<アングラだぁ〜!>の巻

ジャンキー(以下J)「う〜〜〜、寒!」

あき(以下A)「いらっしゃ〜い、ジャンキー。寒い中、有難うね。・・・はい、オシボリ。」

J 「こんばんは。本当に寒くなりましたねぇ。もう嫌だわぁ〜。アタシ、寒さに弱いんですぅ〜。」

俊男さん(以下T)「弱いのは寒さだけじゃないんじゃないのぉ〜〜???ははは・・・。」

J 「まあ、俊男さん、いきなりのカウンター・パンチね。う〜む、違うわよぉ〜・・・、 とも言えない所がねぇ〜。」

A 「ジャンキー、今日は何にします?」

J 「あっ、そうそう。え〜と、やっぱり今月のお勧めよねぇ〜、<プチ・パパ・ノエル>お願いします。」

A 「アイヨッ!今年はね、ジンかヴォッカ、ソーダかトニックを選んでもらうんだけど、どうしましょ。」

J 「えっ、そうなの?それじゃぁ〜、ヴォッカとソーダで。」

A 「オリジナルね。・・・・・はい、お待たせしました。」

J 「まぁ〜、綺麗。これ、本当にこの季節にピッタリですよねぇ〜。それに美味しいし。」

T 「この季節の定番よねぇ〜、本当に。」

J 「所で、今日は意外に早かったんですね、開けるの。ほら、予定では9時半開店だったじゃないですか。 で、まだかな、って歩いてたら看板点いてるし。」

A 「そうなのよ。予定より早くって言うか、終演時間が分からなかったから、 一応余裕をもって9時半にしといたのよね。そしたら30分以上も早く終わっちゃったもんだからさ。」

T 「あら〜、そうだったのぉ〜。僕は何時もの時間に来ちゃったし、そんな遅くなるなんて知らなかったからね。」

A 「ジャンキーみたいにちゃんと予定を確認してくれてる人って殆どいないのよね。 あそこのお知らせにも書いてあるし、トイレにも書いてあるし、 ホームページにだってちゃんと書いているのにね。」

T 「見ないわよぉ。って言うかさぁ、忘れっちゃうのよね、見ても。」

J 「俊男さんの場合は、歳でしょ、きっと。ははは・・・。」

T 「ま〜〜〜、失礼ねぇ〜。でも、そうかもね。 ジャンキーみたいにまだピチピチの若さだったらそんな事も無かったと思うんだけどねぇ〜。 物忘れが酷くなったのは明らかだわねぇ。そろそろ消えようかしら。」

