのよね、野田の戯曲を基にした。で、一つは野田の演出した舞台。」

T 「それって、ミュージカルの方が<天翔ける風に>で芝居の方が<ザ・ダイバー>ね。」

A 「流石は泰三さん。その通り。でも<ザ・ダイバー>の方は観るのが まだまだ先なんだけど。」

T 「<天翔ける風に>の方はアッチも主役の香寿たつきが宝塚在団中の時に観たわ。 野田の戯曲でドストエフスキーの小説<罪と罰>を基にした<贋作・罪と罰>が基になってるのよね。」

O 「な〜んか複雑よねぇ〜。まず小説があって、それを基にした戯曲を基にミュージカル?まぁ〜大変。」

A 「そうなのよぉ〜。原作の<罪と罰>は置いといて、野田の<贋作・罪と罰>の方にわりと準じてるから、 野田の芝居を観た人にはとっても解かり易くなってるわよ。」

T 「結構良かったけど、歌がねぇ〜・・・。」

O 「まさか、歌えない?役者が。」

T 「違うのよぉ〜。歌は皆そこそこ上手いのよ。ねえ、アキちゃん。」

A 「そうだったわ。泰三さんの言いたい事分かるわ。あれでしょ、印象に残る歌が無いって事よね。」

T 「そうそう。」

A 「確かに今思っても出てこないもの、ワン・フレーズも。」

O 「ミュージカルってさ、勿論話の流れって重要なんだけど、それよりもやっぱり歌のナンバーよね。 印象に残るのが無ければちょっと辛いかもねぇ。」

T 「そうでしょ。オサ子だって分かるわよね、そのくらい。」

O 「まぁ〜〜〜、失礼だわぁ〜、この女ったら。アタシも結構観ているのよ、ミュージカル。」

A 「そうよねぇ。オサ子さん、この前も<ウエスト・サイド>と<コーラスライン>行ったって言ってたもんね。」

T 「あら、そうなの。」

O 「そうようぉ〜。<クール>、<マリア>、<トゥナイト>、<ワン>、<ダンス・テン・ルックス・スリー>、 <ワァット・アイ・ディドゥ・フォー・ラヴ>、<ノッシング>・・・もう最高よね。アタシ、 <レント>はあんまり好きじゃないんだけど、それでも<シーズンズ・オブ・ラヴ>って良い曲があるじゃない、 だから印象に残ちゃってるの。やっぱり印象に残るナンバーが無いのはちょっとねぇ〜。」

A 「それでもさ、このミュージカル、やっぱり野田の戯曲<贋作・罪と罰>を観てたからかもしれないけど、 良かったっていう感覚は残ってるのよ、未だにね。」

T 「それは分かるわ。アッチもそうね。香寿たつきのファンだって事もあったけど、 このミュージカル良く出来てるなって。」

O 「それって脚本が良いって事よね。物語がちゃんとしてるって事でしょ。」

A 「そうなんだと思うのよね。<ザ・ダイバー>も印象に残る舞台だといいんだけどぉ〜。」

T 「前にイギリスのキャストが来てやったわよね。」

A 「キャサリン・ハンターがとっても素晴らしかったんだけど、物語が複雑すぎて、ちょっと難しかったのよ。 まあ、英語が理解出来なかったってのも相当大きいんだけどね。でも、今度は日本語じゃない。 だから去年の来日公演よりは理解できると思うのよね。」

T 「なんか、雑誌なんかを読むと、オリジナルとはアプローチが違うらしいわよ。」

A 「そうみたいねぇ。楽しみだわぁ〜。」

O 「今月アキちゃんのお勧めって有るの?」

A 「今月はさ、お客様の関係している芝居が結構多くて、まずはそれからかな。」

T 「誰の?」

A 「まあ、公演の近い順にい言うと、英樹の出る<memory>でしょ、ジュンが歌う<One Day in the Cafe>でしょ、 十三雄ちゃんの出る<君がもしアンデルセンだっ たら・・・>でしょ、・・・。」

O 「これは?」

T 「ナイロン100℃の<世田谷カフカ>?な〜んか難しそうじゃない、カフカなんて。」

A 「なんでもカフカの未完の長編小説を読みくだいて作るらしいわよ。」

O 「この前来てたわよね、ここの女優さんが。」

A 「そうそう。村岡希美さんね。」

T 「あら、その人<楽屋>に出てなかったっけ?」

A 「そうそう。その女優さんよぉ。」

T 「それだったら観てあげたくなるわよねぇ。」

A 「日にちが決まったら言ってね、取れるから、チケット。」

O 「そうなの?あらぁ〜、ちょっとぉ、そしたら言うわよ。取ってよ、お願いよぉ〜。」

A 「分かりました。」

T 「彼の芝居はまだ?ほら、今年劇団立ち上げたぁ〜。誰だっけ?」

A 「あ〜、ヨシヒロ君ね。彼の芝居は来月、10月よ。」

O 「このチラシがそうよね。え〜と、何て読むの?これ。<トリガー・トリッカー>かしら?」

A 「そうそう。<TRIGGER/TRICKER>。で、出し物が<コネクションズ・アンシーン>よ。 このチケットも予約受付中だから宜しくよ。」

T 「あとさ、アキちゃんの知り合いが訳したっていう蜷川演出のぉ〜・・・。」

A 「あっ、忘れてた。<コースト・オブ・ユートピア>ね。これももう直ぐ始まるのよ。でもさ、10時間じゃない。 ちょっと行けそうにもないのよね。観たいんだけどねぇ〜。」

O 「これかしら。このチラシがそうよね。へ〜。でも、この日程だと難しいわよね、アキちゃんみたいな夜の仕事人は。」

A 「でしょ。一日通しか、1部ずつ3日続けてだもん。まあ、やる方の事を考えたら仕方ないのかもしれないけど、 観る方の事も考えてスケジュールを組んで欲しかったわね。」

T 「まあ、観る事の出来ないものがあっても良いんじゃない。それこそ倒れちゃうわよぉ、アキちゃんさ。」

A 「まあ、そうね。やっぱり寝不足になっちゃうからねぇ。仕事が無い時だったらいいんだけど、 そうはいかないから。」

O 「まあ、無理しない程度に楽しみましょうよぉ〜。」

T 「そうそう。アッチもオサ子もアキちゃんも、いい歳なんだからさぁ。ははは・・・。」

O 「本当よね。シルバー・ウィークも少し休養にあてようかしらぁ〜。」

A 「それも良いんですけど、来てくださいよ、ペンギンにも。」

T 「何、営業にはいってるのよ、ははは・・・。」

O 「来るのに決まってるじゃな〜い。地方からいいのが来るかもしれないしぃ〜。」

T 「あら、オサ子の方こそ<性欲の秋>じゃない。ははは・・・。」

A 「本当よねぇ〜。ははは・・・・。」

一同 「ははは・・・・・。」

おわり


 *今回紹介したお芝居などは・・・

 1)ミュージカル<天翔ける風に>
    公演終了

 2)<ザ・ダイバー>  上演中〜9/20
    池袋・東京芸術劇場・小ホール1
 3)and so on <memory> 9/9〜13
    築地・ブディスト・ホール
 4)Gotta2 <One Day in the Cafe> 9/12
    地下鉄赤塚・CAFE SONANTA
 5)CAPTAIN CHIMPANZEE
    <君がもしアンデルセンだったら・・・>
    9/26〜10/4  池袋・シアター・グリーン
 6)ナイロン100℃<世田谷カフカ> 9/28〜10/12
    下北沢・本多劇場
 7)TRIGGER/TRICKER<CONNEXIONS UNSEEN>
    10/24〜25 新宿2丁目・サニー・サイド・シアター
 8)<コースト・オブ・ユートピア> 9/12〜10/4
    渋谷・シアター・コクーン
 以上です。芸術の秋。どうぞ足をお運び下さいね。
2009.9.6


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