A 「止めて、そんな事言うの。まだまだ人生これからでしょ。あ〜んな事も、こ〜んな事もしなきゃ。」

T 「そりゃ〜、僕だって、あんな子とや、こんな子ともしたいわよぉ〜。」

J 「俊男さん、ちょっと違うんじゃない?」

A 「ははは・・・。まだまだ若いって事よね、俊男さん。」

T 「ところで、何処行ってたの?今日は。」

A 「四谷区民ホールでミュージカル<GIFT>のコンサート版、<GIFTをあなたに>っていうのに行ってきたのよ。」

J 「それってアキさん結構行ってますよね。前にも聞いた事があります。」

A 「そうね。プロデューサーと演出家が知り合いなのよね。でも、それだけじゃ毎回は行かないわよ。 やっぱりとても素敵だからね。」

T 「そんなに良いのかしら?」

A 「そうね。な〜んか、ホッとするっていうかね。一見子供対象かなとも思うんだけど、 良く考えてみるとやっぱり大人のミュージカルかなって。」

T 「どんな内容なの、そのミュージカルって。」

A 「まあ、今回はコンサートだったんだけど、沢田知可子のナレーションで物語が進んでいく方法をとってたのね。」

J 「沢田知可子って、<会いたい>の?」

A 「そうそう。彼女が作詞して旦那の小野沢篤が作曲したミュージカルなのよね、これって。」

T 「あら、そうぉ〜。」

A 「細かい事を話すと長くなるから手短に話すとね、夢や人への思いやり、 そして命の大切さを訴えてるミュージカルなのね。」

J 「夢ねぇ〜。子供の頃は有ったけどねぇ〜。今じゃ夢破れてって感じかなぁ〜。」

A 「でしょ。みんな子供の時は夢を持ってるのよね。でもさ、 大人になるに従って現実が見えてきてその夢を諦めたりするじゃない。」

T 「分かるわぁ〜、それねぇ。僕も子供の頃には夢が有ったもんねぇ〜。」

J 「あら、俊男さんってどんな夢を持ってたの?」

A 「本当よね。アッシも聞いてみた〜い。」

T 「いいわよぉ〜、恥ずかしいから・・・。」

A 「いいじゃないのよ、減るもんじゃないんだし。」

T 「それもそうねぇ〜。僕ね、子供の頃は国会議員になりたかったのよぉ〜。」

J 「え〜〜???国会議員?な〜んか全然イメージ違うぅ〜〜〜。」

T 「僕の家って、田舎だけど、旧家で元々は地主だったのよぉ。だから親戚なんかも議員が多かったのよねぇ。」

J 「あら、俊男さんて、凄いボンボンだったのね。」

T 「まあ、そうでも無いんだけどさぁ。で、当然僕自身も議員になるって思ってたのね。 大学も法学部だったし。」

A 「でも、その夢を諦めちゃったのは何故?」

T 「あら、それは簡単な事なのよぉ〜。好きな人が出来たのよ。もう恋に落ちちゃったのよねぇ〜。 もう勉強なんてどうでもよくなっちゃってね。」

J 「へ〜。聞いてみないと分からないものですねぇ。」

A 「でもさ、未だに俊男さんて、自治ネタ強いもんね。議員目指して法学部だったんだ。」

T 「まあ、そうね。でも、僕は失敗だとは思ってないのよ。その人に出会って、 今まで僕が知らなかった世界を沢山見せてもらったのよぉ〜。それが今じゃ宝よねぇ〜。」

J 「そう思えるって素敵ねぇ〜。アキさんは?」

A 「アッシはね、歌手か役者よ。」

T 「まあ、よく分かるわ、それ。」

J 「好きですもんね、お芝居とか歌とか。」

A 「そうね。アッシ、鍵っ子だったから、家に帰っても親が居なかったのね。でも、 その代わり本とかレコードとかが有った訳。独りの時間が楽しかったの、昔から。」

J 「そう言えば、アキさんって休みの時にあんまりお客さんと付き合わないですよねぇ。」

A 「そうね。それはここは仕事場だからよ、アッシにとって。みんなだって、 プライベートに仕事先の人と付き合うな〜んて事は少ないでしょ。」

T 「まあ、そうねぇ〜。」

A 「あと、隣に住んでたオバサンね。その家って子供が居なかったのよ。だから、 アッシのこと凄く可愛がってくれてね。勿論凄く怒られもしたけど。で、小さい時から歌舞伎や新派の舞台、 TVの公開放送なんかに連れてってくれたのね。そんなの観てたらさ、やってみたいなぁ〜って思ってきてね。」

J 「そうかもしれませんよね、子供の時に受けた影響って凄いものぉ〜。」

T 「そう言うジャンキーはどうなのよぉ?」

J 「アタシですかぁ〜?そうですねぇ〜、結構夢に向って動いてるかも、です。」

A 「じゃあ、小さいときから洋服のデザイナーになりたかったんだ。」

J 「具体的にデザイナーって事ではなかったんですけどね、母親が裁縫好きだったんですよぉ。で、 何時もミシンを掛けてたのよね。いつの間にか自分もミシンに触ってたのよぉ。初めは危ないわよって言われたけど、 その内母親も分かったんじゃないのかしらぁ。型紙の作り方とか色々教えてくれて。」

A 「前にジャンキー言ってたもんね、迷わず専門学校に行ってデザイナーの事務所に入ったって。」

J 「そうなんです。な〜んかちょっと話が逸れちゃってません?」

A 「そうね、本当だ。で、話を戻すけど、その夢を持ち続けようって。それから心の贈り物、 つまりこのミュージカルのタイトルにもなっているギフトを持ち続けようっていうメッセージが込められているのね、 このミュージカルには。」

J 「なんか、観終わったらホワ〜っとなりそうよぉ。」

T 「そうねぇ〜。今度行ってみようかしら。」

A 「次に何時やるかは分からないんだけど、やる時には是非行ってみてよ。」

T 「最近は他に何か行ったの?」

A 「流山児事務所の<田園に死す>に行ってきたわよ。」

T 「映画は良かったわねぇ〜。ちょっとフェリーニっぽかったけどねぇ〜。あれ、舞台になったの?」

A 「そうなのよ。」

J 「それですよね、そのポスター。」

A 「そうそう、それね。」

T 「で、どうなの?」

A 「そうねぇ〜・・・。流山児事務所で相当前にやった<ザ・寺山>が凄く良い出来だったからねぇ〜。 悪くはないんだけどねぇ〜。アッシにはイマイチだったかな。」

T 「どんな感じなの?」

A 「元々、映画の<田園に死す>って、寺山修司の自伝的な物だったじゃない。で、 映画を更に広げて彼の生から死までを目まぐるしい程のスピードで分解、展開、 してコラージュっぽく作り上げたっていうのかしらね。」

J 「難しそうだわねぇ〜。」

A 「難しくはないと思うんだけど、寺山の色々を知ってると分かり易いかもね。」

T 「やっぱりさぁ〜、ねぇ〜、映画を芝居にするのって困難があるわよねぇ。 ましてや元々良く出来た映画だったしねぇ。」

A 「そうね。違うものだって分かって観るんだけどね。やっぱり全てを忘れて観るってのは至難の技じゃない。 あ〜、そこはこうだった、ここはぁ〜〜〜・・・、って。」

J 「それ、分かるぅ〜。ファッションショーでもそうなのよねぇ〜。あれ〜〜?これってあの時の・・・とかさぁ。 どこかに残っちゃうのよね。過去の何かが。」

A 「でもね、久し振りにアングラってな感じの舞台だったのよ。だから、イマイチだったんだけど、 悪い気持ちは残ってないのよね。」

T 「アングラねぇ〜。懐かしいわねぇ〜。」

J 「今でもあるじゃないですかぁ〜、アングラって。ファッションの世界でも良く有りますよ、 前衛的なデザインやショーが。」

A 「そうでしょうね。でもさ、これって時代が関係してくるじゃない。その人、 その人によってアングラっていう意味が違ってきちゃうと思うのよ。 アッシとか俊男さんの時代は日本が色んな意味で動いていた時代でしょ。でも、 ジャンキーの時代はと言ったらもう有る程度日本が出来上がってしまった時代よね。」

T 「そうねぇ〜。僕らの頃は食べ物にも困ったものね。まあ、 僕は田舎のまあまあ良いとこの子供だったから食うに困るな〜んて事は無かったけど、 周りを見ると結構いたわねぇ〜。」

A 「だからさ、時代によって変わるのよね。今なんてベンツ持ってて学校の給食費を払わない親とかもいるんでしょ。 もう信じられないわよぉ〜。」

J 「まあ、その時代、時代で状況は全く違う訳ですからねぇ〜。アングラっていうのも違うんでしょうねぇ〜。」

T 「そうよねぇ〜。僕が懐かしいと思っているアングラは今じゃぁ〜もう無いのかしらねぇ〜。」

A 「だから、その昔っぽいアングラの匂いを魅せてくれたのよね、この舞台は。」

晋ちゃん(以下S)「こんばんは〜。」

A 「あら、晋ちゃ・・・ん・・・。」

J 「キャ〜!な〜に、その恰好。」

T 「その髪型!」

S 「何か変ですかね?教の授業で思いっきり前衛的にって言われてやってみたんですけど。」

A 「これが今のアングラよぉ〜。」

T 「そうねぇ〜。今のね。」

J 「そうですよ、これですよ、これ。」

S 「な〜んだかなぁ〜。」

一同 「ははは・・・・。」

おわり


  *今回紹介したお芝居は、

  1) <GIFTをあなたに>  公演終了
  2) <田園に死す>   上演中〜12/23まで
       下北沢ザ・スズナリ
  以上です。年末でお忙しいとは思いますが、どうぞ足をお運び下さいね。
2009.12.21


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